05 REPORT

イベント「『トビタテ!留学JAPAN』を知ろう!」を開催しました

2016年04月13日

 2015年12月21日(月)、多摩キャンパスGスクエアにて、「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」の第5期生応募開始に向けたイベントを開催しました。
 官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」を、より多くの学生および教職員に周知するため開かれたイベントで、第1部では文部科学省より「トビタテ!留学JAPAN」広報担当者を招いて制度を紹介し、第2部では本学から「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」を通じて留学した第1期生たちによるパネルディスカッションを行いました。

第1部 「トビタテ!留学JAPAN」を知ろう!

↑官民協働海外留学創出プロジェクト広報担当・横山氏

文部科学省
官民協働海外留学創出プロジェクト
広報担当 横山悠人 氏


 文部科学省と民間企業・団体による留学支援制度である「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」について紹介。学生が自分で留学計画を組み立て、それに対する支援が受けられるなど、同プログラムの特長や利点について、初めて説明を受ける学生・教職員でも理解しやすい内容が説明されました。このほか、プログラム内で設けられているコースや過去の選考結果の傾向、4期以降の変更点などが紹介されました。
 

第2部 第1期中大トビタテ生によるパネルディスカッション

 2014年8月出発を皮切りに、各自のスケジュールに沿って1ヵ月から1年の留学をした中央大学のトビタテ第1期生たち。
 トビタテに応募した経緯から、現地での活動、トビタテのコミュニティについてなど、横山氏、本学国際センターの担当者を交えてディスカッションを行いました。

 【トピックス】
 ■自己紹介
 ■インターンシップ
 ■合格するためのポイント
 ■語学学習
 ■就職活動

  ≪座談会参加者 第1期トビタテ生≫
■堀場千鶴さん(世界トップレベル大学等コース)
活動内容:交換留学(コペンハーゲン大学)+実践活動
活動期間:2014年9月~2015年6月


■高島優花さん(多様性人材コース)
活動内容:インターンシップ(フィリピン)
活動期間:2014年8月~11月


■中川 瑛さん(世界トップレベル大学等コース)
活動内容:交換留学(ストラスブール大学政治学院)+実践活動
活動期間:2014年9月~2015年6月
■石居秀教さん(世界トップレベル大学等コース)
活動内容:交換留学(コペンハーゲン大学)+実践活動
活動期間:2014年8月~2015年5月


■大森 樹さん(新興国コース)
活動内容:インターンシップ(フィリピン)
活動期間:2014年8月~2015年3月


■竹田 響さん(新興国コース)
活動内容:インターンシップ(カンボジア)+語学留学(韓国)
活動期間:2015年2月~3月

自己紹介

石居秀教さん
 デンマークのコペンハーゲン大学に10ヵ月ほど留学しました。デンマークでは社会福祉とジェンダーについて勉強しました。
 具体的な実践活動は、老人ホームでのボランティアがメイン。トビタテで得たことは「繋がり」です。トビタテ生同士だけでなく、横山さんや国際センターの方にも本当にお世話になりました。色んな意味でチャンスが得られ、魅力ある制度だと思います。
竹田 響さん
 僕は交換留学ではなく、インターンシップ先を自分で見つけて活動をしてきました。当初はパレスチナでのインターンシップと語学の留学を計画し、2015年2月から渡航する予定でした。ところがISの事件があり、2014年12月にパレスチナへの留学が中止に。渡航先を急きょカンボジアと韓国に変更して留学しました。
 僕はトビタテ以外にも様々な留学支援プログラムを使い、色々なところに行かせてもらっています。こうしたプログラムには、様々な分野の人が様々な大学や機関から参加していて、面白いと思います。
堀場千鶴さん
 デンマークのコペンハーゲン大学に、1年間留学してきました。現地の大学では文化交流をテーマに、デンマークの文化やジェンダー、紛争解決について学びました。実践活動では、日本文化を発信するために日本語教育のアシスタントを担当。このほか、日本市場へ進出する旅行会社の立ち上げに携わり、サポートを行いました。
 トビタテに参加して得たものは、「挑戦する力」。トビタテには様々な分野の学生が参加しています。一人ではできなかったことも、仲間と協力しながら実現できます。
中川 瑛さん
 フランスのストラスブール大学政治学院で、本当に「勉強をしに行った!」という感じの留学をしてきました。僕の専門は政治哲学、国際倫理です。今の世界情勢で言うなら、テロリズム、あるいは移民問題。国境というものは何なのか、人と国家の関係とは何なのか、みたいな固いことを勉強してきました。トビタテは奨学金に魅力を感じて応募し、180万円ほど支援をしてもらいました。
 トビタテでは中央大学で出会えないような仲間ができます。新しい出会い、知識、知的好奇心が生まれ、自分の次のステップが見えてくるような、非常に面白いコミュニティです。
高島優花さん
 フィリピンで3ヵ月間のインターンシップのほか、インタビュー調査を行いました。トビタテの存在を知ったのは、トビタテを学生に広めるため集まったコミュニティから声を掛けてもらえたから。実績があり面白い学生や社会人の方たちが集まっていて、このコミュニティに入れば刺激になるし、こうした人たちと繋がりが得られる。就職活動のアドバイスをくれる大人たちと出会える、という思いがありました。
 留学先では一人でできないことが多く、自信家だったマインドを叩き直せたことも本当によかったです。
大森 樹さん
 フィリピンのマニラにあるNPO法人で、半年間のインターンシップをしていました。BPOビジネスといって、貧困層の人たちをビジネスに巻き込むことで利益を出し、社会貢献をする実践活動です。細かなアクシデントが起きましたが、自分で留学プランを立てるのでそれも自分で対応しなければいけません。予定外な出来事への対応力や根性は、すごく身に付いたと思います。
 僕としては留学計画を自分で作って、何かあったら自分で対応するという部分がすごく成長できたと思っています。

インターンシップ先の探し方は?

竹田さん
 2014年12月にパレスチナへ行けないことが分かり、2ヵ月間で新たな渡航先を決めなくてはいけませんでした。私の場合は「平和構築」のために留学をするので、その枠から受け入れ先を探さなくてはいけません。切羽詰まって、直接NGOの東京本部に電話をして、インターンシップのポストを作ってもらいました。インターンシップというのは、自分でアプローチをして公募されていないポストを作ってもらうことができるんです。

大森さん
 フィリピンでのインターンシップ先は、インターネットで検索して見つけました。一度に10社くらいにメールを送り、反応があった企業に連絡をとる、を繰り返す。そのうちの1社でインターンシップが決まりトビタテからも合格を得たのですが、その後にインターンシップ先がフィリピンから撤退することになってしまいました。かなり慌ただしくなりましたが、その企業を通じてインターンシップ先を見つけました。どこかを紹介してくれる優しい人はいます。自分で動き出せば、周囲もサポートしてくれると感じました。

石居さん
 デンマークでしかできないインターンシップをしたいと思い、受け入れ先を探しました。留学先では「社会福祉」を学ぶ予定だったので、老人ホームでボランティアを行うことに。インターネットで老人ホームを検索して、見つけられた6件くらいにメールをしました。3日以内に3件から返信が来て、うち2件は来てもいいと言っていただけました。このほか、僕は交換留学でデンマークに行く予定だったので、デンマークから中央大学に来ている留学生と仲良くなり、課外活動を紹介してもらいました。

高島さん
 「インターンシップ先が見つからないのでトビタテへの応募を迷っている人が多い」と聞いたんですが、これまでの話からも分かる通り、インターネットで探せばいくらでも出てきます。それに加えて、イベントやセミナーは毎週のように日本で開かれています。海外インターンシップを紹介するイベントやトビタテとも協力している会社が、どんどん紹介しているんです。その中の面白そうなところに、どんどん応募していけばいいと思います。

トビタテに合格するためのポイントは?

中川さん
 僕は法学部の奨学金制度「やる気応援奨学金」など、トビタテ以外でも奨学金をもらって留学してきました。奨学金を貰うポイントは、相手がどんな人を求めているのかを的確に掴むこと。本当はそこまで深い関心がない場合でも、自分の専門領域の一部と絡め、「好き」を装うことは大事だと思います。

大森さん
 留学しようと考えている人は、「こんなことがしたい!」という強い気持ちがあると思いますが、噛み砕いて説明ができないと面接官の心を掴むことはできない。自分はそこを意識して、ストーリー立てて相手に伝えてきました。

堀場さん
 パッションをどう伝えるかは、とにかく行動に移すしかないと思っています。できる限りの手を打つ。例えばデンマークのボランティアを探しているのでしたら、募集しているところにまずはメールする。Facebookでデンマーク人と日本人のコミュニティに入って、「インターンシップ先を探している」と問いかけてみるとか、できることを何でもやってみてください。

竹田さん
 トビタテには話の盛り方が上手な人が集まっています。同じ計画内容を話していても、何をやりたいか以外に「これをすることにより、自分はこういうふうに社会に貢献できる」とか、「留学でこれをする先に、こういうことがある」と、話を上手に盛っている人がいっぱいいるんですね。いかに魅力的に伝えるかは結構大事です。
 トビタテに出願されてきた書類を見る機会があるんですけど、書類でも同じことが言えて、何が言いたいかわからないもの、読んでいて面白くないものがあります。自分が何故これをやりたいか、この先にある目標を明確にする必要があります。もう1つ大事なのは、一貫性。なぜそれに関心があるか理由を整理しておかないと、面接で答えられずに落とされます。
 提出書類は国際センターで毎回、指導していただくことをお勧めします。「関心がある理由→だから留学でこれをやりたい→これをすることにより将来はこうなりたい」と、この3つがある人が受かります。

石居さん
 トビタテの面接の練習はしました。英語と日本語、どちらで面接をするのか分からなかったので、スカイプ英会話を通じて大学の先生方に面接の練習をしていただきました。毎日のように英語で面接の練習をしていましたね。

高島さん
 皆さんが言うように、相手に納得してもらうためにストーリーを組み立てることは一番大事だと思います。あともう1つ、トビタテ事務局の方がしきりに言っているのが、パッション。最後の決め手は、やりたいことに対してどれだけの情熱を持っているかです。そして、その情熱を面接官に伝えられるか。プロジェクトディレクターの船橋 力さんが、「この人ならやり切れるだろう」と思わせてくれる人を選ぶと言っていたので、間違いないと思います。

どのような語学学習をしていましたか?

中川さん
 僕は語学に関して、試験勉強をほとんどしたことがありません。いま伸び悩んでいる人は、テクニックに走っているんじゃないかと思うんです。
 僕の勉強の仕方を言いますと、ドイツ語検定3級なら、1日90分、1ヵ月勉強しただけで取れました。例文とCDと和訳付きの単語集を買ってくるんです。あとは教科書。この2つだけ。まず1回、文法をざっと覚えます。大まかなルールだけを覚え、例文を読む。聴いて、読んで、単語が分からないものは確認する。これを5、6回繰り返します。レベルが上がってきたら、少しずつ長い文章を読むようにしました。
 英語の勉強で実践したことは、生活の中に英会話を取り込むこと。MOOC(ムーク)ってご存知ですか? オンラインでハーバード大学やオックスフォード大学の講義が、無料、しかも日本語字幕付きで見られるWebサイトです。これを朝起きた瞬間から見始めます。そして、ご飯を食べながらBBCニュースを見る。新聞はニューヨーク・タイムズなら1日3記事まで無料で読めるので、1記事だけでも「読み通す」ということを毎日していました。

大森さん
 フィリピンへの留学前、学生団体を通じて1ヵ月ほど海外に滞在していました。片言ながら会話ができていたので甘くみていて、英語を全然勉強せずに留学しました。インターンシップ先や仕事として会話する時には、事前に必要となる単語や言葉を調べ、ある程度はセリフを作ってから会話をしていました。それ以外では現地でも勉強は特別していません。英語が使えない人たちと会話していましたから。追い込まれたら、勝手に覚える、というのが自分の感想です。

竹田さん
 カンボジアのNGOで現地スタッフと話をする時は、英語、もしくは片言のクメール語でした。現地語で話をする時は、日常会話で使う最低限の単語を確認しながら会話していました。私は頭脳明晰なわけではなく、「TOEIC900点持っています!」とかでもない。でも、夏と春にはほぼ毎回、ひとり旅やプログラムを通じて海外に行っていて、現地に行った時は必ず英語を使っていました。ですから、テスト勉強というよりも現地で会話しているうちに日常会話を覚えた感じです。会話中に語彙が出てこないと調べていたので、少しずつ語彙が増えたんだと思います。

石居さん
 中央大学には留学生がたくさん留学しているので仲良くなり、ランゲージパートナーとして週1回、お互いの勉強を教え合いました。あとは、英語の授業を大事にして、周囲が日本語で話をしていても「自分だけは英語で話し続ける」という覚悟があっていいのかな、と思います。

堀場さん
 TOEFLのスピーキング力をつけるには、まずTOEFLのスピーキング本を買い、そこに載っている例文を丸暗記。何も見ないで言えるくらいに練習します。そうすると、自然と言葉が出てくるようになります。ライティングに関しては回答時間が少ないので、時間内に終えるよう練習しました。協力してくれる英語の先生に、週1回でも解答内容を見てもらう。すぐにできると思うので、毎日コツコツやればいいと思います。

高島さん
 トビタテでは、語学勉強について公開している人が多いです。「もっと勉強しておけばよかった」、「自分の研究分野に関する英語を練習しておけばよかった」という声はよく聞くので、語学はやって損はないと思います。

就職活動について。交換留学を経験した学生はたいてい5、6月に帰国します。
2016年卒を対象とした就職活動は8月から面接がスタートしましたが、就職活動は間に合いましたか?

石居さん
 留学していた学生向けに、6月頃に東京でキャリアフォーラムが開かれています。その場で面接をしてもらえ、後日メールで最終面接などが案内されます。僕はこのフォーラムの存在を知っていたので就職活動に対する恐怖はなく、実質1ヵ月くらいで内定が出ました。
 はじめてキャリアフォーラムに参加したのは、デンマークに留学中の時。ロンドンで開かれたものに参加しました。その時はキャリアフォーラムの仕組みをよくわかっていなくて、何も準備せずに行ったんです。しかし、事前にインターネットで申し込みをする必要があり、その申し込みによって企業側が履歴書を提出してください、とか、SPIを受けてください、とか案内をしてくれます。こうした準備をしておくと、フォーラムの会場で面接が受けられます。いきなり手ぶらで行っても何も起きません。事前準備が重要ということをロンドンで学んだうえで、6月末に東京のキャリアフォーラムに参加しました。

中川さん
 僕の場合は4日で就職活動が終わりました。医療系で、高齢化社会の課題解決をしている会社です。キャリアフォーラムで決まっちゃいますね。一番大事なことは、自分が留学先で学んだ内容と繋がっていること。自分で目標設定をして、そこに着実にたどり着いたということが、ひとつの実績になります。就職活動を恐れて留学を我慢するのは、すごくもったいない

大森さん
 僕は3月中頃に帰国したので、それほど就職活動に出遅れませんでした。帰国後に時間がないことが分かっていたので、留学中に知人を頼ってSPIの教科書を輸入し、帰国2ヵ月前から試験勉強をしました。日本に戻ってからは他の学生と同じように就職活動。話す内容は留学中にいくらでも生まれるので、あとはこの内容をどう伝えるかです。
 トビタテの事前・事後研修で自分を見つめ直すので、自己分析にはあまり時間をかけていません。
 すごく有り難かったのが、トビタテ事前研修の時に僕が志望していた総合商社の人事の方がいらっしゃったことです。頑張って話しかけ、名刺をいただきました。後日、その方に「フィリピンで実際に働いている方にお話しを伺いたい」と連絡をしたら紹介して下さり、数社、総合商社で働いている方にお話しを伺うことができました。

高島さん
 11月半ばに留学から帰国し、就職活動をスタートさせたのは3年生の冬の時期。3年生後期は休学せず、インターンシップに参加しました。留学前は国際協力や女性の社会進出に興味があったのですが、留学によって考えが変わり、SPIを作成している民間企業に就職しました。留学して、自分が本当は何を求めていたかが明確になり、自分の言葉で何がしたいか説明できたので、就職活動中に何がしたいか迷うことはありませんでした。

大森さん
 私もフィリピンでインターンシップしていた3年生後期は休学をしませんでした。奨学金で大学に通っているので遅れて卒業するわけにはいかないと思っていたんです。褒められた話ではなくお勧めできませんが、科目数が多くないのであれば先生や大学職員に相談して、大学に在籍しながら海外に行くこともできなくはない、ということをお話ししておきます。

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