05 REPORT

【第6回IW実施報告】「ひと目でわかるハラール食品」パネル発表

2014年12月15日

第6回インターナショナル・ウィーク ASEAN(インドネシア・フィリピン)
「多民族国家の多様性と調和」

「ひと目でわかるハラール食品」パネル発表

イスラーム教徒の食文化、正しく理解できていますか? 

 『第6回インターナショナル・ウィーク』が開催する2014年12月8日(月)~12日(金)の期間、多摩キャンパス図書館1階展示スペースにて学生が作成したポスターが掲示されました。

 展示のメインとなったのは、中央大学総合政策学部・宮本 勝教授のゼミ生たちによる「ひと目でわかるハラール食品」のパネル発表です。
 ゼミ生たちは総合政策学部、エマン・スヘルマン講師からアドバイスを得ながら、インドネシア・フィリピンと密接に関係するイスラーム教徒(ムスリム)の食事について解説しました。

 このほか、ASEAN、インドネシア、フィリピンの地図、インドネシア・フィリピン留学生による自国を紹介するポスターが貼られました。自国紹介のポスターにはイメージ写真がふんだんに使用され、2ヵ国の楽しげな雰囲気が伝わってきました!

*~*~* 「ひと目でわかるハラール食品」概要 *~*~*

多民族国家におけるイスラーム教~インドネシアとフィリピン220_panel2

……インドネシア……
300以上の民族が暮らす。
2億5000万強の人口のうち約2億2000万人がイスラーム教徒。
世界で一番、イスラーム教徒が多い。
……フィリピン……
約150の民族が暮らす。
ASEAN唯一のキリスト教国家だが、
約1億の人口のうち500万人ほどはイスラーム教徒。

 

食品から見る「ハラール」と「ハラーム」
ハラール(halal)は許されたもの・ごと、ハラーム(haram)は禁じられたもの・ごとを意味するアラビア語。イスラーム教徒はハラール食品を食べ、ハラーム食品を避ける。

ハラール(halal)食品 ハラーム(haram) 食品
・鶏、牛、羊、ヤギなど*
・シーフード(水の中に生息する生物)
・無農薬野菜
・キノコ
・天然水
・果物
・穀類
・鶏卵
※「ビスミラー・アラーフ・アクバル(アッラーの御名において、アッラーはもっとも偉大なり)とイスラーム教徒がアラビア語で唱え、イスラーム法に則り処理されている必要がある
・豚肉、豚由来の成分 
・アルコール
・血液(血抜きしていない肉)
・イスラーム法に則った処理が施されていない動物
・死んだ獣の肉
・爪や鉤爪のある動物、鋭いくちばしのある鳥類、昆虫類、有害な動物、水中と陸で生活する動物、不快感を与えるもの
・イスラーム法で不浄とされるもので育った動植物
・ハラールでないものに由来する遺伝子を含む食品
・健康を害する毒性や泥酔生がある食品・飲料
                                        

参考資料:中村直子(2014),『食の「ハラール」と「ハラール」とは』、『フーズチャンネル』

ハラール・マーク
厳しい検査を経てハラール認証を受けた食品のパッケージには、ハラール・マークが表示されている。
マークは国によって異なる。

注意事項
鶏肉、羊肉、牛肉でも、イスラーム法に則った処理がされていなければ、ハラールではない。
醤油、味噌などの調味料はアルコールやアルコール成分を含んでいると、ハラールではない。
ラード(豚の脂肪)が使用されているポテトチップスやカップヌードルはハラールではなく、ハラームである。
豚肉などハラーム食品に使った食器、調理器具は不浄とみなされ、ハラール食品と共有できない。
この決まりは食品の運搬・保存・加工・提供に至るまで全過程に及び、ハラール食品産業の壁となっている。
ただし、食事に関するイスラーム法は絶対ではなく、限定的な状況下ではハラーム食が許されるという柔軟性もある。

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発表内容を記したチラシや、フィリピンの観光ガイドなども配布された

 

 

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