05 REPORT

「中央大学SENDプログラム(日本語教育)」3期生 海外実習報告会を実施しました

2015年11月20日

*ポスターおよび報告書掲示*
2015年11月19日(木)~11月30日(月)
中央図書館1階展示ホール

2016年1月6日(水)~1月29日(金)
3号館文学部事務室前
 2015年11月19日(木)、中央図書館1階展示ホールにて「中央大学SENDプログラム(日本語教育)」の3期生(2014年~2015年)による海外実習報告会を実施しました。
 各協定校に派遣された3期生たち20名は、各自の派遣先を紹介するポスターを事前に作成し、報告会ではポスターを前に現地での日本語教師アシスタントの経験や学生との交流、異文化体験について発表しました。
 会場には留学を控えている学生のほか、SENDプログラム担当の先生方も来場。3期生たちは時に現地語を交えながら独自の視点でSENDプログラムの魅力を訴え、来場者を惹きつけました。
 なお、ポスターは11月30日(月)まで中央図書館1階展示ホールにて掲示。2016年1月6日(水)~1月29日(金)の期間には、3号館文学部事務室前にて再掲示を予定しています。海外留学やSENDプログラムに興味のある方は是非、ご覧ください。

中央大学SENDプログラム(日本語教育)

【プログラムは全4段階】
1段階(9~2月)…中央大学で基盤となる科目(6単位)を履修
2段階(2~3月)…英国国際教育研究所(IIEL)にて専門科目を履修
3段階(4~8月)…中央大学で日本語教育・異文化理解教育に必要な科目(6単位)を履修
4段階(8~9月)…海外協定校で日本語教師アシスタントとして日本語教育・日本文化紹介の実習

今回の報告会では、4段階目での経験について報告しました!


派遣先大学および報告者
マレーシア工科大学
木村なつみ(文学部東洋史学専攻3年)、戸出晴香(文学部日本史学専攻3年)
 マレーシア工科大学(UTM)で見学した授業では、「この言葉を使う時、日本人はこんな気持ちや考え方をする。だから、こう表現する」と説明しており、言語を教える際には文化的背景も一緒に教える大切さを知りました。特に勉強になった点は、学習者を中心とした指導方法です。教員が一方的に教える授業ではなく、学習者の立場に立って分かりやすく楽しく勉強できる工夫をすることが大切だと学びました。
ハワイ大学ヒロ校
白田美彩(法学部政治学科2年)、花沢香里奈(文学部哲学専攻2年)
 ハワイ大学のほか、ヒロ高校や本願寺日本語学校でも授業のアシスタントを担当し、日本文化の紹介やJapan Clubとの交流を行いました。日本文化を紹介する時には彼らの文化を否定しないよう心がけ、これまで学んできた履修内容を活かすことができました。ヒロでの生活では、年に1回、各地で行われる盆ダンスに参加。子どもから年配の方まで多くの人が集まり、日本のような光景が印象的でした。
メルボルン大学
一場海翔(文学部英語文学文化専攻2年)
 初級から上級まで5つの日本語クラスに参加させてもらい、学生のレベルに応じた日本語の使い方、練習方法を勉強しました。時間割はとても過密で、休憩時間がほとんどなく大変! 予定になかった授業も参加することになり、昼食もゆっくり食べることができないほどでしたが、充実した日々が過ごせました。観光にはセントキルダビーチやメルボルン動物園、フィリップ島のツアーなどに参加することができました。
アデレード大学
鈴木麻美(文学部フランス語文学文化専攻3年)、萩原由子(文学部ドイツ語文学文化専攻2年)
 移民の国ということもあり、アデレードにはさまざまな人種の人が生活しています。そのせいか差別が少なく、皆がお互いの文化を尊重し合うアットホームな街でした。学生の皆がとてもフレンドリーで積極的に接してくれたおかげで、たくさんの思い出を作ることができました。アデレード大学に行って本当によかったと思っています。また、実習を通じて、日本や日本語に興味を持ってもらえるという喜び、教える楽しさを実感しました。
オーストラリア国立大学
真坂瑞季(文学部国文学専攻2年)、藤田樹里(文学部英語文学文化専攻3年)
 現地の文化や社会に触れたことで、いくつもの発見がありました。例えば、言語教育が盛んであるということ。多くの移民が暮らしているからかもしれません。それから、自然の豊かさの理由。国土が広く人口が少ないからではなく、国家や人々が自然を大切にして共存しているからこそ、大自然が保たれていると感じました。大学でアシスタントをした時には、授業で戦争や原爆、天皇制について意見を交わし、日本にいる時以上に日本の問題について考える機会となりました。
フィリピン大学ディリマン校
井上良太(商学部経営学科3年)、梅田哲平(文学部社会学専攻3年)

 教育実習を担当させてもらったクラスは明るく皆が積極的で、授業中には多くの質問が寄せられました。授業時間外には仲良くなった学生たちと、ご飯を食べに行く機会もありました。帰国前日には、私たちの帰国を知った学生たちがプレゼントをくれるサプライズも!  SENDプログラムを通じて、日本をもっと外国に発信したいという気持ちとともに「外国についてもっと知りたい」という気持ちが強くなりました。
アテネオ・デ・マニラ大学
井越慧美(文学部国文学専攻3年)、入 朱里(文学部社会情報学専攻3年)
 現地の大学ではまず、6人の先生の授業を見学。先生それぞれにアプローチの仕方があり、学ぶことが山ほどありました。アクティビティにはゲームやペアワークが取り入れられ、学習者が楽しく学べる工夫がありました。見学後には実習を行いました。IIELで指摘された改善点、反省を活かし、2人で話し合いながら実習に臨みました。上手くいったところ、いかなかったところ、それぞれたくさんありましたが、とてもいい経験ができました。
ダナン大学
齋藤 栞(文学部教育学専攻3年)、宮原裕紀(文学部心理学専攻3年)

 ダナン大学は、現在、リゾート地として開発が進んでいる中部最大の都市・ダナンにあります。授業は朝7時と早くから始まりますが、授業内容や学生生活自体は、日本とあまり変わりません。気温が暑すぎるため、たいていは昼に一度、お昼寝をします。アシスタントとして担当した授業ではパワーポイントを使う予定でしたが、授業が始まる直前に停電。デジタル機器はトラブルが付き物であると予想し、パワーポイントなしでもできる教材を準備しておくべきだったと反省しました。
上海理工大学
関川千理(文学部英語文学文化専攻3年)、中村恵理(経営学部国際経済学科3年)

 上海理工大学内にある日本文化交流センターの方々を中心に、皆さんが温かく迎えてくれました。実習では日本文化を紹介し、日本で流行しているメイクを実演したりスタジオジブリの作品を観たりしました。日本の漫画やアニメより歴史や方言に興味を持つ学生が多く、熱心に私たちの説明を聞いてメモを取ってくれました。企業訪問では上海を離れ、蘇州へ。訪問した企業の方々と一緒に世界遺産を訪れました。
大連大学
菅 樹々美(文学部中国言語文化専攻2年)、森下朋耶(法学部法律学科3年)

 現地の学生たちは、日本の大学生よりもずっと勉強に意欲的であり、感心するばかりでした。日本の文化、食べ物、アニメが大好きと聞くと日本人として嬉しい反面、自分の方が知識が少ないことに気付かされました。3週間はとても短かったものの吸収できたことは多かったです。生の教育現場に立つ貴重な機会をいただけたことで改めて日本語の難しさを実感し、今後の課題も見つかったとても充実した3週間でした。

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