05 REPORT

中央大学SENDプログラム(日本語教育)第4期生34名の修了式を挙行

2017年03月28日

『中央大学SENDプログラム(日本語教育)』第4期生

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 2017年3月24日(金)、多摩キャンパスGスクエアにて、『中央大学SENDプログラム(日本語教育)』第4期生の修了式が挙行されました。
 本プログラムは、文部科学省による2012~2016年度の事業「グローバル人材育成推進事業(現:経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援)」の下で執行されており、同事業下での実施は第4期生をもって終了となります。
 第4期生は過去最大人数となる34名が日本語教員養成期間420時間を満たし、修了式を迎えました。
 式では文学部長 都筑 学より学生たち一人ひとりに修了証が手渡され、式辞にて「SENDプログラムを通じて、日々の生活で気づかなかった日本のよさに気がつくきっかけになったのではないでしょうか。他国の文化を受け入れるだけでなく、日本文化の発信者として先頭に立って欲しい」とお祝いの言葉が贈られました。
 修了生を代表する八木田好葉さん(文学部3年)は、『言語が違えば見える世界も違う』と述べたアメリカの言語学者の言葉を借り、日本語を通じて見える日本という世界を他国の学生たちに伝えた過程を振り返り、「言葉を通じて世界を見続けたい」と教職員たちに感謝を述べました。
 閉式後に開かれた懇親会では、SENDプログラム運営委員会委員長である文学部教授 若林茂則のほか、SENDプログラムに携わった教職員たちが学生に向けてメッセージを述べ、懇親会を締めくくりました。

 

修了生代表の言葉 

SENDプログラムを終えて

 文学部3年、八木田好葉です。まずはこの場でお話しする機会をいただいたことに感謝致します。
 私がこのSENDプログラムに参加した理由は、高校で学んだ「言語について考える」という授業にあります。言葉は色眼鏡であり、言葉が変われば見える世界は違うのだと聞いた時の衝撃を今でも覚えています。同時に、それならば、知らない言葉を知る、学ぶということは、世界を知るためにとても有効な方法なのだと感じました。

 このプログラムで私たちは、ただ、コミュニケーションツールとしての日本語を教えるというよりむしろ、学習者に、日本語という言語を通して見える世界を感じてもらうための役目があったのではないかと思います。しかし当たり前ですが、実際は教えるより私自身気づかされることの方がずっと多かったと感じています。
 例えば、英語や中国語には、「それ」にあたる言葉がないことからも位置関係や距離感の認識の違いを感じます。
 また、派遣先での実習時、私が会話の中でオノマトペをたくさん使うのに対して、いちいち繰り返して聞き返してくる学生がいました。擬音語で表す文化がないから、本当に彼にとっては面白いことなんだろうなと感じたのを覚えています。音のしないものを音で表現するオノマトペは日本語ならではの世界の見え方なのだと考えさせられました。

 1年間かけて段階的に学ぶという長期のプログラムでしたが、実習の派遣先で学生たちと関わってやっと、ロンドンのホストマザーが英語が苦手な私にしてくれていたことに気づかされたり、普段、専攻の教育学でも考えている教師の役割というのを実際に感じたりと、授業で学んだことも含めて、ほんとうに全ての経験が次々にリンクしていくのを感じる1年となりました。
 ここ1週間くらいの間に、「留学で日本へいくから待っていて」と言われて別れた大連大学の学生たちから、日本に着いたよと次々に連絡を受けました。私が授業をした学生たちが、日本と日本語が好きだといってこうして来てくれる、ほんとに嬉しいことだなと思います。

 グローバル人材育成プログラムの一環として、推進されているこのプログラムですが、外国語に長けていたり、海外でたくさん活躍するというよりも、一人ひとりがこういった繋がりを大事にし、言語を超えて今生きている世界を観ようとすることが、一番グローバルな人でいられるように思います。いろんな文章にも残しましたが、図師先生の「真のグローバルパーソンとは隣の人の幸せを、会ったことのない人の幸せを、国境を越えて願える人だ。そのために、動ける人だ」という言葉が私の中に強く残っています。
 文化とは、グローバルとは、言語とは……たくさんの問いとともにあったこのプログラムを終え、ここでの学びは私の中で、そしてここにいる4期生それぞれの中でも、ひとつの軸になったと思います。言葉を通して世界を観るということをこれからも大事に、そして広げていけたらなと思っています。自信をもって、参加してよかったと言えるプログラムになったのは、ここにいる仲間と一緒に作ってきたからだと感じています。すてきな時間をありがとうございました。

 残念ながらこのプログラムは今期で終了してしまいますが、SENDプログラムで学んだ私たちがいるかぎり、このプログラムが繋いだ学びは消えないと思います。うまく広げていく方法をこれからも探っていけたらと思っています。

 そして、最後になりましたが、中央大学の先生方をはじめ、青木さん、宮本さん、IIELや派遣先の先生方、お世話になった方全てに、4期生を代表してお礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

八木田好葉(文学部3年)

修了式・懇親会の様子

中央大学SENDプログラム(日本語教育)第4期生
中央大学SENDプログラム(日本語教育)第4期生
中央大学SENDプログラム(日本語教育)第4期生
中央大学SENDプログラム(日本語教育)第4期生
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中央大学SENDプログラム(日本語教育)第4期生
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中央大学SENDプログラム(日本語教育)第4期生
中央大学SENDプログラム(日本語教育)第4期生
中央大学SENDプログラム(日本語教育)第4期生

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