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【商学部OG・OB会 C-Com.21主催】「C-Com.21 記念シンポジウム」開催

2013年06月01日

C-Com.21記念シンポジウムの様子

6月1日(土)、後楽園キャンパスにて「C-Com.21 記念シンポジウム」を開催しました。テーマは「中央大学商学部におけるグローバル人材育成について」。はじめに河合久商学部長が挨拶し、続いて商学部の木下耕児教授と栗原文子准教授が基調講演を行いました。その後、岡田匡令氏(商学部昭和41年卒)、桐井健之氏(商学部平成3年卒)、祖沁澄さん(商学部4年:酒井ゼミ)、海老澤允伸さん(商学部4年:中迫ゼミ)によるパネルディスカッションが行われ、商学部のOB・OGとともに多くの学生が熱心に耳を傾けました。

C-Com.21とは――

商学部全体の同窓会で、商学部と卒業生、在校生の間の交流を図ることを目的として、2001年4月にスタートしました。ゼミや卒業年次を越えた会員相互の交流を図るとともに、商学部の在校生を応援しています。

各界で活躍中の卒業生や商学部教員などによる講演会(C-Com.21サロン)のほか、定時総会にあわせて講演会やシンポジウム、春にはお花見、12月にはゼミの卒論発表会の支援などを行っており、この10月には駅伝予選会の応援も行う予定です。お問い合わせは事務局までお願いします。

TEL・FAX: 042-674-3524  Eメール: c-com21@tamajs.chuo-u.ac.jp

ホームページ: www.sho.chuo-u.ac.jp/C-Com.21/index.htm

【基調講演1】中央大学商学部におけるグローバル人材育成について

木下耕児教授(商学部長補佐)

木下耕児教授

■商学部生の英語コミュニケーション能力

グローバル人材となるために学部生に求められるものとして、第一に英語コミュニケーション能力があげられます。問題はレベルですが、帰国子女や留学経験者など、カジュアルな表現はできてもフォーマルな表現が分かっていない学生が多くいます。

商学部では、G-TECを入学時に課していますが、これをTOEICのスコアに換算すると、800点レベルのトップ層は2012年と2013年であまり変動はないものの、500点レベルの人数が増加しています。逆に400点レベルは減っており、良い傾向にあると思われます。

しかしながら、1年生の秋に全員必須で受検するTOEIC IPテストでは、残念なことにここ3年間の平均スコアが落ちています。学科別にみると、経営と商業・貿易に上位者が多く、会計と金融が少ない傾向があります。グローバルの観点からすると学科の別は関係ありませんから、今後、こうした差異がなくなっていくことが望ましいと考えます。

現在、商学部生のTOEIC平均スコアは、400~500点程度です。日本の大学の平均スコアが554点ですから、それほど低いわけではありません。それでも、世界レベルで見れば依然として低いと言わざるを得ません。

学部生に求められる第二のものは海外留学経験です。商学部では、毎年10名前後、1年間の交換留学に派遣していますが、決して多くはありません。これは非常に残念なことです。学科としては、商業・貿易が圧倒的多数です。これは分野的に入学時点で留学に興味を持っている学生が多いためで、派遣先はアメリカなどの英語圏が多くなっています。

■商学部におけるグローバル人材育成プログラム 

1.短期留学制度の新設

商学部独自の短期留学プログラムとして、2014年度実施予定の「1セメスター留学」(Boston Univ.CELOP、Business English Course)を導入します。特徴は、奨学金の付与と単位認定がなされることです。英語圏だけでなく、第二外国語圏(ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語、朝鮮語)での短期留学も実施します。英語圏への留学に際しては、英語必修科目の3コースに加えて、「留学コース」を開講し、交換・認定留学を目標としたTOEFL対策等の準備指導を行います。また、第二外国語圏への留学に際しては、「1セメスター留学」、交換・認定留学を希望する学生を対象に、第二外国語圏で「Global Student養成(GS)講座」(半期)を開講し、準備指導を行います。このように、事前準備をしっかりと行い、その上で留学をして、きちんと成果を示すことで、単位認定がなされる仕組みとなっています。英語圏の大学への留学に際しては、最低でもTOEFL550点以上は要求されるので、それに対応した指導をスタートしているところです。

2.外国語教育のカリキュラム改革

2013年度から外国語科目のセメスター化(週1回半期終了型)がスタートしました。1年次の必修英語科目AI・Ⅱ(※1)、BI・Ⅱ(※2)で共通テキストを使用したTOEICの指導を行っています(アドヴァンスト・コース最上位クラス、レギュラーコース下位レベルクラス、基礎コースを除く)。

※1…旧「英語購読I」、※2…旧「英語表現法I」

これを4年間続ければ、実力は必ずつきます。秋学期には、TOEIC IPテストを受検し、一定の割合で成績評価に組み入れます。

こうした新たな短期留学や外国語教育のカリキュラム改革における結論は数年後に報告することになります。スタートしたばかりですが、環境整備はかなり順調に進んでいますので、きちんと成果が出るよう、今後検証していきたいと思います。

【基調講演2】中央大学商学部におけるグローバル人材育成~全学的取り組みについて~

栗原文子准教授(学長専門員)

栗原文子准教授

■文部科学省「平成24年度グローバル人材育成推進事業」の採択を受けて

文部科学省による「グローバル人材育成推進事業」は、若い世代の内向き志向を克服し、国際的な産業競争力の向上や国と国との絆の強化を基盤として、グローバルな舞台に積極的に挑戦し、活躍できる人材の育成を図るべく、大学教育のグローバル化を目的とした体制整備を推進する事業に対して重点的に財政支援をすることを目的とするものです。

中央大学はタイプA(全学推進型)で応募し、2012年の9月に採択を受けました。国内大学のグローバル化を先導する大学として、他大学のグローバル化推進に貢献する取り組みが求められるため、大学としての使命と責任が大きくなりました。

中央大学のグローバル人材育成推進事業では、育成する人材像として、グローバル・ジェネラリスト、グローバル・リーダー、グローバル・スペシャリストの3つを掲げています。これをもとに現在、ソフト面、ハード面の両面からさまざまな取り組みを行っています。

ソフト面での取り組み

グローバル人材育成推進事業でのソフト面での取り組みとしては、

・専門性、国際性、語学力育成に向けたプログラム開発(中央大学SENDプログラム、海外インターンシップなど)

・海外への留学生数を増やすための取り組み(各学部における留学プログラム、長期休暇中の集中語学講座)

・国際的なイベントの開催(インターナショナルウィークなど)

・中央大学への留学生を増やすための取り組み(英語による授業の拡充)

・海外での中央大学の存在感をアピール、協定校を増やす(タイ国バンコクで開催された「第1回グローバル中央シンポジウム」など)

・カリキュラム改革(全学的・各学部)

が挙げられます。

この中から、4つ具体的な事例をご紹介します。

第一に、中央大学SENDプログラム。これは、日本人学生が留学先で現地の言語や文化を学習し、現地の学校等での日本語指導支援や日本文化の紹介活動を通じて、学生自身の異文化理解を促すものです。将来、日本と留学先の国との懸け橋となるエキスパート人材の育成を目指しています。今春、文学部を中心に32名の学生が英国国際教育研究所(IIEL)で日本語教育に関する専門科目を履修。夏には中央大学の海外協定校において、日本語教師アシスタント(TA)として日本語教育・日本文化を紹介予定です。

次に、多彩な留学プログラム。この春には、春季短期留学プログラム(7コース)を新設しました。留学先は、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、韓国の5か国です。これには124名が参加、うち70名にJASSOから奨学金を支給することができました。

第三に、全学的英語力強化プログラム。2013年2月~3月にかけて、TOEIC・TOEFL集中講座を実施しました。受講料無料(教材費のみ負担)で、3期各10日間で約500名が受講。そのうちの90名近くが最終日に受検したTOEIC IPテストで100点以上スコアアップしました。TOEFLは2期10日間で約80名が受講。E-ラーニングを利用した授業で成果を挙げています。この夏にもTOEIC・TOEFL講座に加え、プレゼンテーション講座、ディスカッション講座も開講予定です。

最後に、インターナショナルウィーク。これは、2011年から年2回程度のペースで開催しているもので、各国駐日大使の講演や映画上映、生協でのフェアなどを行っています。これまでに、フランス、イギリス、ドイツ、国連をテーマに4回実施され、多くの学生を動員しました。

ハード面での取り組み

ハード面での取り組みとしては、まず国際寮の整備が挙げられます。2011年に多摩平団地を改築して開設したもので、3人でミニキッチンやトイレなどを共有するシェアハウスとなっています。現在、留学生と日本人学生57人が住んでいますが、うち留学生は28名で、日本人学生との交流が活発に行われています。

また、この春に多摩キャンパスのヒルトップ2階に開設されたグローバル・ラウンジでは、常駐の英語学習アドバイザーから英語の勉強方法や留学について個別にカウンセリングを受けることができます。学生の会話サークルや、チャットルームも行われて、随時ミニ講座も開講しています。留学生と日本人学生との交流の場、語学や国際交流に興味のある学生の情報交換の場として、積極的に使われていくことを期待しています。

中央大学では、自立したグローバルマインドを持った学生を育てるために、さまざまな整備をしていますが、学生の皆さんが主体的に行動することが何より大切です。私たちもそうした学生の皆さんをあらゆる面からサポートしていきたいと考えています。

現在、本学から海外へ交換・認定(長期)留学をする学生数は増加傾向にあり、今年度は100名を超える予定です。今後は、語学力・異文化理解能力の向上、日本人学生・外国人学生の交流の促進、学部を超えた横の関係の促進、コミュニケーション能力・自主性の育成、目的をもった主体的な学習・研究、グローバルなビジョンを持ったキャリア設計などの成果を期待しています。

今後も商学部からグローバル人材を数多く送り出していくために、OB・OGの皆さまにもご支援を賜わりたいと存じます。

【パネルディスカッション】

岡田匡令氏(商学部昭和41年卒)

[プロフィール]C-Com.21常任幹事、日本共生科学会副会長、本学商議員、学員会目黒支部長

私の学生時代にもアメリカへの短期留学はありましたが、当時はドルの持ち出しに制限があり、なかなか出国が認められませんでした。その一方で、大学ではいきなり英語で専門科目を学ぶことになります。当時専門ゼミでは英文のビジネスのテキストを使用していましたが、経済、商取引など、学生にとっては大変難しい英文でした。それでも読まなければならなかったのです。会話の方は、普通程度で構いませんが、きちんとした英語が話せるかどうかは人間関係の善し悪しに関わってきます。もちろん、どのような内容を話すかということも大切ですから、できるだけ美しく教養のある英語を学習する努力をするとよいと思います。

また、TOEICを受検する際には、単語、文法に加えて、ヒアリングも必須です。常日頃から、日本耳を外国語耳に変えるトレーニングをするとよいでしょう。そのためには、できるだけ英語を英語で理解することが大切です。商学部が新たに設置したプログラムなどを活用して、できるだけ早く英語に慣れるための努力をしてください。あとは意欲と忍耐力が必要です。なかなか成果があらわれないと思うかもしれませんが、実力が蓄積されるまであきらめず頑張っていただきたいと思います。

言語はあくまでツールであって、何を語るかが重要です。自分は何を学んでどんなグローバル人材になるのか―。日本語や日本文化もしっかりと学ぶ必要があります。これが根底にあって初めて語学力が活かされると思います。

桐井健之氏(商学部平成3年卒)

[プロフィール]米国系大手コンサルティングファーム入社後、米国系大手分析ソフトウェア会社の日本法人を経て、欧州系大手ビジネスアプリケーション会社の日本法人にヴァイスプレジデントとして入社、2013年5月からは大手監査法人系コンサルティングファームのパートナーとして奮闘中。

私は現在、企業向けのコンサルティングを行っています。ここでは、日本の企業が抱える課題を解決するために、海外のケースをどれだけ知っているかが重要です。私は大学卒業後に最初に働いたファームで、自分自身の商品価値がこれによって変わってくると実感しました。そこで、もともとあまり英語が得意ではなかった私も一生懸命勉強をしました。このように、何のために英語を使うかを実感すると語学力は伸びると思います。 

最近では海外とのミーティングの機会も多くあります。日本の中堅企業もグローバルに展開しないとやっていけない時代ですので、企業の方々はどんどん海外へ出ていきます。そこで求められるのが、グローバルカンパニー化です。例を挙げると、サムソンやネスレなどでは、言葉や文化・地域に関係なく、あたかも地球が一つの国であるようなオペレーションを行っています。経理や在庫確認、ものの考え方、評価の仕方もすべて世界共通の基準になっているのです。日本企業はこれが課題になっています。これからは世界標準のビジネスができないといけませんから、そういった意味でのグローバル人材になることが必要です。

幸い、中央大学にはさまざまなプログラムが用意されていますので、語学力についてはある程度身につくようになるでしょう。しかし、そこから先が重要です。企業組織としてはグローバル化が遅れており、個人ではなく組織をグローバル化していく、リードできるような人間力、リーダーシップ力が求められています。中央大学にはぜひこういった人材を育成してほしいと思います。

祖沁澄さん(商学部商業・貿易学科4年:酒井ゼミ)

[プロフィール]上海で生まれ、1997年に来日。神奈川県在住。大学院に進学予定。

小学生の時に来日しましたが、初めはまったく日本語がわからず友だちもいませんでした。集団下校や給食など中国では経験したことがないことが多く戸惑っていたのですが、しばらくすると馴染んで抵抗感もなくなってきました。

私自身がグローバル化の流れを感じたのは、帰国子女やネイティブスピーカーの先生が多かった中学での英語教育です。しかし、現在では英語ができる=グローバルという考え方は一面的なのではと思っています。自分と異なる文化を理解し、受け入れることがグローバルだと私は思います。そのためには、日本と異なる文化の人々と交流することが大切です。私が大学に望むのは、制度を含めて外国人と交流する場を設けることです。今はどこでどうやって交流してよいのかわからない学生も多いと思いますので、そのきっかけを作ってください。現在、グローバル人材育成に向けてさまざまな施策を行っていると思いますが、それが形だけにとどまらないようにしてもらえたらと思います。

また、異文化交流においては、たいてい英語での会話から始まりますから、受験英語で苦手意識を感じている学生に対しても、英語を楽しむ場を提供してほしいと思います。できれば少人数の英語クラスを開設してください。英語の会話力を上げるためにも、語学が楽しいと思える工夫が必要です。

さらに、どんなにTOEICやTOEFLのスコアが高くても、実際にしゃべれなければ意味がありませんので、大学には自ら積極的に発言できるような人材育成に注力していただきたいと思います。自らの意見を持ち、討論することはとても大切です。議論することで相手や相手の文化を理解できるようになります。日本ではそれがあまり行われていないと感じています。中国ではよく議論するのですが、自分の意見も高められ、視野も広がります。思ったことを積極的に発言できるような語学の授業をお願いします。

海老澤允伸さん、(商学部商業・貿易学科4年:中迫ゼミ)

[プロフィール]中大附属高校卒。FLPでも中迫ゼミでゼミ長を務める。幼少時より14年間ボーイスカウトに携わり、大学ではローバースカウト隊としてネパール、ケニアなどで活動。

私は大学1~3年次にボーイスカウトとしてネパールやケニアなどで活動しました。とくに2,3年次には商学部のチャレンジ・スカラシップ(奨学金)を利用することができました。現地では英語で交渉したり、学校でレクチャーをしたり、3年次にはリーダーとしてプロジェクトの指揮もしていました。

グローバル化をするために必要なことは、いろいろなものに触れることが第一のポイントだと思います。私の場合は興味があるアメリカ映画を字幕なしで見るために、またボーイスカウトとして海外で活動するために英語を勉強しました。実際、何をしたらよいかわからないという人も多いので、先生の話から興味を持つのもよいですし、大学のサークルや教育活動、ボランティア活動、インターンシップなど、とにかくいろいろなことにチャレンジして、その中から見つけていくことが大事です。

第二のポイントとしては、大学のソースを最大限に活用して、身につく勉強をすることだと思います。もちろん英語力は大切ですが、英語はあくまで手段なので、それを使って何ができるかが重要です。海外で活動することによりプロジェクトの運営能力や問題処理能力が身につきます。就活でも英語に加えてそこをアピールするといいと思います。英語を通して、学生時代に自分の強みやスキルを身につけてほしいと思います。

私は留学の仕方がよくわからず、ボーイスカウトで海外に行きましたが、グローバル人材育成支援事業も開始されたことですし、現時点での1・2年生は有利なポジションにあると思います。漠然とした関心を持っている学生は大勢いると思いますので、彼らに対して留学の機会や情報を広く提供したり、ある程度強制的に英語力を高めるような工夫をしたりするなどして、学生を鼓舞してもらえればと思います。奨学金ももっと充実させていただきたいです。今は漠然としてでも、少し勉強するだけで、自分の進みたい方向に行けるチャンスがたくさんありますから、ぜひ頑張ってください。

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