05 REPORT

【第9回 IW実施報告】
講演&座談会「グローバルキャリアを考える」

2017年12月20日

インターナショナル・ウィーク
第9回 国際機関

学生から積極的に質問する姿が見られた座談会

各講演では、登壇者たちがグローバルに働くに至った
キャリアステップが紹介された

 2017年12月13日(水)、多摩キャンパス ヒルトップ2階Gスクエアにて、国際センター主催の企画「グローバルキャリアを考える」が開催されました。学生の知的好奇心を喚起することを目的とした行事「インターナショナル・ウィーク」の一環です。
 今回の講演&座談会は、「就職活動がスタートする前に、学生たちには大学内だけでなく外の世界にも目を向けて欲しい。グローバル企業や団体で働く方々の話を聞き、キャリア形成のきっかけにして欲しい」という思いから実施されたもので、団体や企業から人事や広報等を担当する5名が招かれました。
 各登壇者による講演では、経歴や仕事内容、団体・会社の基本情報の紹介とともに、今後のキャリアを考えるうえでのメッセージが学生たちに送られました。続く座談会では、登壇者と学生がテーブルを囲んで直接、話ができる場が設けられました。採用、選考にとらわれず幅広い業界の方たちから話が聞ける貴重な機会とあって、学生たちは志望業界で働くためのキャリアプランを熱心に相談し、時間をおしての閉会となりました。

登壇者

本田龍輔 氏
独立行政法人 国際協力機構(JICA)

物事を予測するのが難しい時代、何に価値を置いて働くか


青年海外協力隊として2年間、パプアニューギニアで活動した経験があります。2年は限られていて開発途上国の課題解決に大きく貢献するのは難しいですが、この中で自分ができることをトライ&エラーで行ってきました。
国際協力への関わり方はさまざまで、多くのプレイヤーが存在します。JICAでも幅広い分野の専門家たちに参画いただいています。自分がどういった立場で、どういった関わり方をしたいのかが重要です。
変動的で複雑化する『VUCA』時代をどう生きるか。多くの価値観があるなかで、物事を予測するのは難しく、個人の働き方も変わってきています。何に価値を置き、どういった働き方をしたいか考えて欲しいです。
本村桂子 氏
特定非営利活動法人 国際連合世界食糧計画WFP協会


会社の事業内容だけでなく、どんな人と一緒に働けるかが大事

 
フェアトレード関連の会社やNPO法人といった団体は、社会人経験3年以上を求めることが多いです。私が大学生の時も、希望する企業が新卒採用しておらず、まずは一般企業に就職しました。
ここで私を指導してくれた先輩は教育熱心、かつ優しい方で、“会社の事業内容だけでなく、どんな人と一緒に働けるかが大事”と実感。その後、シアトルの企業への転職を経て、WFP協会に入職しました。
国際機関でのキャリアアップを考えた場合、博士号以上の学歴が必要です。今後、これを取得することが私の目標です。
湯川義雄 氏
キャセイパシフィック航空


国、人種、バックグランドにとらわれず、相手に手を差し伸べる心


日本支社の人事部で、採用や人材育成、本社主導のプロジェクト等に携わっています。採用をする時、応募者が大変優秀な方でも、こちらのニーズとマッチせず採用を見送ることがあります。この場合、マーケットが異なっただけ。こうした事もあるんだと、就職活動をする上で自分を売り込むヒントにしてください。
グローバルを、どう考えるか。まずは、ひとりの人間であることが大事です。人を思いやり、人種が違っても手を差し伸べる。グローバルであっても日本で働くとしても、これが人としてあるべき姿なのではないでしょうか。
佐藤孝徳 氏
サークルイン株式会社


人生で出てきた点と点が結ばれるように、常に挑戦を続ける


中央大学総合政策学部を2006年に卒業しました。物凄く勉強をしていて、TOEFL iBTは100点以上、GPAは3.9。ファンドを扱う企業でアルバイトをして鍛えられていたため、就職活動は順調でした。三井物産株式会社に就職し、トレーディング業務や中国転勤、留学、中国戦略における企画・実行などを経て退社。2016年にサークルイン株式会社を創業しました。
この十数年やってきたことが結びついてきています。挑戦をやめない、可能性が残る選択をすることが大事です。大きな挑戦をするためのネタを集めておくことが、グローバルキャリアと言いうか、楽しい人生を送るコツかと思います。
川端由梨 氏
株式会社セールスフォース・ドットコム


時間をかけて企業研究やキャリアプランが練れるのは、学生時代の今!


学生時代は、時間をかけて様々な会社を見ることができるタイミング。就職活動をしっかりとやっておくべきです。今、思うのは、学生の時に会社の人とたくさん話をして、自分のキャリアを考えておきたかった、ということ。私はそうではありませんでしたが、目の前のやるべきことを一生懸命に取り組み、前職、前々職の経験が今に繋がっています。
社会人生活を長く続けるにはスキルアップしなければならいため、成長できる環境に身を置くことは大切です。仕事とは、自分の価値を人に提供することだと思います。自分や会社がどういう価値を提供しているのかを考え、ここだと思える会社を見つけてください。

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