05 REPORT

南アフリカの思い出

2014年05月16日

戸田 顔写真

 大学院理工学研究科情報セキュリティ科学専攻博士課程後期課程2年
戸田 容平私立本郷高校)

Conference on Arithmetic Geometry, Stellenbosch 2013(ステレンボッシュ数論幾何学会議2013)
2013年1月28日-31日
ステレンボッシュ大学(ステレンボッシュ・南アフリカ)

指導教授である關口力先生から「南アフリカに研究発表をしに行くかい?」とお声を掛けていただいたのは、一昨年の10月のことでした。關口先生はニコニコしながら、南アフリカのステレンボッシュがいかに素晴らしい所かを説明してくださりましたが、いきなり「南アフリカ」と聞いて衝撃を受けた僕は頭の中が真っ白。それでも、南アフリカで発表をすることは自分にとって貴重な財産になると思ったので、2つ返事で「ぜひ行きたいです」と答えました。毎年2週間ほどピアノのレッスンを受けにニューヨークに行っていることもあり、英語に不安はありませんでしたが、数学の発表となると話は別で、普段は何げなく読んでいる数式も、いざしゃべろうと思うと英語が出てきません。今回の国際会議への参加において一番苦労したのがこの「数学英語」で、数学用の英和・和英辞典を片手に何度も練習しました。

ステレンボッシュ大学の構内の風景

ステレンボッシュ大学の構内の風景

日本からの直通の便はなく、成田からシンガポール、ヨハネスブルクを経由し、空港での待ち時間を含めて計40時間の長旅でした。国際会議の参加者のほとんどはヨーロッパからなので飛行時間は長くて10時間ほど。現地の空港へお迎えに来てくださった運転手さんも「40(forty)時間?14(fourteen)時間じゃなくて?」とびっくりしていました。

この時期1月の南アフリカは暖かく過ごしやすい気候です。ゲストハウスは静かでほのぼのとした雰囲気。中庭にはプールもあり、街の中心部や国際会議が行われるステレンボッシュ大学へは徒歩10分も掛からずに行けました。ステレンボッシュには白人が多く、主として英語とアフリカーンス語が使われると聞いていましたが、どこに行っても英語をしゃべらない人はいないので、アメリカにいるような気分でした。

国際会議が行われるステレンボッシュ大学では、主催者のBreuer先生が快く迎えてくださり、会期中にはピアノの練習室を手配してくださったり、お食事を御一緒していただいたりと大変お世話になりました。僕の発表は初日の2番手だったので、緊張しているのもつかの間、あっと言う間に順番が回ってきました。それがかえって良かったのか、程良い緊張感の中で練習通りの発表を行うことが出来ました。途中で受けた質問への説明が伝わりにくい時にはほかの参加者が「つまりこういうことでしょ?」と分かりやすく補ってくれたことも幸いでした。自分の発表が終わった後はリラックスしながら、ほかの参加者の発表や熱い討論を楽しめました。みんなキラキラ輝いていて「こんな研究者になりたい」と思えるような人たちばかりで、刺激的でした。

今回の国際会議へ参加出来たことは、数学においても人生においても、掛け替えのない経験になりました。關口先生には、このような素晴らしい機会を与えてくださったことに、また、不出来な僕のためにいつも長い時間を掛けて御指導くださることに感謝いたします。

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