05 REPORT

経済学部特別公開授業
「JICA講演『国際協力という選択』」を開催しました

2017年10月30日

↑独立行政法人 国際協力機構(JICA) 戸川 正人 氏

 2017年10月24日(火)3限目、経済学部教授 林光洋の講義『国際開発論』にて、独立行政法人 国際協力機構(JICA)の人事部長 戸川 正人 氏をゲストスピーカーとして招き、特別公開授業「JICA講演『国際協力という選択』」を開催しました。
 特別公開授業はPART1、PART2と質疑応答で構成され、国際協力に参加したいと考える学生たちが知っておくべき知識――政府開発援助(ODA)の意義や国際協力の主な労働市場、国際協力機構(JICA)職員となった場合のキャリアパスなどについて、人事部長を務める戸川氏ならではの視点で講演が行われました。

 PART1のトピックスは、国際協力の現状や青年海外協力隊、JICA職員について。国際協力の仕事場は、大きく「プレイヤー」と「コーディネーター」に分けられ、職種は計画・立案・調整を行う「マネジメント系」と実践・現場に従事する「スペシャリスト系」に分けられると紹介しました。
 また、国際協力に携わる人材が求められる能力について戸川氏は、「企業に就職する際も同じ能力が求められるのでは」と前置きを入れ、下記の3点を挙げました。
(1) 構想力(夢を描く力)と実行力
(2) 粘り強さ、忍耐力
(3) 顧客志向(相手の立場に立って考える姿勢)
 専門的能力のみを高めるのではなく、常識を備えて人間性を磨くことが大切であり、「現場に十分なリソースがないからできない」ではなく、そのような制約を乗り越えて「いかにして対応していくか」といった構想力が求められると訴えました。

↑経済学部特別公開授業の様子

 PART2ではJICA職員の仕事例について、戸川氏がラオス事務所長として現地でマネジメントを行った事業を振り返りました。ラオスは日本が初めて青年海外協力隊を派遣した国であり、60年以上に渡って極めて良好な友好関係が続いています。援助の方針として「ラオスは人口が少ないうえ分散していますから、タイやベトナムのような発展モデルは適用できません。ラオスらしい発展を進めようと思いました。環境にやさしい、人に優しい、ゆっくりとして焦らないというのがキーワードです」と、現地状況や国民性を踏まえた支援を行う様子を説明しました。

 質疑応答では、学生たちがアジア途上国の開発経験について学んでいることもあり、国際協力の分野に進むための準備や、青年海外協力隊に参加した後の就職先、国際協力の現場で戸川氏が感じたことなど、学生たちから次々と質問があがり、熱気あふれる講義となりました。

↑林光洋ゼミ

 続く4、5限目には経済学部とFLP国際協力プログラムの林光洋ゼミに戸川氏とA&Mコンサルタント有限会社 代表取締役 松本 彰氏を招き、質疑応答のかたちで授業が行われました。松本氏はJICAの海外事業でコンサルティングを行っており、2008年度以降ほぼ毎年林光洋ゼミを訪れ、学生たちを指導してくれているそうです。
 学生からは国際協力分野で働く人の数の推移やODAの財源、課題など、自分たちの研究に通じた質問が飛び、戸川氏、松本氏から語られる生きた話に学生たちが真剣な表情で聞き入る様子が見られました。
 続いて行われたのは、ゼミの学生たちによる現地調査の報告です。学生たちは今年9月、教育、福祉、環境、マイクロファイナンスの4班に分かれフィリピンで現地調査を行っており、戸川氏、松本氏に向けて調査結果を発表。戸川氏、松本氏より多くのコメントや助言を受けました。

 今回の授業を通じ、国際協力の現場でマネジメントを行う戸川氏とコンサルタントとして現場で解決策を提案してきた松本氏という異なった立場の2人から意見を聞けたことで、国際協力の現場を目指す学生たちの視野がより広がる機会になったようです。

↑挨拶を述べる林教授

↑独立行政法人 国際協力機構(JICA)戸川氏

↑A&Mコンサルタント有限会社 松本氏

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