02 GLOBAL PERSON

グローバル・パーソンを目指す中大生 vol.010

これまでの経験と繋がりを活かして、日本でできる国際協力を模索したい

高島 優花さん

法学部政治学科2年

自分のやりたいことができる環境を求めて

もともと国際協力や国際開発に興味がありました。でも、大学で国際協力に関わる活動をしようと決意したのは、受験生の時に見た東日本大震災に関わるニュースに心打たれたからです。それは、開発途上国の方たちが「日本にとてもお世話になったから」と、自分たちの食費をけずってまで義援金を送ってくれたというものです。

ですから、大学選びについても、自分がやりたいことができる大学かどうかを真剣に考えました。中央大学に決めたのは、FLP(ファカルティリンケージ・プログラム)が開設されていて、その中の「国際協力プログラム」で実務経験のある先生から教わることができると知ったからです。また、法学部政治学科を選んだのは、国際政治コースがあったため。国際機関に就職されている先輩方も多く、やりたい勉強ができて、充実した学生生活が送れると思いました。

FLPでミレニアム開発目標に絡んだ研究を行う

FLP国際協力プログラムとGlobal Health II受講者

現在、FLPでは「国際協力プログラム」に所属し、崎坂先生の元で、ゼミ長としてミレニアム開発目標に絡んだ研究をしています。崎坂先生は、UNFPAやJICAなどでの勤務経験があり、そのつてで、今回、ILO(国際労働機関: International Labour Organization)とUNFPA(国際連合人口基金:United Nations Population Fund)に見学&インタビューに行く機会をいただきました。私は、ILOに参加し、所長からILOの概要や解決しなければならない問題等について伺いました。所長ご自身のキャリアに関するお話も伺うことができ、女性として働いていくことの難しさや、日本の「遅れ」を感じました。ILOの所長でさえも、悩みながら一つひとつ乗り越えてキャリアを歩んでいるということを知ることができ、有意義な訪問となりました。

IMF・世銀総会にユースとして参加

1年生の時には、東京国際フォーラムで開催されたIMF・世銀総会にご縁があってユースとして参加し、ライターを担当しました。世銀総会では、本会議のほかに様々なワークショップが開かれているので、その様子を若者目線で残そうという取り組みです。私は食糧と教育のセッションに参加し、記事を書きました。国際会議を生で見ることができたのは大きかったですし、女性のエンパワメントに興味を持ったのもこの会議で直に話を聞くことができたからです。世銀総会への参加を通して、本当の意味で強くならないと、海外の方々と一緒に仕事もできないし、世界を変えていくこともできないんだと思いました。

「グローバルフェスタJAPAN2013」では司会を担当

メインステージイベントにおける学生企画で司会を務める高島さん

今年の10月には、「グローバルフェスタJAPAN2013」で、メインステージイベントの学生企画に司会として参加しました。これは、私が理事を務めるインカレの学生団体の活動の一環です。テーマは、「『マジでガチなボランティア』映画上映と学生座談会~学生による国際協力。さあトビラを開けよう!~」です。当日はあいにくの雨でしたが、160人超の観客が集まりました。 

座談会には15団体のメンバーが参加。「学生だからできること」「学生だから難しいこと」「継続していくこと」について、話し合いました。

「学生だからできること」では、「学生には時間とエネルギーがあり、現地に直接支援に行ける」「しがらみがないから、わりと自由にできる」「ビジョンを目指して、一丸となれる」といった意見が出ました。

一方、「学生だから難しいこと」では、「学生団体は信用度が低いので資金を得ようとしても難しい」など、やはり資金調達の問題が一番にあがりました。さらに、「人がどんどん変わっていくので、引き継ぎが難しい」「代表が変われば団体の色も変わってくる」「医療や公衆衛生など学生だから踏み込めない領域がある」といった声も聞かれました。

 「継続していくこと」では、「国際協力はひとりでやっていけるものではない。支援地の人も環境も関わってくるから、やり始めたからには続けていかなくてはならない。学生であっても責任が伴うものである」という意見で一致しました。

 座談会は1時間程度で、参加した各学生団体の活動紹介も行いました。今回、グローバルフェスタという大きなイベントのメインステージで、多くの人を前に国際協力に関して発信できたのは、とても意義があったと思います。

アジア各国の法学部生とディスカッション&交流も

フィリピンにて、アジアの法学部生たちと

私は、アジア13カ国・ 地域のインカレの法学部生団体にも所属しています。今年は、マレーシア、インドネシア、フィリピン、タイ、ラオス、韓国、日本、チェコ、スリランカの法学部生たちがフィリピンに集い、アジアの法律についてテーマを決めてディスカッション&交流を行いました。ここに参加してみて思ったのは、彼らは日本の法学部生とは違ってかなりエリートだということ。努力の量も全然違うと感じました。その中で戦っていくためには、単に英語が話せるだけでなく、英語でディスカッションをする能力が大切です。今回のテーマはメディア法でしたが、マレーシアとフィリピン、タイの学生の存在感が際立っていました。とにかく表現の幅が違っていて、自分が思っていることの背景まできちんと話せるのです。これがビジネスの場だと考えると、これから相当練習を積まなければならないと思いました。日本人は考えて考えて、きちんとしたものができてからでないと発言や発信をしませんが、海外の人はとりあえず行動、考えながら答えを見つけていきます。とにかくスピードが大事なのです。

留学も視野に

今年の春には、私費でフィリピンに短期留学をしました。できれば来年の春にもう一度、留学したいと思っています。長期留学も気になっていますが、私の代から就職活動のスケジュールが変わり、求人情報の解禁が4月からになるので、その兼ね合いをみつつ、考えたいと思います。

将来については、学内外問わず、活動をすることで、たくさん学び、繋がりもできたので、そうした経験を活かした職業に就きたいです。ただ、私としては、自分のライフプランを考えた時、海外で働くというよりは、日本でできる国際協力―日本が継続して国際協力を担っていけるようなサポートをしていきたいと思っています。

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