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【法学部】国際インターンシップ座談会

2013年10月29日

ワイド

世界遺産クトゥブミナレット遺跡群にて。左から、川島希望さん(政治学科3年)、ヘッセ・スティーブン法学部教授、藤本倫子さん(法律学科3年)、西村時子さん(国際企業関係法学科2年)、鈴木奏子さん(法律学科3年)、大村瑠雅さん(国際企業関係法学科2年)、山川泰州さん(政治学科3年)

法学部では、将来国際業務に従事することを目指す学生や、外交政策、国際機構論、国際法などに関心のある法学部学生を対象に「国際インターンシップ」プログラムを開講しています。今回は、2013年度のプログラムにおいて、インドでの「国際インターンシップ」に参加した学生6名に、参加の動機や現地での様子と感想、今後の抱負などについて語ってもらいました。

国際インターンシップに参加した理由を教えてください。

川島:私の夢は国際ジャーナリストになることです。これまで勉強してきた中で一番興味があったのが貧困問題で、ゼミでも扱っているので、その関連で現地に行けたらと思い、参加しました。

大村:私は将来、途上国の発展と自立の支援をしたいと思っています。そのケーススタディとして、急速に発展しているインドにどのような問題があるのかを見極めたいと思いました。また、視野を広げ、物事をクリティカルに考えることで、いろいろな観点や知識を得たいと思ったことも参加動機の一つです。

山川:これからさらに発展していくであろう新興国インドでは、さまざまな問題を抱えていると思います。先進国の仲間入りをし、大国になるうえで、国内外でどのような開発方法があるのかを見てみたくて参加しました。

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川島希望さん(政治学科3年)

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西村時子さん(国際企業関係法学科2年)

西村:私は将来、外交官になりたいと思っています。交渉をしていく上では、相手国を理解したり、相手の価値観を受け入れることが不可欠なので、リージョナルな途上国としてインドでのインターンシップを選びました。個人的に、教育問題と飲み水のアクセスの問題に興味があったこともインドを選んだ理由の一つです。

鈴木:タイとミャンマーでNGOの活動を見学するというスタディーツアーに参加したことがあります。そこで発展途上国でNGOが果たす役割はとても大きいということがわかったので、他の途上国でのNGOの活動や役割についても知りたいと思い参加しました。インドにしたのは、タイなどよりさらに発展途上な国なので、視野が広がると思ったからです。

藤本:私は貧困問題や機会均等に興味があります。同じような興味を持つ仲間と共に研究や勉強をしてインドに行くことで、より深い学びが得られるのではないかと思い参加しました。

今回、どのようなスケジュールでインドを廻ったのですか?

鈴木:インドには18日間滞在しました。まず、南インドのタミル・ナードゥ州に行って、ストリートチルドレンを保護しているNGOを訪問しました。現地チェンナイの駅で警察と協力してストリートチルドレンの保護をしているということだったので、警察にも行って話を聞きました。そのあと、チェンナイから電車で6時間、車で1時間半くらい行ったところにある村で、主にコミュニティディベロップメントに携わっているNGOを訪問し、そこで4日間活動しました。貧しい人たちのために建てた家を見学させてもらったり、そこに住んでいる子どもたちから話を聞いたりしました。その後は、マドゥライに移動して、スラム街にある教育系のNGOを訪問しました。それからまたチェンナイに戻って、日本総領事館とインド三井物産株式会社チェンナイ支店を訪れ、担当者からお話を伺いました。南インドでの活動を終えた後は、北インドのマハーバリプラムやデリーを観光し、インド文化を肌で感じて帰国しました。

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鈴木奏子さん(法律学科3年)

インドで印象に残ったことは?

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大村瑠雅さん(国際企業関係法学科2年)

大村:生活にせよ、仕事にせよ、宗教の影響が強いと感じました。インドでは、あまり豊かな生活ではなくても、今の人生を頑張っていれば、さらによい人生に輪廻できるという考え方があるそうで、だからこそ頑張って生きていけるという人も多いとのこと。そうした意味では先進国の人たちより、幸せな部分があるのかもしれません。他国より宗教が基盤となっている感じがしました。

西村:インドでは、どこに行っても人が多いと感じました。日本では田舎に行くと本当に閑散としていますが、インドでは田舎に行っても人がいっぱいいるんです。そのせいか職種もいろいろなものがあって、たとえばずっと門の開け閉めをしている人や、外国人が行くようなレストランではトイレでハンドソープのポンプを押してくれる人、手をふくためのペーパーを渡す人など、おそらくはチップで生計を立てているのだとは思いますが、カルチャーショックを受けました。人口が多いせいもあると思いますし、発展途上で物価が安いせいもあるのかなと思いました。

大変だったことは何ですか?

大村:列車の中で油断して、貴重品(現金4万円[700ルピー]とパスポート、カメラ)が入ったショルダーバックを丸ごと盗まれました。パスポートは3~4時間後に警察署に届けられたので、取りに行けたのですが、夜行列車に乗っていたので、8時間かけて車で戻らなければならず、往復16時間もかかって疲れました。でも、よい教訓になりました。

川島:私は、インド人の方の英語が聞き取れなくて苦労しました。インドでは英語が準公用語なので、ほとんどの人が話せるのですが、自分のした質問に対して帰ってきた言葉が理解できなくて、消化不良な場面が多々ありました。

鈴木:私たちが一般的に習う英語と違って、インド訛りが強いように思いました。最初、ガイドさんが話す英語がまったく違う言葉かと思ったくらいでしたから。

インドで学んだことを教えてください。

山川:インドに行く前に自分が思い描いていた印象は、インド=多様性でした。様々な民族が存在しているのだから、それなりに対立もあるのだろうと思っていましたが、実際にインドに行ってもあまり感じませんでした。それはヒンドゥー教が思いのほか民主的で柔軟性があるためではないかと思います。ガネーシャの顔の由来一つとっても、いろいろな解釈が許されていることから、広く取り入れやすい要素になっているのだと思いました。また、教育支援の面においては、障がい児も可能な限り健常者と一緒の授業が受けられるChildren’s Garden Schoolがあり、ノーマライゼーションを重視しているところに共感できました。こうしたインドの教育を日本に取り入れようという試みもあるようで、教育方針自体は先進性があると思いましたが、教育の機会など構造的な面ではまだまだ障壁となっているように感じました。

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山川泰州さん(政治学科3年)

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藤本倫子さん(法律学科3年)

藤本:私は機会均等や適正競争に興味があって、機会が不均等であることにすごく憤りを感じています。インドは日本より差別が激しいと聞いて、きっと構造的暴力をなくすような努力がすごいんだろうなと思っていましたが、実際には、そうではありませんでした。インド人自身がカースト社会に満足している印象があるという日本領事館の方の言葉が一番心に残っています。構造自体を変える感覚がないのか、それとも無理なのか、それは私にもわかりません。機会は均等でなければと思いますが、今までそういう発想がなかった人たちに対して、その考えを押しつけるのも逆に迷惑なのかなとも考えたりしました。

 

最後に、今後の抱負を教えてください。

川島:インド滞在中に見つけた疑問の追究、そして自分のツールとしての英語力を向上させるために、交換留学に挑戦し、違う国でもう1年自分の学びを深めたいです。

大村:インドで学んだ問題などに基づいて、これからの大学生活を通してその解決策を考えていきたいと思います。

山川:インドについてすべてを理解できたとは言えませんが、インドで学んだことをこれからの勉強に活かしていきたいです。これまでは教育問題や貧困問題ばかり見てきましたが、もっと環境分野などにもつなげていければと思います。

西村:机上で学ぶだけではなく、実際にインドに行って、見たり聞いたりすることで、全然違った世界が見えることがわかりました。ただ学ぶだけではなく、もっといろいろな人と触れ合って、多様な考え方や価値観を知り、柔軟に物事を吸収できるようになりたいです。

鈴木:インターンシップに行って、途上国に対する偏見や日本人としての考え方が自分の中で強いように思ったので、今後は相手の目線に立って物事を考えていけるようにしたいと思いました。

藤本:初日に、ガイドの方に「インドの交通がものすごくごちゃごちゃしていてびっくりした」といったようなことを言ったら、「日本とインドが違うのは当たり前だから、ジャッジしないでほしい」と言われて、そこからスイッチが切り替わりました。日本における安全・安心の感覚をインドに当てはめて考えてはいけないんだということがわかって帰ってきたので、今後、もっといろいろな国に行って、視野を広めてみたいという気持ちが強くなりました。

世界遺産の海岸寺院

バターボールという岩

デリーの交通道路

デリーの世界遺産(アーグラ城塞)にて

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