将来、国際協力に関わる仕事に就きたいという夢がある私。そのためには英語力が必須です。そこで法学部の「やる気応援奨学金」を活用して、フィリピンのスービックに短期留学をしました。留学先をフィリピンに決めたのは、貧しくて1日を生き抜くのがやっとの人たちに対して、何かしら手助けができたらとの思いがあったからです。
現地の語学学校では、私以外全員韓国人だったので、正直、初めの頃は不安でした。まともに英語が話せない状態で、どうやって他の留学生たちとコミュニケーションを取ったらいいのか、困惑しながら最初の1週間を過ごしました。しかし、徐々に相手の言っていることが聞き取れるようになり、答えられるようになったので、他の留学生や先生との会話が楽しくなりました。とくに自分の成長を実感したのは、英語でジョークを言って笑いをとれるようになった時です。
フィリピンでの留学生活でもっとも苦しいと感じたのは、自分の思いとのギャップです。私は英語力をアップするという目的のほかに、貧しい人たちの役に立ちたいとの理由からフィリピンを留学先に選んだのに、現地では、「物乞いに出会っても何も渡してはいけない。目も合わせてはいけない」との注意を受けました。それは自分の身に危険が及ぶからです。目の前に悲しげな瞳の少女がいるのに無視しなければいけない無力さ、自分のめざすものとの矛盾に悩まされました。日本では社会保障制度が十分に整備されていますが、フィリピンでは貧しい人たちが無視されている状態です。まず、フィリピン政府を変えることが、ここに生きる人々の生活改善に必要だと感じました。