05 REPORT

【文学部】英語文学文化専攻 若林ゼミとマレーシア工科大学の学生がオンラインで交流しました

2022年02月15日

▲マレーシアから参加する学生とゼミ生へ、カメラに向かって挨拶をする若林教授

 2021年12月15日、文学部英語文学文化専攻 若林 茂則教授のゼミナールにおいて、マレーシア工科大学(UTM)とオンラインで結び、ゼミ生とUTMで日本語を学ぶ学生が英語でトークセッションを実施しました。
 この日は3回行われるうちの2回目で、「日本とマレーシアの文化」をテーマに意見交換が行われました。

 学生たちは授業の前に作成してきた日本を紹介するパワーポイント等を見せながら、英語で一生懸命にマレーシアの学生たちに日本の文化を伝えていました。マレーシアの学生も同様に画像やPPTを見せながら若林ゼミ生たちに自国を紹介。グループやテーマの内容によって、会話が弾んだり、質問に対してうまく答えられずに戸惑ったり、さまざまなケースが見られましたが、学生たちは楽しそうに会話をすすめていました。

▲授業の様子。各々がパソコンを通じて、UTM学生と英語で意見交換します

 若林茂則教授の専門分野は、言語学・外国語習得・英語教育です。2020年には、本学国際情報学部 飯尾  淳教授とともに、「高校生の異文化交流を支援し英語学習をサポートするためのオンライン英会話プロジェクト」を立ち上げ、2021年夏には、国際学会に招待されて、そのプロジェクトを紹介をする講演を行っています。

 この授業では、学生たち自身による言語分析も行います。英会話をする・英会話を学ぶことだけが目的ではなく、英語学のゼミでの学びの一つとして、実施されています。
 英語を母語としない学生同士が英語で会話をする時には、いろんなことが起こります。「話がうまくつながらがらない」「よく聞き取れない」「なぜか、聞き取ってくれない」「カタカナ英語でもうまく通じた」など。いつ、どうして、なにが、どんなふうに起こるのか。そういうことが起こるのはなぜか。このような視点から、自分達の会話を分析することで、「英語母語話者ではない話者によるやりとりで何が起こっているか」と「その仕組みはどのようなものか」を発見していこうという取り組みです。
 学生は授業終了後に、録画した会話を分析してレポートにまとめます。また、自分自身の言語使用を分析することは、外国語を習得する上で実力アップや動機付けの向上にも繋がるとのことです。さらに、他国の文化を学び、学生自身は自らの会話力、対応力、コミュニケーションスキルに気づき学べる、貴重な時間となったようです。

以下で、ゼミ生の授業の感想をご紹介します。

2回目のトークセッションを終えて~学生たちの感想

(3年生)
佐藤 和眞さん

私は日本語について紹介したが、日本語は漢字、ひらがな、カタカナという3種類の文字を組み合わせて用いる妙な言語だと再認識することができた。一方、マレーシアの学生さんが紹介してくれた“クエ”という伝統菓子は非常に興味深く、「入浴するサイ」「サルの耳」など、おもしろい名前が付いていると知ることができた。

半谷 時忠さん
マレーシアは日本からも近い国ですが、知っていることはほとんどありませんでした。年齢の近いマレーシアの学生たちと交流して、いろいろなマレーシアのことを知ることができました。また、日本のことを紹介するとき、意外と日本を知らないことが多いことにも気づきました。日本についても知ろうと思いました。英語でのやりとりも貴重な体験でした。
田中 悠斗さん
文化紹介ということで、自分の国の文化をより深く知ることができた。イベントに意外と共通点が少なからずあるという発見ができた。日本は多民族ではないので、マレーシアの文化を聞いてみて、多民族だということにより誕生した多様性の一部をすることができてよい機会だった。

地引 紫音さん
外国人と初めての会話なので緊張しましたが、楽しかったです。今日のテーマは文化でしたが、自分の国の文化について全然知らないと感じ、見直すきっかけになったと思いました。また、伝えたいことをどう英語で表現するかがわからずに諦めてしまうことが多かったので、改めて英会話を学びたいと思いました。

高橋 悠紀さん
1回目よりも話題が広がり、さまざまな異文化を知ることができたのでよかったです。特に年末年始の過ごし方等、互いの文化が色濃く出ている面を知ることができたし、ずっと笑顔で会話をすることができました。少し話をし過ぎて時間をオーバーしてしまったのが反省点です。
田中 璃音さん
コロナの影響で留学生の多くが帰国したために、英語を使う機会が減ったなかで、貴重な経験をすることができてうれしいです。マレーシアの学生は気さくで、楽しく話すことができました。日本とマレーシアの文化について比較すると違いはたくさんありますが、同じような点があることに驚きました。限られた短い時間を無駄にしないように、次回もパワーポイント等を用意してスムーズに話し合いが進められるように準備したいと思います。
國友 麻衣さん
他国の人と英語で話すことがとても難しいことを痛感しました。PC環境や接続にも左右されますが、相手の発音を聞き取ることは、日本人同士が英語で会話するよりも格段に難しかったです。しかしそんな中でもしっかりと会話ができたりすると、とっても達成感を味わうことができました。

木塚 遥之さん
英語で会話をする機会があまりなかったので、今回英会話をしてみて全然スピーキングができないことに気が付くことができました。これからも英語の勉強を続け、特に英会話をする機会を設けてスラスラと話せるようになったら良いと思いました。
(4年生)
武藤 有咲さん

コロナ禍で海外の学生との交流が難しい中、オンラインでマレーシアの学生と話せたことはとても楽しく新しい発見ばかりでした。マレーシアの文化、宗教、学校生活のことなどを聞き、学びの多い時間でした。

小野 広平さん

この授業は3回という制約があるが、継続的に話すことができるのは意味がある。
“マレーシアの文化”を知るのは、インターネットや本からも可能だが、”個人の持つ文化“は、その人と話し込んでいかなければ見えてこない。次回の会話は違うテーマになるが、より高度な話ができることを期待している。
(大学院博士前期課程1年)
髙橋 侑希さん

 今日は2回目のセッション。文化について2つのグループで話し合いをしました。1つ目のグループとのセッションでは、マレーシアの伝統的な食べ物「kuih」について知りました。和菓子に似た kuihの中には、“入浴中のサイ”や“くさった木の枝”という名前で、食べ物にもかかわらず食べたくなくなるような名前がついているものがあるのが不思議でした。1つ目のグループでは、「おばけ」という観点からお互いの文化をのぞいてみました。文化が違えば恐怖の対象も異なるということを知りました。
 次回は3回目、最後のセッションですが、プライベートでも4回目5回目と継続できるような関係になれたらいいなと思います。
 

▲若林ゼミの皆さん。後列左が若林教授。学部生3年、4年生、大学院博士前期課程1年生が参加しました

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