05 REPORT

【日本・台湾親善プロジェクト~八王子市×PRØJECT ONE】
台湾からの留学生とサッカー部が授業&給食で小学生と交流しました

2022年11月24日

 2022年10月18日、中央大学サッカー部と台湾からの留学生が八王子市立由井第一小学校を訪問しました。サッカー部は体育授業の指導、留学生はそろばんの授業に参加し、台湾産バナナを含む給食を児童の皆さんと楽しく食べ、交流しました。

▲日本の学校給食を初めて味わったという
留学生の吳宛諭(ゴエンユ)さん

 サッカー部員と台湾からの留学生の訪問は、日本と台湾の交流促進を目的に活動する「PRØJECT ONE」と八王子市による親善プロジェクトの取り組みの一環で実現しました。「PRØJECT ONE」は、台湾サッカーリーグで活躍している一柳夢吾(いちやなぎゆうご)選手と若林美里(わかばやしみのり)選手を中心に、地域活性化と日台交流促進を目指して活動を行っています。
 今回は、台湾・高雄市の認知度向上と子どもたちへ台湾の魅力を伝えようと、八王子市由井第一小学校の給食に台湾産バナナを提供。以前から「PRØJECT ONE」と連携して小学校訪問等を行ってきた中央大学サッカー部に加えて、今回は多摩キャンパスに通う台湾からの留学生も協力しました。八王子内の世代と国境を越えた交流に学生たちも貢献することができたようです。
以下で、交流の様子をご紹介します。

3・4・5時間目【サッカー部】6年生の体育の授業でサッカーを指導

▲前日からの雨が上がり、子どもたちは校庭で思い切り授業を楽しんでいました

 サッカー部は、今年度の前期にも由井第一小学校を訪問し、放課後サッカー指導を実施しています。この日は、担任の先生に代わり6年生の体育授業を指導することとなり、訪問前には入念な準備を行ってきたそうです。サッカーや運動をみんなで一緒に楽しみ、サッカーのおもしろさが伝わるようなメニューを組み立ててきました。準備体操、レクリエーション的な運動、ミニゲーム等、45分間、指導し見守りながらも一緒にプレイを楽しみました。6年生全クラスで授業を担当しましたが、子どもたちと担任の先生が本当に楽しそうに授業を受けていました。

<交流に参加したサッカー部の皆さん>
木村豪さん(文4)、豊田歩さん(総政4)、武田洸さん(総政3)、青木奏人(法3)、太田尚弥さん(法3)、鈴木大樹さん(経3)、
馬見塚武蔵さん(商2)、田村健一郎さん(商1)、都文音さん(商1)

5時間目【留学生】4年生クラス:そろばんの授業に参加して国際交流

 台湾からの留学生たちは、4年生のクラスでそろばんの授業を受けました。日本の小学校に来ることも、日本の子どもたちと交流することも初めてだという留学生たちでしたが、給食や休み時間に子どもたちと交流したことによって、緊張もほぐれた様子で授業に挑んでいました。
 授業前は、児童たちの前で自己紹介と台湾の紹介をしました。次に隣のクラスに移りそろばんの授業。 初めてのそろばんは、先生のお手本を見たり隣席の子からやり方を教わりながら、真剣に取り組んでいました。そろばんという、日本の伝統文化に触れられたことがとても良い経験になったようです。また、由井第一小学校には外国籍の児童が多数在籍。この授業では中国語の話せる子が留学生をサポートできるように配慮していただきました。
 
<交流に参加した台湾からの留学生の皆さん>
張博瀚(チョウハクカン)さん(国経3)、羅中宏(ロチュンフン)さん(国経1)、吳宛諭(ゴエンユ)さん(文・交換留学生)、于晴(ウセイ)さん(文・交換留学生)
 

給食の時間:きょうの献立のフルーツは台湾産のバナナ

▲初めての日本の学校給食!食べる前に写真撮影をする留学生の羅中宏(ロチュンフン)さん

 給食の時間は、サッカー部の皆さんが6年生の3クラスに分かれ、留学生の皆さんは5年生と4年生の教室に分かれて、子どもたちと一緒に過ごしました。用意された座席は子どもたちの前、真ん中、後ろだったり、クラスによって異なりました。

 この日の献立は、パン、ポークビーンズ、コールスロー、牛乳、台湾産バナナでした。台湾産バナナは、スーパーマーケット等の小売店ではあまり見かけないバナナです。「美味しかった」「家で食べるバナナよりも甘かった」「また食べたい」と子どもたちに大好評でした。

 給食の前や最後には、どのクラスでも質問コーナーが設けられていました。好きな食べ物・嫌いな食べ物、サッカーがうまくなる秘訣、留学生には台湾のおすすめの料理やお菓子、観光地等。回答を聞いて、素直に喜ぶ子どもたちの様子に笑顔で答えていました。

清掃&昼休み:大学生・留学生も一緒に

 給食の時間が終わり、教室の清掃と昼休みの時間。掃除をしてからは、校庭に出てドッヂボールや鬼ごっこを楽しんだり、教室で子どもたちから質問攻めにあうなど、各々が楽しい時間を子どもたちと一緒に過ごしていました。
 「みんな明るくて元気で、とてもかわいかったです。昼休みの時間で鬼ごっこをやり、一緒にたくさん走りました。/吳宛諭(ゴエンユ)さん」「台湾には同じくらいの年の妹がいるので子どもと遊ぶのが大好き。今日は楽しかった/張博瀚(チョウハクカン)さん」「自分はサッカー部による放課後訪問を含めて同校に来たのは今回で3回です。すっかり自分を覚えてもらえて、ハイタッチしたり笑顔で迎えてくれるからうれしかった/持田温紀さん」と感想を述べました。

参加した皆さんの感想

<台湾からの留学生の皆さん>

・張博瀚(チョウハクカン)さん:子供たちが元気でとっても無邪気で自分も元気をもらえました。日本の小学校に入るのが初めてなので、始まる前からずっと楽しみにしていました。それでも最初は不安もあったのですが、結果的にはすごく楽しくて自分にとってもいい勉強になりました。これからもこういう機会があれば、参加したいと思います。
・吳宛諭(ゴエンユ)さん:子どもたちからいろんな質問を受けました。台湾の良いところや料理のことを聞かれたりしました。みんな明るくて元気で、とてもかわいかったです。
・干晴(ウセイ)さん:始まる前はとても緊張しました。でも情熱的でテンションの高い小学生で、緊張がすぐにとかれました。子どもたちはとても素直ですね、台湾と日本の違いを聞いて、大人なら驚かないような内容でも「びっくりした!」と反応してくれるので、楽しかったです。
・羅中宏(ロチュンフン)さん:日本に来てまだ1か月なので、日本語は全然自信がありません。だからとても緊張しました。わたしは5年生のクラスで一緒に給食を食べました。おいしい給食でした。子供たちとはいろんな話をしました。掃除の時間も一緒にやりました。休み時間は外でドッヂボールを楽しんだ。ドッヂボールなんて10年ぶりくらいにやりましたから。今日は素敵な1日になりました。

▲手を繋いでボールが輪から出さないよう蹴りながら進むゲームのお手本を児童と一緒に実演しました

<サッカー部の皆さん>
木村 豪さん:今回の活動を通して、子供たちが少しでもサッカーに興味を持ってくれたり、サッカーの楽しさを感じてくれていたら嬉しいです。またみんなでサッカーしましょう! ありがとうございました。
豊田 歩さん:サッカーを通して、年が離れた小学生の皆さんと交流するという、貴重な時間を過ごすことができました。とても楽しかったです、ありがとうございました。
武田 洸さん:サッカーを楽しいと思ってもらえていたらすごく嬉しいです! 機会があれば、ぜひまた一緒にサッカーしたいなと思っています! ありがとうございました!
青木 奏人さん:何事にも全力で心の底から楽しむ姿に私自身が力をもらいました。また機会があれば皆さんと交流できることを楽しみにしています!
太田 尚弥さん:サッカーの楽しさ、面白さを体育授業を通じて広めることができ、このような機会をまた作っていきたいと思いました。とても貴重な時間になりました。ありがとうございました。

鈴木 大樹さん:エネルギーあふれる小学生とふれあい、自分も童心に帰って楽しむことができました。少しでも体を動かす楽しさを知ってもらえるように、今後も活動を続けていきたいです。 
馬見塚 武蔵さん:元気あふれる小学生と一緒にボールを追いかけることで、昔に戻った気分でサッカーを楽しむことができました。このような機会が増えていくと嬉しいです!
田村 健一郎さん:この活動に参加したのは初めてでしたが、新たな発見や刺激がたくさんあり、非常に有意義な時間となりました。これからも小学生の皆さんと交流していければと思います。
都 文音さん:過去に来校したことを覚えてくれている小学生もいて、少しずつ中大サッカー部の認知度が高まっていることに感動しました。
<国際教育寮広報担当/サッカー部所属:持田  温紀さん>
  サッカー部の仲間も留学生、小学生たち、みんなが楽しんでいるのが伝わってきて、とてもうれしいです。サッカーが得意ではない子が夢中になる姿、先頭に立って盛り上げる選手たちの姿、校庭にいたすべての人が楽しんでいた姿を見て、この日の訪問が大成功だと感じました。特に、試合や練習の合間に体育の授業を企画し、サッカーの魅力を伝えた選手たちに感謝の気持ちでいっぱいです。そして、国際教育寮に暮らす台湾からの留学生たち、今回は国際教育寮として初めて、国籍の壁を越えて地域と交流するという経験ができました。クラスのみんなで台湾の表現で「いただきます」と言ったこと、留学生が子供たちの憧れとなりサインの列ができる様子、小学生が留学生に一生懸命そろばんを教え、留学生もそれに応えようと熱心に取り組む姿……。国際教育寮がキャンパスの外に出て活動する第一歩が、笑顔であふれる素敵な時間となり、感動しました。
 これからも地元に愛される中央大学を目指して、サッカー部と国際寮のそれぞれが、地域の皆様との交流をさらに深めていきたいと感じます。
 

▲由井第一小学校の徳永校長先生、PRØJECTの皆さん、学校コーディネーターさん、中央大学サッカー部と留学生の皆さん

サッカー部からのお知らせ ~ 中央大学サッカー部が2部リーグ優勝!1部昇格!

 サッカー部は、『JR東日本カップ2022 第96回関東大学サッカーリーグ戦【後期】』関東リーグ2部を優勝で飾り、来シーズンの1部昇格を決めました。八王子市立由井第一小学校を訪問した豊田 歩選手も出場していました。これからも中央大学サッカー部の応援をよろしくお願いします!

台湾・八王子市・中央大学サッカー部をつなぐ「PRØJECT ONE(プロジェクト ワン)」

 【PRØJECT ONE】は、かつて東京ヴェルディやベガルタ仙台、ザスパクサツ群馬でプレーし、現在は台湾サッカーリーグ で活躍する一柳夢吾選手(AC TAIPEI 所属)、台湾女子サッカーリーグで活躍する若林美里選手(高雄陽信銀行女子所属)、フットサルチーム kit(千代田区サッカー協会所属)の 3者が連携し、日本の地域活性化および日本台湾交流強化を目的に、日本各地で活動しているプロジェクトです。
 八王子市が台湾・高雄市が海外友好交流都市であることから、PRØJECT ONEは八王子市とも連携し、小学校を拠点に台湾の魅力を伝える活動を共に行っています。中央大学サッカー部、拓殖大学サッカー部もこの活動に賛同し、児童とサッカー交流したり給食を共にするといったボランティア活動を行っています。
 
 2022年8月には、中央大学サッカー部と拓殖大学サッカー部、PRØJECT ONEが台北駐日経済文化代表処を訪問。PRØJECT ONEと両大学サッカー部による八王子市の小学校を拠点とする、台湾の認知を高めるボランティア活動に対して、台北駐日経済文化代表処 教育部部長 黄 冠超(コウ カンチョウ)氏よりお招きを受けたことにより実現しました。
 黄部長との面談では、小学校訪問に対する感謝の言葉をいただき、中央大学と台湾のつながり等を説明していただきました。また、法学部の新キャンパスが台北駐日経済文化代表処と近隣になることや、台湾との交換留学等、日本と台湾がスポーツや文化でさらに交流を深めていくことの大切さといった話をすることができました。

▲一柳選手が2021年に由井第一小学校を訪問し児童と交流したときのサイン

▲台北駐日経済文化代表処を訪問した際のもの。中央が教育部部長 黄 冠超氏、右端がPRØJECT ONEの田口氏(中央大学OBでもあります)、左側5名が拓殖大学サッカー部の皆さん。右2人目から3名が中央大学サッカー部

▲教育部部長黄冠超氏との面談の様子。
台北駐日経済文化代表処スタッフの関係者には複数の中央大学OBがいらっしゃるそうです

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