05 REPORT

【第10回 IW実施報告】ユニセフ×経済学部・FLP国際協力プログラム 林 光洋ゼミ ~ 私たちが継続できる支援を考えよう ~

2018年12月04日

インターナショナル・ウィーク 第10回 SDGs (Sustainable Development Goals)​

           経済学部・FLP国際協力プログラム 林 光洋ゼミ
           特別公開講演会『児童労働の現状、問題、解決策』

日本ユニセフ協会 学校事業部 高円 承子 氏

 2018年11月2日(金)、多摩キャンパス5号館5503教室にて、日本ユニセフ協会による特別講演会『あなたの知らない世界、覗いてみませんか?~児童労働の現状、問題、解決策』が開催されました。
 インターナショナル・ウィーク・イベントの一つでもある本講演会は、経済学部およびFLP国際協力プログラムの林 光洋ゼミが企画したものです。ゲストスピーカーとして、日本ユニセフ協会 学校事業部から高円 承子 氏をお招きし、講演いただきました。

 午後2時、40人前後の人が会場の教室に集まり、林ゼミの学生の司会でスタートしました。白門祭期間中ということもあり、学生だけでなく、中央大学の職員、さらには途上国の問題に関心を持つ学外の方も参加していました。
 
 講演会の前半には、UNICEF(ユニセフ:国際連合児童基金)および日本ユニセフ協会を紹介いただくとともに、「児童労働」問題の現状をお話していただきました。子どもたちが実際に児童労働に従事する様子の映像をスクリーンで紹介しながら、何が問題なのか、それらに対してUNICEFや日本ユニセフ協会が行っている支援活動などについて、わかりやすく説明していただきました。
 後半には、参加者がグループに分かれて「皆で考えるワークショップ」を行いました。映像で見た児童労働の問題点や解決策などについて、グループごとに話し合ってもらいました。いくつかのグループから発表してもらい、それらについて、高円氏はご自身の体験談を交えながら、感想やご意見を述べられました。そして最後の質疑応答のコーナーでは、参加者からの「工場主や親に対しての働きかけ」「教育支援」「募金活動」といった質問に対して、具体例を挙げながら丁寧に回答していただきました。

 今年のインターナショナル・ウィークのテーマは、「SDGs~持続可能な開発目標」です。参加した皆さんは、この講演会が、世界中の支援が必要な子どもたちに対し、意識すべきことや継続してできる支援を考えるきっかけになったようです

以下に、特別公開講演会の概要をご紹介します。
 

「児童労働の現状、問題、解決策」を学んで
私たちが継続してできる支援について考えてみよう

 開発途上国では、5歳〜14歳の子どものおよそ13%が児童労働に苦しんでいます。児童労働は、子どもたちから教育の機会を奪う大きな要因の一つになっています。学校に通っていない子どもの多くが児童労働に従事しているとみられています。

 ユニセフでは、世界中で児童労働を減らすためのさまざまな取り組みを行っています。その成果はすぐ出るものではありませんが、地道に、政府、関係団体、地域と共に改善活動を進めています。

 日本では、児童労働は遠くの世界のことに感じる人が多いようですが、 現状を意識していただいて、ユニセフの活動や募金活動など、できることでよいですから、継続して協力してもらえることを願っています。
 また、日本では、支援するという素晴らしい活動を大々的に個人がすることは恥ずかしい、「美徳は静かに行う」という傾向にあるようです。「できることから少しずつでよい、良いことは堂々と行う」というような意識を持ってほしいし、大学生が同じ大学生に話すからこそ伝わることも多いです。大学生の皆さんには、インフルエンサーになってもらえることを期待しています。

児童労働の定義(UNICEF)

  世界には、様々な理由や形態で働いている子どもたちが多くいます。ユニセフでは、強制されて行われる子どもの労働、
子どもの心身の発達や、社会性・教育面での発達を阻害するような危険な労働を「児童労働」と定義しています。 

▲様々な環境で働く子どもたちの映像を見ながら具体的な話を聞き、「児童労働」が身近な問題だと実感できました

<現状>
●いま世界では、1億5,200万人以上もの子どもたちが児童労働に従事しているといわれています。 
  →そのうちの7,300万人が特に危険な労働をしています。
●児童労働が行われている地域は、アフリカがトップで5人に1人。
  →アジアでは、南アジアのパキスタンやバングラデシュ、インド等がとても深刻な状態。
●子どもたちが従事する危険な労働
  =レンガ等の製造や金属加工などものづくり産業、廃品回収、
   農業労働、子ども兵士等…。
<児童労働を生み出す貧困の連鎖>
児童労働は、子どもたちの権利と健全な発達を侵害するだけでなく、貧困の連鎖を生み、子どもたちから教育の機会を奪う要因の一つになります。親は子どもを学校に行かせたくてもそれがかなわない状況となっています。

子どもを労働させる=学校に行けない=読み書き計算ができない ⇒大人になって安定した仕事に就けずに危険な労働を続ける=生活費が不足=自分の子どもを養えない ⇒子どもを労働させる
●親=劣悪な労働環境で長時間働く=食生活もままならないために病気になる ⇒子どもが働かざるを得ない
<ユニセフが行っていること>
児童労働を減らすために、政府に働きかけたりNGOsと協力したりして、以下をはじめとする様々な取り組みを行っていますが、対象国や地域の実情、経済状況がそれぞれ異なるために、すぐに成果が出るものではありません。丁寧に時間をかけて活動をしています。
●プロジェクトの実施状況のモニタリング
●子どもの保護に関する国家政策の策定支援
●正規の学校や学習センターの設置
●コミュニティ・地域・雇う側に対する、意識変革させるための環境づくり・啓発活動
●人材開発のための技術・資金協力


<私たちができること>
 児童労働は、日本ではかけ離れた世界のことに感じるかもしれません。
まずは、現状を知って意識することからスタートしてみましょう。
●現状を知る ⇒サポートする方法があることを知る。
●フェアトレード製品を購入する、募金活動といった支援する方法等があります。

 

▲中大フェアトレード委員会FACTと生協多摩店が共同開催した「フェアトレードフェア」では、様々なフェアトレード商品を販売しました

            白門祭ミニオープンキャンパス 模擬授業
          「フィリピンの児童労働問題について考えてみよう!」

  11月3日(土)午後2時から1時間、多摩キャンパス3号館3114教室にて、経済学部およびFLP国際協力プログラムの林光洋ゼミの学生たちは、白門祭期間中のミニオープンキャンパスの機会を利用して、主に高校生を対象に「フィリピンの児童労働問題について考えてみよう!」というテーマで模擬授業を行ないました。

 この模擬授業は、前日に「児童労働問題の現状、問題、解決策」というテーマで実施したUNICEF特別講演会やこれらの前週および翌週に実施したUNICEF募金活動の姉妹企画にあたります。また、中央大学の第10回「インターナショナル・ウィーク」のプログラムの1つです。

  当日は、UNICEFとの一連の協力イベントを担当する4人のゼミ学生が講師として登壇したほか、それ以外にも10人前後のゼミメンバーが会場に控え、模擬授業に参加してくれた高校生やその保護者のサポートをしました。高校と大学での学びの違いについての説明から始まり、途上国の児童労働問題について講義しました。さらに、その内容をベースにしてグループ・ワークを行ない、共に考えてもらいました。途上国の問題として、ゼミ生が昨年訪問したフィリピンのゴミ山で、実際に起こっている児童労働を題材にして話しを進めていきました。
 
  林ゼミの学生たちによれば、現在、世界の子どもたち(5-17歳)の4分の1以上、1億5,000万人超が児童労働を強いられているそうです。児童労働は不当に安い価格で売られている商品の裏側に潜んでいて、意外にも身近にあり、私たちと無関係な問題ではないということです。具体的には、私たち消費者が安い物を強く求めるため、生産者はコストを低く抑える必要が生じ、労賃の安い児童労働を選択してしまうケースが多くなります。
 
  児童労働に従事する子どもたちは、勉強する時間を与えられず、十分な教育を受けることができないため、大人になっても単純労働にしか携わることができません。そうすると、低い収入しか得ることができず、自らの子どもにも児童労働を強いることになってしまいます。このように、児童労働は貧困のサイクル、貧困の悪循環に陥る要因となります。
  講義の中で、フィリピンの首都、マニラのゴミ山で働く人々の写真を使い、簡単なクイズを出しました。それに続いて、マニラのゴミ山でゴミ拾いをして生計を立てている少女の動画を流し、その問題点や関連することを質問として投げかけ、周囲の人たちと話し合ってもらうというグループ・ワークをするように指示しました。サポートで来ていた林ゼミのメンバーが、グループでの話し合いをファシリテートし、高校生たちは積極的な議論を行うことができました。そのため、いくつかのグループの高校生からは、グループ・ワークの結果を報告してもらうこともできました。

  最後に、林ゼミの4年生は、当日参加してくれた、これから大学生になる高校生たちに向けて、「新しく知ることに疑問を持ち、考え、行動することは大切です。大学生になると、たくさんの情報を得る機会に恵まれます。情報をただ受け取るだけではなくて、それについて疑問を持ち、考え、その後、行動に移してみてください。これによって、より多くを学ぶことができ、大学生活をより面白いものにすることができるようになると思います」というメッセージを贈り、模擬授業を締めくくりました。

▲高校生に楽しんでもらえるように工夫を凝らした授業となりました

▲参加した高校生たちも、問題意識をもって話し合っていました

▲ご参加いただいた保護者も熱心に授業に耳を傾けていました

                 ユニセフの募金活動

 林光洋ゼミナールのメンバーは、10月25日(木)・26日(金)の2日間は多摩センター駅前広場で、11月8日(木)・9日(金)は中央大学生協多摩店内に立ち、ユニセフの募金活動を実施しました。
 この活動は、日本ユニセフ協会との協力プロジェクトとして、2016年から3年連続で行なっているものです。
 
 多摩センター駅前広場では両日とも夕刻の2-3時間に、生協多摩店内では両日とも昼休みの時間帯に活動しました。
 メンバーはユニセフの旗や募金箱等を持ち、「児童労働などの理由で学校に通うことのできない途上国の子どもたちに、教育を受けてもらうことができるような支援をしましょう」と、大きな声で募金を呼びかけました。
 
 その結果、多摩センター駅前では子どもから大人まで、駅前を通った多くの人たちから、約9万2,000円を、生協店内では学生や教職員から約1万1,000円を寄付していただくことができました。
 募金活動を実施した学生たちは、大学のキャンパスの内外で、「途上国における児童労働の現実とそのために教育へのアクセスが限られていること」を伝えることができ、さらに、多くの方から善意の募金を集めることができたことに感謝していました。

          【今回の募金活動で寄付していただいた金額】  募金合計:約10万3,000円

■多摩センター駅前広場(10月25日・26日):約9万2,000円
■中央大学生協多摩店(11月8日・9日)       :約1万1,000円
 
ご協力とたくさんの温かいご寄付をありがとうございました。募金全額を日本ユニセフ協会へ寄付しました。

▲多摩センター駅前では、子どもから大人の方まで多くの方が寄付してくれました

▲生協での募金活動では、募金スペースのディスプレイにも工夫を凝らしました

▲ひとりでも多くの学生に募金を呼びかけました

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