05 REPORT

【文学部 中国言語文化専攻】
中国伝統芸術体験イベント「はじめての京劇」を開催しました

2022年12月07日

▲立ち回りを披露する張春祥先生(左)と小林さん(右)

▲「三岔口」を演じる張春祥先生

 2022年11月7日、 FOREST GATEWAY CHUO ホールにて、文学部中国言語文化専攻主催の中国伝統芸術体験イベント「はじめての京劇」が開催されました。今回の企画は、京劇を身近に感じて楽しみながら中国の文化や歴史について理解を深めようという趣旨で企画され、日本で京劇の普及に取り組んでいる新潮劇院/一般財団法人日本京劇振興協会の全面協力を得て、京劇俳優の張春祥氏、張烏梅氏をお招きしました。

 色鮮やかな伝統衣装や道具類が展示された会場ホールには、文学部の学生を中心に他学部の学生や教職員を含めた約200名が集い、京劇の歴史や様式についてのレクチャーとパフォーマンスが披露されました。
 張烏梅氏によるレクチャーでは、京劇の歴史や見どころが初心者にも分かりやすく解説され、張春祥氏の実演で京劇の所作や立ち回りが披露されると、一気に魅了された会場からは拍手喝采がわき起こりました。さらに、京劇の所作の基本となる円を描くような動きについて解説を聞いて、参加者全員で実際に所作を練習してみる場面もありました。伝統衣装の着付けにチャレンジした学生たちは、重たい衣装や道具に驚きながらも笑顔でポーズを決めていました。

▲劇団員として活動する小林さんによるパフォーマンス

  中央大学文学部中国言語文化専攻3年生の小林孝徳さんは、大学入学後に新潮京劇院で京劇を学び始め、現在は同劇院の公演でも活躍しています。今回のイベントでは、師匠である張春祥先生のアシスタント役として立ち回りの披露や化粧の実演でも大活躍し、会場から盛大な拍手が送られました。小林さんは、「大学でのイベントが無事に成功して感無量です」と満面の笑みで拍手に応えていました。

 イベント開催にあたり、中国言語文化専攻1年生の学生スタッフと大学院生が裏方として参加しました。イベント終了後の来場者アンケートでは、「京劇俳優の動きや表情の迫力に圧倒された」「機会があれば、京劇の演目を鑑賞したい」「中国に行って本場の舞台を見てみたい」という声が多数寄せられました。

▲会場の様子。京劇の歴史や見どころをレクチャーしていただきました

▲新潮京劇院の張春祥先生(左)、張烏梅先生(右)

▲参加した学生が伝統衣装の試着にチャレンジ

▲京劇の化粧を実演

<新潮劇院・一般財団法人日本京劇振興協会について>

 今回のイベントにお越しいただいた京劇俳優 張春祥氏が主催する新潮劇院は、東京都世田谷区を拠点として活動している在日京劇団です。中国の劇団で活躍していた在日中国人京劇俳優と日本人京劇俳優とで構成され、京劇普及活動を通して日本での外国文化振興と日中友好の架け橋を担っています。
 祖父の代より三代続く京劇一家に生まれた張春祥氏は、北京京劇院に13年間所属したのち1989年に来日。日本を拠点とする劇団を立ち上げて活動を始めました。伝統を守ることを信条とし、ただのショーではなく中国を代表する伝統芸能としての様式美を保ちながらも、新しい潮流を生み出すべく、先進的な芸術表現にも取り組んでいる劇団です。在日京劇団であることを活かし、日本語セリフの導入・日本人にわかりやすい演出・日本人俳優による京劇レクチャー、ワークショップ等を積極的に取り入れています。
 また、一般財団法人 日本京劇振興協会は、日本における中国伝統芸能「京劇」の普及と発展に関する事業を行い、国際交流と文化振興に寄与することを目的に、新潮劇院を母体として設立されました。

中国伝統芸術体験イベント「はじめての京劇」開催にあたって

 今年は日本と中国の国交正常化50周年、文学部中国言語文化専攻の創設20周年にあたります。節目の年を記念して、今回のイベントを企画しました。
 大学の専門課程で「中国言語文化」を冠して、中国について幅広く、深く学べるのは中央大学文学部の魅力といえる大きな特徴のひとつです。当専攻では、中国語の学修を中心に、中国の古典から近現代の文学、歴史、文化、社会、思想など、学生が自分の興味関心から様々な分野の学びを深めることができます。「自分なりの形で中国を知り、使える中国語を学ぶ」というポリシーを掲げる中国言語文化専攻は、今後も様々な試みを重ねて特色ある教育・研究活動を展開してまいります。

<文学部  中国言語文化専攻  准教授 及川淳子>
●専門分野/現代中国社会、政治社会思想 
●担当科目/中国言語文化基礎演習、中国語、現代中国事情、
      中国近現代思想演習、卒業論文

iイベントのポスター ▲クリックで拡大

前へ

次へ