05 REPORT

【第6回IW実施報告】学生プレゼンテーション

2014年12月22日

第6回インターナショナル・ウィーク ASEAN(インドネシア・フィリピン)
 「多民族国家の多様性と調和」
 『第6回インターナショナル・ウィーク』の最終日となった2014年12月13日(土)、Gスクエアにて学生プレゼンテーションが開催されました。発表者はインドネシア及びフィリピン人留学生と、両国でのインターンシップに参加した本学の日本人学生です。留学生は自国の文化や習慣、日本人学生はSENDプログラム、インターンシップ等を通して発見した、旅行では得難い体験・文化を紹介しました。

プレゼンテーション概要

 『インドネシア共和国』
シンディ・ウィジャヤさん(商学部1年)
ハニク・ヌル・ワユニさん(総合政策研究科研究生)

 バリ島で知られるインドネシアですが、バリ島はインドネシアの魅力の一部にしかすぎません。国内には8ヵ所の世界遺産と、26ヵ所の世界遺産候補があります。300の民族はそれぞれ独自の文化を持ち、民族衣装は約40種類、舞踊は300種にも及びます。1万7000以上ある島々には、観光名所が溢れています。例えば、スマトラ島にはゾウの訓練所があるワイカンバス国立公園があります。パプワ島はダイビングスポットや伝統部族によるバリエム祭などが有名で、カリマンタン島ではタンジュン・プティン国立公園でオランウータンを見ることができます。それぞれのエリアでは、そこにしかない文化や動植物が見られます。ここで紹介することは、インドネシアのほんの一部です。実際に行ってみて、インドネシアならではの冒険をしてみてみませんか?
 
『フィリピン「東洋の真珠」』
イアン・フランシス・ドゥエニャスさん(文学研究科博士後期課程2年)


 7,107もの島でできている我が国は、その美しさでかつて「東洋の真珠」と言われていました。この数々の島に暮らす人たちは独特の言語を用い、その地方ならではの伝統文化を今も守り続けています。15世紀以前のフィリピン先史時代には、さまざま黄金の装飾品が作られていました。当時はピラミッド型の階級制度社会であり、金は高い身分のシンボルだったのです。宗教面では14世紀にイスラーム教が持ち込まれるまで自然を神様として信仰していて、“最初の人間は竹から生まれた”という昔話や叙事詩もあります。その後、マゼラン率いるスペイン艦隊によりフィリピンが発見され、スペイン植民地時代に突入します。今回は「フィリピン」ができる前の社会や人々の知られざる姿をお見せすることにより、皆さんにフィリピンをより深く知ってもらえたらと思い、お話しました。
 
『フィリピンでの生活』
塩田麻乃さん(商学部3年)、野澤 鈴さん(総合政策学部2年)

 
 『中央大学SENDプログラム(日本語教育)』に参加し、フィリピンへ3週間行きました。実習先は一流私立大学・アテネオ デ マニラ大学でした。そこでの生活で知ったフィリピンの日常についてお話します。食事に関しては甘い、しょっぱい、すっぱいものが多く、ココナッツ、パティス(魚醤)や豚肉が多く使われていることが特長です。現地で食べた主な料理は、豚肉や鶏肉を甘く煮たアドボ、肉と野菜をピーナッツソースで煮込んだカレカレなどでした。町中では暑いために歩く人が少なく、歩道はあまり整備されていません。車社会で、朝は大渋滞です。学内に入れる三輪タクシー・トライシクルも活躍しています。中心市街は大きな建物が建ち、大型マンションも多数建築中。綺麗な大型モールもたくさんあり、急速な経済発展を感じました。
 
『高橋正樹・酒井由美子ゼミ インドネシアゼミ合宿』
吉田悠一郎さん(法学部4年)


 9月11~19日に参加した、ゼミ合宿を通じて感じたことを紹介します。世界で一番、イスラーム教徒が多いインドネシア。イスラーム教に対してはじめは他の宗教より戒律が厳しいイメージがありました。しかし、現地で人々の声を聞くと、「1日5回の礼拝ができないこともある。その時は神さま許しを乞えばいい」と言う人もいて、柔軟性があること知りました。訪問先のインドネシア大学日本語学科の生徒は、日本のサブカルチャー(アイドル、漫画など)に興味を持っている人もたくさんいました。プサントレン・アルヒカム(イスラーム寄宿制学校)にも訪問しました。ここの生徒は独身男性がほとんどで、多くはイスラーム指導者を志望していました。このほか、水不足による貧困が起きているバリ島のムンティグヌン地区を訪れ、NGOの支援活動の様子を見学しました。
 
『インドネシア研修:特定非営利活動法人 APEX』
南小柿 伸さん、伊藤 諒さん、田嶋 望さん、林 栞奈さん(法学部3年)

 9月13~21日の間、インドネシアで排水処理やバイオマスエネルギー事業を展開する『APEX (アペックス)』というNGOの研修に参加しました。APEXは、住民が参加しやすく環境にも負担にかけない「適正技術」の開発と普及を目指しています。また、持続可能であり、地域住民が自分たちで運営していけることも重視しています。参加した活動では地域住民とのミーティングもあり、現地の生活を知ることができました。NGOの事業を進めるには住民の理解は欠かせず、現地のNPOと協力して活動しました。バイオマスエネルギー事業、コミュニティ排水処理事業、ゴミ問題プロジェクトを見学し、この研修に参加したことで、海外のインフラ技術支援に携わっていきたいという気持ちがより強くなりました。
 
『JICA開発コンサルタント型インターンシップ IN フィリピン』
小泉佑人さん(法学部3年)


 フィリピン・マニラで、開発コンサルタント・ALMEC VPIのインターンシップに1ヵ月間参加しました。南北通勤線の延長に伴う駅前開発計画に加わり、家庭訪問調査、露店商調査のアシスタントをしました。このほか、貧困層の所得を向上させるマイクロファイナンスについて個人研究をしました。この研究ではJICA(国際協力機構)、日本のNGO、マイクロファイナンス機関などにインタビューし、マイクロファイナンス機関・ASA顧客へ調査を行いました。結果は融資先の100%が女性。露店商、自営業者が多く、ほとんどの顧客が融資を元手に所得を向上させていました。しかし、比較的余裕がある層を対象としているため、所得の向上効果はあっても、最貧困層を顧客にするという課題は残っていました。企業だけではリスクがあり最貧困層を助けられないため、政府に協力を求めてはどうかと関係企業に訴え、インターンを終えました。
 
 各発表後には質疑応答の時間が設けられ、さまざまな質問が飛び交いました。すべての発表を終えると『中央大学SENDプログラム(日本語教育)』を担当する若林茂則教授より、「学生のうちにしかできない、座学では得られない経験ができたことに感謝して、自分の社会的役割を考えながら次の成長に繋げてください」と挨拶がありました。その後、懇親会が開かれ、『第6回インターナショナル・ウィーク』は幕を閉じました。

懇親会

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