02 GLOBAL PERSON

グローバル・パーソン メッセージ vol.038

世界をつなぎ、事業の効率化を図るシステム開発を担う

沖田 譲さん | ワタベウェディング株式会社ハワイ支社
ハワイ支社 グローバルシステム部システムグループ 兼 日本本社 運営本部運営システム部

中央大学理工学部 経営システム工学科 1992年卒業
[掲載日:2014年4月7日]

沖田譲氏

幼い頃からコンピュータが好きで、中央大学理工学部経営システム工学科へ進学しました。学生時代には、明治大学と合同のaiテニスクラブに所属し、部長も務めていました。もちろん、コンピュータが好きというのはずっとありました。

しかし、卒業後就職したのは不動産大手の森ビル株式会社。しかも事務系の部門でした。バブルの影響もありましたが、ずっとコンピュータばかり扱ってきたため、全く違う世界に進みたくなったのです。最初の3年間は購買関係の部署で、次の3年間は内装を扱う部署で働きました。

会社を辞めてオーストラリアへ留学

大学時代にも海外へ留学したいという気持ちはありました。しかし、ちょうど湾岸戦争が勃発した頃で、家族や周囲の心配の声を受けて断念しました。 

結局、そのまま就職しましたが、仕事に慣れるにつれ、「やはり留学したい」という気持ちが強くなってきました。そこで思い切って会社を辞めて、オーストラリアへ留学したのです。留学先をオーストラリアに決めたのは、森ビル時代に一度旅行したことがあって、とても環境が気に入ったからです。

初めの半年間は語学学校に通って英語力を磨き、その後ビジネススクールへ1年数カ月通いました。その間に大学入学に必要なスコアをクリアし、晴れてグリフィス大学へ入学しました。コースは、Master of ITを選択。MBAを取るかどうか迷いましたが、ビジネススクールでビジネスマネジメントを学んでいたこともあって、最終的には自分の得意分野で勝負をしたいと考え、IT系に進みました。

卒業後は、日本へ戻るか戻らないか悩んだものの、システム系の職種が特に必要とされた時代だったので、ビザの申請をして、オーストラリアで働くことにしました。「2年はここでがんばってみよう。成功しなければ日本に戻ってまた就職しよう」と心に決めたのです。

グリフィス大卒業式

グリフィス大学卒業式。一緒に写っているのは、韓国からのクラスメイトとシンガポールからの留学生です。教えたり、教えてもらったり、忙しいけれど充実した日々でした

Griffith IT AdminOffice前にて

Griffith IT AdminOffice前での記念撮

GriffithPCroomにて

GriffithPCroomでよく夜遅くまでプログラムを組みました。アサインメント提出前夜の徹夜もよくありました

2002年にオーストラリアで起業

今では誰でも簡単に作ることのできるホームページも、当時はまだ走りの時代だったので、起業後すぐに数件の会社から受注を請けました。その後、大きなクライアントがつき、ほぼ専属的にデータベースの連携からハードウエアのサポートまで請け負いました。会社を大きくすることも考えましたが、スタッフを抱えると、技術面だけでなく経営面も考えなくてはなりません。いろいろと悩みましたが、自分のスキルを磨きたいという思いの方が大きかったため、2012年末まで個人経営で続けました。

初めてのPC組み立て

起業してまもないころに自作PCをはじめて組み立てました。バリニーズのグリフィス大学時代のクラスメイトも助けてくれました。バリニーズはいつでもニコニコしていて、やさしいです

シェアメイトとその友達

シェアメイトとその友だち。卒業後も、シェアハウスに住み、自宅がオフィスでした。シェアメイトには未だグリフィスに通う生徒がいて、学期の合間のホリデーでは楽しく食事をしました

趣味のサーフィン

仕事だけでなく、サーフィンもよくやりました。現在、ハワイでもやっています

転職。そしてハワイへ移住

ワタベウェディングにて

ワタベウェディング株式会社ハワイ支社にて。世界各国から問い合わせがあります。顔は見えなくとも、やはり笑顔で対応していきたいものです

こうして10年ほどオーストラリアで働いたわけですが、IT関係の仕事で知り合った方から、「ハワイで実力を発揮してみないか」との誘いをうけ、2013年にリゾートウェディングを提供するワタベウェディング株式会社へ転職しました。同社は世界各地に拠点がありますが、システム開発の拠点がハワイのため、住み慣れたオーストラリアからハワイへ移住。現在は、世界各地にある支社の会計部門を連動させることで事業の効率化を図るためのシステム構築を進めています。

コミュニケーションを取ることの大切さ

仕事をしていて一番感動するのは、やはりシステムが実際に稼働した時です。使っている人たちから、「とても助かっている」といった声をいただけると、本当に嬉しいですね。システムが正常に動くのは当たり前だと思っている人がほとんどですが、その裏には大変な苦労がありますから。 

当面の目標は、現在進めているプロジェクトを成功させることです。そしてもっとたくさんの人々とコミュニケーションが取れるように努力したいと思っています。自分が忙しくなると、だんだん人と話す余裕がなくなってきます。システムを担当しているので「ちょっとこれについて聞きたいんだけど」「これについて教えてほしい」など、あちこちで捕まり、なかなか自分の仕事が進まなくなってしまうようなことが多々あるためです。ただ、それではいけないので、たとえ忙しくても、自らも声かけをしていくようにしたいと思っています。

勉強や仕事以外での体験がもたらすこと

オーストラリアでは、ずっとシェアハウスで生活をしていました。その中で感じたことは、様々な国の人たちと触れ合うことが大切だということです。勉強や仕事をきちんとするのは基本的なことなのですが、普段から他愛のない話をしたり、一緒に遊んだりすることで、「皆同じ人間なんだ」ということを実感してください。将来、グローバル環境の中で様々な人たちをまとめるような仕事に就きたいと考えている方は、こうした経験の中で、物事を中庸に判断できるような資質が身につくと思います。国際間でいろいろな争いや議論が絶えない世の中ですが、メディアや人から得た情報だけで判断してはいけないということが大切なのではないかと思います。

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