05 REPORT

第2回 Go Global Japan Expo『自分、ミライ発見!』

2014年12月21日

大盛況の中央大学ブース

大盛況の中央大学ブース

2014年12月21日(日)10時から、関西学院大学西宮上ケ原キャンパスにて、第2回GO Global Japan Expo『自分、ミライ発見!』が開催されました。
本イベントは、文部科学省と、経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援(以下GGJ)採択大学42校が主催し、主催校を含む61大学と30の機関・団体、企業等協賛団体の協力のもと、昨年の早稲田大学での開催に続き2年目の実施となるものです。
対象は、これから世界に羽ばたき活躍する高校生やその保護者、大学生であり、GGJに関する講演会やパネルディスカッション、留学や進学に関する相談コーナーや学生の体験報告会など、日本でも最大級の体験型イベントとなりました。
10時から中央講堂で開催された「Listen & Feel Stage」では、今回のExpoの代表幹事校である関西学院大学の村田治学長が開会の挨拶をし、日本テレビNEWS ZEROのメーンキャスターであり、関西学院大学大学院教授の村尾信尚氏の司会のもと、文部科学省の下村博文大臣の基調講演が行われました。
下村大臣は、次世代を支える高校生や大学生に、このグローバル化が進展する時代において、少なくとも一度は世界に飛び立ち、広い世界を肌で実感するとともに、外から自分を見つめなおすことで生き抜く力を身につけてほしい、と述べられました。
下村博文 文部科学大臣

下村博文 文部科学大臣

今世界は大きな課題――貧困、環境、エネルギー、紛争問題等、一国では解決できない、多国間の協力が不可欠な問題をかかえています。日本は先進国の一つとして、これらの課題に対し、積極的に対応していくことが求められています。そのためには、専門知識も必要ですが、もっと重要なベースとして、地球市民としての意識、すなわち、異文化を理解し尊重し、違いを理解して取り込んでいく力が求められます。
日本からの海外留学生の数は、2004年の8万3千人をピークに、現在は6万人を切っており、先進国で減少しているのは、わが国だけです。これは18歳人口の減少だけが理由ではなく、少子化を考慮した分母で割合を出しても、それ以上に、海外へ出る留学生数は減少しており、我が国の深刻な問題となっています。中国や韓国では増加傾向にあり、韓国では14万人に迫る勢いです。日本の人口は韓国の倍ですが、留学生数についてみると、韓国は日本の3倍になろうとしています。中国はすでに63万人を超える留学生がいます。減少傾向の日本とは対照的です。また、日本の新入社員の意識調査によると、海外で働きたいと思う人は12年前と比べると3割まで増えていますが、その一方で、海外で働きたくないという人も6割まで増えています。この二極化が問題となっています。さらに、グローバル化は必要と認識しているものの、およそ5割の若者は、自分がグローバル人材になるには遅すぎると感じているのが現状です。アメリカ、中国、韓国で行っている同じ調査によれば、若者の自己否定感は、日本が圧倒的に強いとのことです。無限の可能性を持っているはずの学生が、内向きに育ってしまっている現状をゼロにする教育改革をしたいとするのが、下村大臣の目標。
最後に下村大臣は、「高校生の皆さん、君たちは、無限の可能性を秘めている。それを自覚してほしい。自らの枠にはめることなく、自分の可能性を信じることが第一歩。そのためには高い志が必要。まずはそれに向かって、進もうとする意志を固めること――皆さんが今回のイベントに参加することがまず第一歩です。」と、エールを送って講演は終了となりました。
続くセッションでは、早稲田実業学校高等部3年の大山夏実さんと関西学院高等部3年の井上大智さんによる、高校生2人からの提案として、「2020:日本ができること、私がしたいこと」のテーマで、各自5分程度の主張がありました。
大山さんは、高校1年次のカナダのホームステイをきっかけに、世界の平和に貢献したいと考えるようになり、Think globally, Act globallyをモットーに活躍したいと訴えました。また、井上さんは、消滅危機言語に興味を持っており、将来は、専門家へのインタビューだけでなく、自ら現地に足を運び、あまり知られていない消滅危機言語を発信したいと、高校生にしては珍しいテーマに着目。世界共通語が英語に集中していることを問題視し、自らが消滅危機言語について発信することにより、多くの方々にその存在を知ってもらい、英語を基盤とする文化しかもてなくなる危機を――グローバル化を守るためにも、言語とそこから派生する文化の多様化を守りたいと、将来の夢を訴えました。

午前の部最後のトークセッションでは、司会の村尾教授がコーディネータとなり、プレゼンテーションをした高校生の大山さんと井上さん、下村大臣、それに世界を舞台に活躍するアスリート、芸術家、ビジネスリーダーの3名が加わり、2020年に世界、日本、自分がどう変わっているのか、変わるべきなのかをテーマにディスカッションをしました。
3名のパネリストの方々は錚々たるメンバーであり、野球解説者で元メジャーリーガーの田口壮氏、今年ヴァチカンの音楽財団より枢機卿長の名のもとアジア人で初めて「名誉賞」を授与された世界的な指揮者である西本智美氏、人事関連業務ソフトでは国内トップシェアを誇る、株式会社ワークスアプリケーションズ代表取締役最高経営責任者(CEO)の牧野正幸氏の3名が、それぞれのグローバルな体験に基づき、非常に実のある話をされました。
発表する理工学部精密機械工学科4年の渡邊耀介さん

発表する理工学部精密機械工学科4年の渡邊耀介さん

中央大学は今回も、GGJ採択大学として参加し、午後の部では、理工学部精密機械工学科4年の渡邊耀介さんが、ドイツ学術交流会(DAAD)の大山美由紀さんや関西学院大学文学部4回生の味元亜希子さんらと一緒に、ドイツの留学経験で得たことについて、参加した高校生や保護者の方々にプレゼンテーションをしました。
また、少し遅い時間ではありましたが、16時30分より45分間、G号館の105号室にて、本学国際センター所長であり、国際担当副学長の武石智香子商学部教授が、「中央大学から世界へ。~行動する知性。あなたが発信源となる。」のテーマでプレゼンテーションを行いました。聴講者は少なかったものの、本学が実施するさまざまなプロジェクトが分かり易く紹介され、グローバル世界に踏み出す第一歩となる本学の試みについて、参加した高校生は真剣に聞き入っていました。
 
イベント終了後は、会場となった関西学院大学のシンボル時計台周辺にて、キリスト教の大学らしく、クリスマス前の最終日曜日とのことで、プロジェクションマッピング~映像で楽しむ幻想的なクリスマス~が披露されました。
この日の最終的なイベント参加者は5,000名を超え、昨年以上の大盛況のなか、2014年のGO GLOBAL JAPAN EXPOは終了しました。
中大ブースで説明する韓国人留学生の許恩倞さん

中大ブースで説明する韓国人留学生の許恩倞さん

渡邊さんプレゼンテーション時の会場の様子

渡邊さんプレゼンテーション時の会場の様子

左からDAADの大山さん、関学の味元さん、中大の渡邊さん

左からDAADの大山さん、関学の味元さん、中大の渡邊さん

会場となった関学西宮上ヶ原キャンパスにて

会場となった関学西宮上ヶ原キャンパスにて

中大ブースにて。左から備酒さん、許さん、渡邊さん

中大ブースにて。左から備酒さん、許さん、渡邊さん

説明する武石智香子副学長

説明する武石智香子副学長

プレゼンテーション会場の様子

プレゼンテーション会場の様子

動画を使いながら説明する武石智香子副学長

動画を使いながら説明する武石智香子副学長

プロジェクションマッピング~映像で楽しむ幻想的なクリスマス~

プロジェクションマッピング~映像で楽しむ幻想的なクリスマス~

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