02 GLOBAL PERSON

グローバル・パーソン メッセージ vol.014

経験値と専門性を高め 途上国の現場で課題解決に取り組みたい

石川 渚さん | 青年海外協力隊 ザンビア派遣

中央大学経済学部 国際経済学科 2009年卒業
[掲載日:2013年4月1日]

エイズ対策委員会の一員として活動

私は現在、青年海外協力隊としてサブサハラ以南アフリカに位置するザンビア共和国へ派遣されており、首都から45Km程離れた郡のエイズ対策委員会で活動しています。ザンビアでは15~49歳の約12.5%がHIVに感染しており(UNAIDS,2011)、HIV・AIDSは経済的にも社会的にも大きな影響をこの国に与えています。

石川 渚さん
写真1

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写真2

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私は配属先である委員会の一員としてザンビア人同僚と共に、HIV孤児や陽性者支援、HIV予防啓発活動などのHIVに関連した活動を実施している団体の活動状況の定期モニタリング業務と、学校における保健教育の改善活動を行っています。前者ではHIV関連サービスを誰が、どこで、どのようなことを、どのくらい実施しているのかを把握できる情報媒体【写真1】を作成し業務の円滑化をめざし、後者では現地の中学・高校の生徒の性保健知識や性行動の実態調査の実施や、実際に学校に赴き映像等を用いて生徒にHIVや性保健の知識を教えています。【写真2】

「成人の約6人に1人がHIVにかかっている」、「若くして妊娠をし、退学してしまう」等、日本にいた頃にメディアを通して得ていたこれらの“情報”は、現地で生活、活動をする中で次第に“知り合いの人生の一部”として私の中に入ってきました。青年海外協力隊としての活動のやりがいは、こうした状況が身近にあり、かつ2年という長期間、現地の人々の文化および生活圏の中で共に過ごしながら課題を見つめ、そして現地の人と共に改善案を考えていける点にあると感じます。

ゼミでは開発経済学を専攻 “貧困”について理解を深める

写真3

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私の国際協力への興味の原点は、小学校1年生の時に家族で訪れたインドネシアでの出来事です。自分と同じくらいの年齢の物乞いの子どもがお金をせがんできて、その時に世界に存在する貧富の差と、その状況が人間の尊厳にまで影響することを幼いながらに感じました。この幼少期の経験から貧困問題について勉強したいと思い大学へ進学し、経済学部では国際経済を専攻し、開発経済学をゼミで学びました。ゼミでは教室での勉強の他にもフィールド調査を実施し、理論と現場の両方から私の中の問題意識であった“貧困”について理解を深めていくことができました。

大学時代に得たもっとも貴重な経験はフィリピンでのフィールド調査です。私の所属したグループはマイクロファイナンスと呼ばれる貧困層(多くの受益者は女性)に対する少額融資をテーマに、団体への訪問と受益者へのインタビューを行い【写真3】、その後調査結果を英語論文にまとめました。英語を使用した調査のアポ取りに現地インタビュー、そして英文論文執筆に向け英文文献を読み漁った経験は語学力アップに加え、現場で必要な交渉能力を身につける良い経験となりました。

海外の大学院へ進学し、分野の専門性を高めていきたい

国際協力の現場にいると、JICAの専門家やNGO、国連の職員として現場で仕事をされている方々にお会いする機会があります。専門性を持って現地の課題に取り組んでいる方々を見て、いつかこうして私も現場に貢献したい、と考えるようになりました。協力隊の任期終了後は専門性を高めるべく海外の大学院へ進学し、その後現場での経験を重ねていきたいと考えています。

大学卒業から協力隊までは、迷いと失敗を伴う道のりでした。そうした中で、いつも背中を押してくれたゼミの指導教官である林光洋先生や、支えてくれた仲間たちに感謝しています。協力隊として一歩世界に踏み出してみて、やはり自分が人生をかけて取り組んでいきたい仕事はここにあると確信しました。同時にその目標に対する自分の未熟さも実感しましたので、現在は日々勉強、Never Give Up の精神で取り組んでいます。

大学は自分次第で多くの学びと経験のチャンスを得られる場

「あなたは大学の4年間で自分の中に何を作りたいのか。」

この言葉を私は大学1年次にある教授から投げかけられました。それによって漠然と大学で学ぶ、という受け身的な姿勢から、自分の中で“チャレンジ精神”と“国際協力分野での経験”の2テーマを持って過ごすようになりました。大学は自分次第で多くの学びと経験のチャンスを得られる場所ですので、積極的に取り組んでいくとよいと思います。

また、課外活動も大事だと、私はインターンシップや海外ボランティアをした経験から感じています。そこで得た人との出会い、チャンス、新たな世界を知るという機会は、知識や価値観を広げ、副次的効果としてより大学の授業を興味深く、理解しやすくしたように思えました。大学での勉強や時間の過ごし方は人ぞれぞれですが多様なアレンジが可能なので、ぜひ4年間、もしくは休学制度等を有意義に使って多くを学び、経験していただきたいです。

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