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グローバル人材育成推進事業講演会 「開発援助の在り方~世界銀行と日本の国益~」開催

2013年06月26日

6月26日、多摩キャンパス8号館で、グローバル人材育成推進事業講演会「開発援助の在り方~世界銀行と日本の国益~」が開催されました。

本講演は、本学法学部政治学科4年岡嶋美和さんが留学先であるワシントンDCで知り合った、現在世界銀行にお勤めの河内祐典氏が一時帰国するとのニュースを知り、「ぜひ中央大学で講演をしていただけませんか」と直接依頼したことがきっかけで、実現したものです。本学法学部ヘッセ・スティーブン教授や西海真樹法学部教授の協力により、西海教授担当「国際法総論1」の授業での講演として実施されました。

河内氏は現在、財務省から世界銀行に出向し、東アジア・大洋州地域局シニアエコノミストとして活躍されています。今回は世界銀行と日本の視点から開発援助の在り方をテーマにお話しいただきました。

世界銀行(The World Bank Group)は、1945年に発足し、186カ国が加盟しています。日本は1952年に加盟し、現在、出資割合はアメリカに次いで2位、専門職員は4593名中日本人が103名います(2009年時点)。組織は大きく分けて事務局と理事会(加盟国の現地代表)からなり、事務局が世界銀行の政策や融資案件を企画・立案し、それを理事会が審議・決定するという形で運営されています。

日本は当初、世界銀行から援助を受ける側でしたが、近年はかつて受けた融資も完済し、各国への援助を通じて国際社会に貢献する側となっています。河内氏によると「世界銀行は国連と違い1国1票の投票権ではなく、出資金額の割合に応じて投票権が割り当てられます。そのため現在、日本の投票権はアメリカに次いで大きくなっています。人材面でも、上級副総裁を1名輩出する等の貢献を行っています。」

しかし、課題もあります。それは、中国やインドなど途上国が台頭する中で、厳しい財政事情におかれている日本が世界銀行や国際社会において、開発援助を通じていかに効果的・効率的に国益を確保していくかということです。これについて河内氏は「国際援助コミュニティにおけるプレゼンス・発言権の確保が重要」と強調します。出資額の割合に比べて、世界銀行幹部職員への登用数は少なく、今後も人材育成がカギとなります。また、日本の援助理念や日本そのものに対する国際的理解の促進も必要です。「日本はどういったルールで開発援助がなされ、評価されるかをしっかりと見据えた上で、日本として効果的な情報発信をしていくことが大切です。」

世界銀行には学部新卒一括採用等はなく、修士卒以上でかつ、さまざまな分野で経験を積んできたエキスパートが「自分はこういうことができるので、その経験を開発援助の世界で活かしたい」というアピールをして世界中から集まっています。河内氏は講演の最後に「グローバルなものの考え方を身につけることは、今後どのような分野で働くにしても必ずプラスになりますし、結果的にそれが日本の国益につながると考えています。皆さんも視野を広く持って意欲的に学んでください」と学生たちに熱いメッセージを送りました。

今回の講演は、あいにくの梅雨の天気ではありましたが、約170名という多くの学生が学部・学科を問わず参加し、30分以上にわたる質疑応答を経て講演終了後も質問する学生が後を絶たないほど好評を博しました。

【講演者プロフィール】
河内祐典氏
世界銀行東アジア・大洋州地域局シニアエコノミスト。1967年生まれ。東京大学法学部卒。1991年大蔵省(現財務省)入省。1995年米シカゴ大学大学院にて行政学修士号取得。国際局(ODA担当)、主計局等を経て、2003年から2006年まで世界銀行日本理事室審議役。2010年8月より現職。
※2013年7月1日より米州開発銀行(IDB)の日本政府代表部に就任

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