02 GLOBAL PERSON

グローバル・パーソン メッセージ vol.040

専門性の研鑽を積み、開発途上国支援に従事する

小川絢子さん | 国連工業開発機関(UNIDO)
ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)

中央大学法学部 法律学科 2006年卒業
[掲載日:2014年6月9日]

国際機関で働くという目標に向けて

川絢子さん

広島の田舎で育ち、将来国連で働こうなどと思いもしませんでした。ただ英語は得意科目の一つでしたので、外国に対する漠然とした憧れは抱いていたと思います。大学3年生の時に、オーストラリアのフリンダーズ大学へ認定留学をし、将来は英語力を生かした仕事に就きたい、と強く思うようになりました。留学中、英語力の上達を日々実感でき、せっかく身につけたスキルを生かしたいと思い、また世界中から集まった学生達と毎日伸び伸びと過ごして本当に楽しかったので、多様な人種・価値観に囲まれながら仕事をしたいと思いました。ゼミは佐藤恵太知的財産法ゼミに所属していましたが、FLPの活動にも参加させていただき、ベトナム知的財産法の法執行と経済発展について研究し、フィールドトリップも経験しました。この活動をきっかけに国際開発の道を目指すようになりました。

卒業後はアクセンチュア株式会社でコンサルタントとして働き、クライアントの業務プロセス改革等に従事しました。国際開発とビジネスで分野は異なりますが、途上国・クライアントの課題解決という点では共通すると思い入社しました。実際、アクセンチュアで得た経験はその後どの企業・組織で働くにおいても本当に役立っており、厳しい環境で鍛えられたことに感謝しています。アクセンチュア勤務当時から外務省のJPOプログラムを視野に入れていたため、途上国での勤務経験を積みたいと思い、株式会社電通のインド・中近東ビジネスを担当するポジションへ転職しました。また中央大学在学中に十分に履修できていなかった国際開発関係の知識を補完するため、電通に勤務しつつ、中央大学経済学部の林光洋先生の授業を聴講生として履修し、ゼミ活動にも参加させていただきました。その後スイスの大学院へ留学し修士号を取得した後、JICAアフリカ部にてエチオピア・ジブチの国担当として勤務し、2014年4月からJPOとしてUNIDOで勤務を開始しました。

回り道をしながらも国連で働くという一つの目標を達成できたのは、自分の信念を曲げなかったこと、そしてそれを支えて下さった周囲の温かいご支援のお陰です。目標に向かって一歩一歩進んでいくうちに目の前の可能性が次々と広がり、周囲の方々にも応援していただけるようになりました。例えば日本で「将来は国際機関で働きたい」と言っても「難しいんじゃないか」と一蹴され、時には鼻で笑われることもありました。それでも諦めず留学したスイス・ジュネーブでは、国連で働くことが決して特別なことではなく、同級生の多くが国連職員を目指しインターンシップやコンサルタントのポジション獲得に向け、日々研鑽していました。私はジュネーブのUNCTAD、サモアのUNDPでインターンを経験させていただき、常に応援して下さったインターン先の上司、大学院の教授、過去の上司の方々や友人達、そして今でも温かくご相談に乗って下さる林先生には感謝の気持ちで一杯です。

開発途上国のアグリビジネス振興を支援

現在、UNIDOのAgribusiness Development Unitにおいて、途上国のアグリビジネス振興に向けたプロジェクトの策定、実行を担当しています。まだ勤務を開始したばかりですが、早速イランのサフランバリューチェーン開発における金融アクセス向上のコンポーネントを担当させていただいています。第一次調査の結果に基づき、現地のバリューチェーンファイナンスの現状をマッピングし、金融アクセス上の課題を抽出した後、解決策の提案に向け分析を行っています。またソマリアやイエメンの漁業セクターで支援を開始できないか、現地スタッフや本部の関連部署と連携を取りつつ、新規プロジェクトの策定に向け準備を進めています。着任したばかりですが、周囲のサポートを受け、伸び伸びと働かせていただいています。

仕事を開始し、「日本人」として期待される事が多くありますが(例えば日本政府からプロジェクト資金を得るためにはどうしたらよいか、等)、それも自分の大きな強みの一つだと思い、ポジティブに捉え最大限に活かしていきたいと考えています。ただ長期的には「日本人」の小川ではなく、「Inclusive Finance」の小川と認められるよう、今後も専門性の研鑽に向けて努力を続けていきたいです。

Vienna International Center

ウィーン国際センター

Vienna

オーストリアの首都、ウィーンの街並み

国際的なキャリアを描くには

「自分が将来何をやりたいのか」が早くから分かっている方は、キャリアの実現において非常に強いと思います。私は高校生の頃、特になりたい職業がはっきりしていなかった為、その点を後悔しています。日本で働くにせよ海外で働くにせよ、自分が目指す道を早くから決め、それに向けて色々と挑戦してみることが近道なのだと思います。挑戦できる機会と時間が豊富な学生のうちに、ぜひ飛び込んでみて下さい。目標が明確な限り、きっと周りの方々は温かく応援してくれるはずです。

■プロフィール
2006年中央大学法学部法律学科卒。卒業後アクセンチュア株式会社にてクライアントの業務プロセス改革等に従事した後、2009年に株式会社電通へ転職。インド子会社の経営管理やインドにおけるBase of the Pyramid (BOP)プロジェクトの立ち上げに携わる。2011年スイス・ジュネーブのThe Graduate Institute of International and Development Studies (IHEID)へ留学、2013年修士号(開発学)取得。帰国後はJICAアフリカ部で職員として勤務。2013年度JPOプログラムに合格し、現在は国連工業開発機関(UNIDO)にて途上国のアグリビジネス振興に従事している。

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