05 REPORT

2016年度『グローバル人材育成フォーラム』英語プレゼン大会にて本学の学生チームが入賞!

2016年12月12日

『学生による英語プレゼンテーション大会』表彰式。中央大学から参加したチーム「Kruakai」表彰の様子

 2016年11月23日(水・祝)、『グローバル人材育成フォーラム』が早稲田大学 国際議場1F 井深大記念ホールで開催されました。本フォーラムは学生、大学のグローバル化を促進するために学生や保護者、教育関係者等を対象に実施しているもので、文部科学省による事業「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援」に採択された東日本第2ブロック18大学が主催しています。4回目の開催を迎えるとともに事業最終年度でもある本年は本学が幹事校を務め、基調講演と学生英語プレゼンテーション大会を実施しました。
 基調講演前には、本学副学長・国際センター所長 武石智香子が挨拶。文部科学省が掲げるグローバル人材に必要な要素、語学力や積極性、異文化に対する理解等について触れ、「フォーラムへの参加を通じて、これらの能力を身に付けようという思いに少しでも繋がれば」と述べました。
 続く第1部の基調講演では、世界の子どもを児童労働から守るNGO「ACE」代表 岩附由香 氏がスピーチをしました。第2部では予選会を通過した8大学の学生チームが英語でプレゼンテーションを行い、審査委員による審査を経て上位入賞チームの表彰が行われました。
 最後に、閉会の挨拶を述べた明治大学 大六野 耕作 国際交流担当副学長は「さまざまな経験を通じて得た気づきを具体化し、将来を見つける学生たちの姿が現れていた」と語りました。また、「日本は戦後の成長において成功を収めましたが、この成功はピークを迎えます。働きかける意思を失うと将来も失っていくでしょう。その意味で、夢を持ってほしい。自分の限界を自分で決めないでほしい。自分の力を探し、それに気づいたならば実行に移してほしい」とメッセージを送りました。

第1部 基調講演

タイトル:
人とつながり、力を引き出し、社会を変えるエネルギーを生み出す
~児童労働ゼロを目指して学生が立ち上げたNGO、ACEの軌跡~
世界の子どもを児童労働から守るNGO「ACE」 代表 岩附由香 氏
 岩附氏が大学院1年生の時に設立したNGO団体「ACE」。この立ち上げに大きく影響したのが、大学生時代の留学経験だったと言います。「日本から海外に出たことで、自分を客観視する機会になった」と岩附氏。この経験を踏まえ、「ACE」では児童労働ゼロを目指して現地で支援を行っているほか、国内外で啓発活動や政府・企業への働きかけを行っています。「自分のやりたいテーマを突き詰めたことがよかった。自分の中に枠を作らない。自分の力を信じて、共にグローバルに活躍する人材になりましょう」と高校生・大学生をはじめとする来場者に訴えました。
 また、「ACE」がガーナの子供たちの支援を目的に販売するフェアトレードチョコレート「しあわせを運ぶ てんとう虫チョコ」が来場者たちにプレゼントされました。

第2部 学生による英語プレゼンテーション大会

テーマ:
グローバル社会につながる地域社会ネットワーク
Networking among Local Communities for Global Society
 本大会には、東日本第2ブロック18大学のうち、「学生による英語プレゼンテーション大会」の予選会にエントリーし、予選会を通過した8大学の学生チームが出場しました。1チームずつ壇上に登ると、「グローバル社会につながる地域社会ネットワーク」をテーマにした各々のアイディアを、持ち時間10分のなか英語でプレゼンテーションしました。
 また、テーマに基づく各分野から4名の方をお招きし、審査委員を務めていただきました。
各チームとも何度も練習を重ねたうえで当日を迎えており、自身の体験に基づく柔軟な発想、工夫を凝らしたパフォーマンスを披露し、レベルの高いプレゼンテーション大会となりました。
 本学から参加したチーム「Kruakai」も予選会を通過し、タイのスラムで問題となっている火災と日本の防災技術に着目した発表を行いました。
【出場大学チーム】
大学名 チーム名 タイトル
亜細亜大学 5 pieces 「GAP Free Project ~Making GAP Free Society From Musashino City~」
お茶の水女子大学 White Water Drops 「Deep Japan Internship」
昭和女子大学 Cacao Angels 「Cacao Angel Project」
創価大学 Frontiers 「District of Diversity Project」
中央大学 Kruakai 「Kruakai Project」
東京医科歯科大学 ProSeed 「Promoting the Prevention of Pneumonia in Pakistan」
東京工業大学 IDA LegTech 「Prosthetic Legs for 6.2 millions」
東洋大学 Miracle Tree 「Get three happiness with one tree」
(五十音順)
【審査委員】
ジャパン・フォー・サステナビリティ事務局  坂本典子 氏
文部科学省 高等教育局高等教育企画課 国際戦略分析官  田浦宏己 氏
独立行政法人国際協力機構 国際協力人材部長  高島 宏明 氏
OECD(経済協力開発機構)東京センター副所長  樋口厚志 氏

本学代表チーム「Kruakai」発表

テーマ『Kruakai Project(クルアカーイ プロジェクト)』概要
※タイ語Kruakai =英語Network
 

日本の防災技術を活用し、タイのスラムで問題となる火災から身を守る!


スラムで多発する火災。有効な対策は成されぬまま……
 私たちは今年の2月、中央大学主催の「タイ短期研修プログラム」に参加し、タイ・バンコクのクロントイ・スラムを視察してきました。
 クロントイ・スラムはバンコク最大規模のスラムであり、約15万人が生活しています。財源もなく不衛生な環境で、インフラも十分に整備されていません。そんな場所に、廃材で作られた住居が密集しています。火の不始末や料理による火災は週に2、3回ほど起こっており、多くの人が怪我を負い、最悪の場合には死に至っています。スラムには消防車もありますが、住居密集地のため消火活動は限られてしまいます。
 このことから、スラムの人々が火災から身を守るために、自分たちがどう行動すればいいか知ることが大切だと考えます。

日本・タイの学生とスラムの人々が協働。世界中で活用できる防災モデルを築く!
 そこで、スラムで問題となっている火災被害を最小限にとどめられるよう、日本の防災技術を活用したハザードマップと掲示板による防災プロジェクトを提案します。
 ハザードマップと掲示板は、日本では数多くの場所で使用されています。しかし、タイのスラムでは使用されていません。私たちのプロジェクトでは、日本人の学生とタイの学生、スラムの人々が協働し、一緒にハザードマップと掲示板を作ることで被害拡大を防ぎます。
さらに、クロントイ・スラムで防災モデルを築き、タイ全体のスラム、さらには開発途上国のスラムへと普及させ、世界中で活用できる持続可能な防災モデルの創出を目指します。
 

 すべてのプレゼンテーションを終えた後、4名の審査員による審査が行われました。
 審査結果は下記の通り発表され、その後、表彰が行われました。

審査結果
1位 東京工業大学
2位 亜細亜大学
3位 中央大学

 本学チームは、シンプルで世界各地で実践できる提案が評価され、3位入賞を果たしました。

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