02 GLOBAL PERSON

グローバル・パーソン メッセージ vol.031

顧客ニーズを把握した上で、最も有効なバンキングを提案

齋藤 源太郎さん | ユニオンバンク ガーデナ支店 支店長

中央大学法学部 国際企業関係法学科 2001年卒業
[掲載日:2013年8月23日]

グローバルキャリアの土台を築く

アメリカに生まれ、8歳まで幼少期を過ごした後に帰国し、中学高校は帰国子女のみを在校生とする愛知県の南山国際高等・中学校に通いました。 

大学進学にあたっては、全国的トップ校であり、ビジネス・法律・国際の3点を優秀な教授から学べ、同じ志を持つ学生と公私をともにできることを期待して、1996年に中央大学法学部国際企業関係法学科に入学しました。教授と学生のレベルの高さは想像を超えるもので、今、振り返ると、日米どちらでも通用するグローバルキャリアの土台をまさに築いた時期であったと深く感謝しています。

齋藤 源太郎さん

西ヨーロッパに45日間ひとり旅

大学時代には、50万円をアルバイトで貯め、西ヨーロッパに45日間、自分探しの旅に出ました。主にユースホステルに泊まり、多くの違う年齢・宗教・性別・国籍の人々と出会い、自分の悩んでいたアイデンティティや将来の進路について直球で相談しました。その結果、ほとんどの方から「何という贅沢な悩みなんだ」と共通した回答をもらいました。これで、悩みの雲は晴れ、もう一つの祖国アメリカへの留学を決心しました。

また、アメリカのSONY法務部で3カ月間のインターンも体験しました。そこでわかったことは、自分は専門職より海外営業や新しい人にどんどん会って行く仕事が合っているのではないかということでした。この気づきは、行動し、現場を見たからこそ確信が持てたと言えます。

学生の皆さんには、就職前に率先して現場に身を置くことを勧めます。実は後述のLA白門会企業訪問プログラムで1週間に何社も周ってもらう形にしたのは、効率良くいろいろな業界の現場を体験してもらうためです。

 

3年次の後期からニューヨーク州立大学アルバニー校へ編入

ニューヨーク州立大学アルバニー校は、政治と犯罪学がそれなり知られている大学であり、学費が安く、また、敢えて幼少期を過ごした西海岸ではなく、東海岸のカルチャーに身を置きたいとの思いもあって、3年次の後期に編入しました。法学部のヘッセ・スティーブン教授と国際交流センター(現:国際センター)渡辺さんのサポートなしにはこの留学の実現はありませんでしたので、今も深く感謝しています。

留学時代は兎に角、毎日必死で勉強しました。日本では仲間内から帰国子女という華やかなイメージを持たれていましたが、いざアメリカに来た自分がどれほど通用するのかという言い訳のできない環境でした。専攻は政治、副専攻は犯罪学。その理由は単位の変換がよりスムーズにできるのではないかと考え、且つ、アメリカ人が得意とするプレゼン力やデスカッション力を養えると期待したからです。初めの1年は必至に録音した授業を何度も聞き返し、積極的に任意の勉強会やレポートの添削をしてもらえるセンターへ通いました。

 

富士通株式会社を経て再び渡米。ユニオンバンクへ

2001年に卒業後、帰国し、富士通株式会社に入社。海外営業部で3年間働きました。2004年8月に退社し、翌月には、幼少期に育ったロサンゼルスにとくにあてもなく移住しました。ここから1年は、ハリウッド映画のエキストラ、通訳、新規ビジネス立ち上げ等々のアルバイト、そして、ITベンチャー企業に3カ月間勤めました。

2005年8月には、ユニオンバンクにマネージメント・トレー二ー・プログラム支店長候補生として入行。 2006年にサウスガーデナ支店の支店長、同年ウエストLA支店の支店長を経て、2010年からガーデナ支店の支店長を務めています。

ユニオンバンクは、世界最大の金融機関の一つである三菱UFJファイナンシャル・グループのメンバーです。 主な支店長業務としては、目標管理(法人ローン、住宅ローン、投資、預金、口座開設等々)、サービスの向上、リスク管理、人材育成、コミュニティーとの連携やボランティア活動等々があります。現在の支店は全米最大規模の支店ということもあり、より多くの分野で経験値を積ませていただいています。

苦労したことは、入行当時に経験値を急速に積まなくてはならない状況にあったことです。入行してから9カ月間の研修後に支店長というプログラムであったため、毎日、寝る間を惜しんで仕事をしました。具体的には、わからないことはその日のうちに聞く、判断を仰がれる立場となるため答えを聞くのではなく自分で考えてから意見を求める、社内外のレスポンスは常に迅速、且つ、的確にする、そして、何よりも社内外の人を大切にし応援して下さる方々に感謝の意を日々伝える等です。

やりがいは、一言でいうと、自分の頑張り次第で多くの方々の役に立ち、結果的に大変感謝される仕事であることです。我々のアドバイスにより、お金にコントロールされるのではなく、お金をコントロールでき、法人・個人の資産が最大化され、それが個々の目指す幸せの実現に繋がることを願っています。そのためには、日々、顧客ニーズを把握し、経済の流れを理解した上でそれに向けて最も有効なバンキングをご提案できるよう心がけています。

母国の若者の夢をサポートしたい

5期生歓迎会

2011年LA白門会企業訪問プログラム、5期生歓迎会。ロサンゼルス在住OBメンバーと4名の中大現役生

今後は、より多くの母国の若者の夢をサポートできればと思っています。仕事では、必然的にご年配の方に会うことが多いのですが、その素晴らしい経験や知識を学び若いメンバーに伝えていくよう尽力しており、継続していこうと思っています。50年後、世界地図をみて各地で自分の後輩が後輩を育てている、そして、私がその後輩達に人脈・情報・知識・経験を提供し続け、必要とされる人間であることを目指しています。

具体的なこれまでの活動としては、LA白門会企業訪問プロジェクトを起案・実施し、今年で7年目となります。本プログラムでは毎年、中央大学の現役生4名にロサンゼルスのOB企業を1週間で10~15社訪問していただいています。このプログラムに関する問い合わせは、私に直接ご連絡ください。

 

E-mail: gentaro2004jp@yahoo.co.jp

 

その他には、Facebookで中央大学法学部国際企業関係法学科のグループを昨年作成しました。現役生とOBの活発な交流につながればと思っています。他学部学科の方にもグループ作成をされることをお勧めします。 

新宿嵯峨野

今年、私が一時帰国した際に過去プログラム参加者と今年のメンバー計15名が集まってくれた会です。場所は、私が現役生であった頃に2年間アルバイトした新宿嵯峨野

カンボジアにて

2期生(山本君)と3期生(藪本君)がカンボジアで起業。師弟逆転! 異国で現場見学させていただきました

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