05 REPORT

日・EUフレンドシップウィーク2024企画展『「オリンピック」と「フランス」~繋がる歴史、未来への想い~』が開催されました

2024年06月10日


 2024年5月27日(月)~2024年6月8日(土)、多摩キャンパス中央大学図書館2階展示スペースにおいて、EU情報センター主催による『「オリンピック」と「フランス」~繋がる歴史、未来への想い~』と題した企画展が開催されました。本年2024年夏はフランスにおいて、「パリ2024オリンピック・パラリンピック」が開催されることから、「オリンピック」と「フランス」に焦点を当て、それらに関連するさまざまな書籍や資料を展示する企画展が開催されました。

 展示スぺースには、フランスの「自由・平等」、「文化・芸術」、「近代産業」、「日本とのつながり」をベースに、オリンピック関連では「中央大学とのつながり」、「難民選手団」に関する展示パネルや約50の書籍と資料が展示されました。新しい試みとして、映像モニターを使ってフランスの芸術作品を動画で紹介しました。企画展示には、学生、教職員のみならず、一般の方も来場し、同時開催されたEUクイズには、多くの方が参加しました。
 5月9日は、「ヨーロッパ・デー(EU創設記念日)」です。創立記念日を祝すとともに、日本とEUの友好と相互理解を目的とした「日・EUフレンドシップウィーク」が、駐日欧州連合代表部と全国のパートナー機関・団体の協力のもと、日本各地で開催されています。本学図書館の国際機関資料室は、国内18大学に設置される「EU情報センター」のひとつで、毎年このイベントに参加しています。今回の企画展もその一環で開催されました。


   日・EUフレンドシップウィーク企画展
  『「オリンピック」と「フランス」~繋がる歴史、未来への想い~』
  ■日 程:2024年5月27日(月)~2024年6月8日(土)
  ■場 所:多摩キャンパス 中央図書館2F 展示スペース
  ■主 催:中央大学図書館国際機関資料室
  ■後 援:駐日欧州連合代表部

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企画展の5つの見どころ

1.「フランス」の「自由・平等」精神と「近代オリンピック」の精神
・難民アスリートのパネル、オリンピック関連書籍の展示
・フランス史(フランス革命)やフランスに関する書籍展示
「近代オリンピックの父」と呼ばれるクーベルタン男爵がスポーツ教育の理想の形として「古代オリンピックの近代における復活」を提案し、オリンピックは1896年、古代オリンピックの故郷オリンピアのあるギリシャで第1回アテネ大会が開催されました。クーベルタン男爵の「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍など様々な差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する」という言葉は、2016年に制定された「母国を逃れてきた国籍を持たない市民もオリンピックに参加できる」という難民選手団の制度にもあらわれています。クーベルタン男爵の言葉は、フランスの「自由・平等」精神と関連しています。オリンピックに関する展示とフランスに関する展示からそれらを読み取ることができます。
2.フランスの文化・芸術に関する展示

ミカエル・フェリエ教授の著書紹介
今回の企画展示の開催に際しては、中央大学文学部教授で、作家・文学研究者のミカエル・フェリエ先生の作品に焦点を当てました。フェリエ先生はエドゥアール・グリッサン賞をはじめ、数々の賞を受賞するなど高い評価を得ているフランス人作家です。『フクシマ・ノート:忘れない、災禍の物語』と『Over seas of memory : a novel』の展示にあたっては、本へのサインと中大生へのメッセージをいただきました。
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バンド・デシネの紹介展示
「バンド・デシネ」とは、フランス語圏のマンガで、少し大人向けでシリアスな話題を取り上げているコミックです。フランスでも人気の日本の少年マンガとの違い等について、東京日仏学院のラファエル・アルヴェスさんに解説していただきました。ラファエルさんお父様はバンド・デシネ作家です。
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文化・芸術作品の動画展示
映像モニターを設置して、フランスの芸術文化を動画で紹介しました。モニターを利用した展示は、本学EU情報センターとして初めての試みです。
3.フランスを代表するブランド、「ルイ・ヴィトン」の展示
ルイ・ヴィトンは、2024年オリンピック・パラリンピックのために、メダルトランクと聖火トーチトランクをデザイン製作しました。このフランスを代表するブランド企業の関連資料や物品を展示しました。受け継がれてきた職人技術の伝統を知ることができます。

4.フランスと日本のつながり
フランスは、日本の指揮者・小澤征爾氏と作家・村上春樹氏を高く評価する国です。若き小澤氏はフランスの指揮者コンクールで優勝し、村上氏もフランスの賞を授賞しています。日本の偉大な文化人に関する書籍等を展示しました。

5.オリンピックと中央大学のつながり
中大初のオリンピアン・メダリスト石井庄八選手(1952年ヘルシンキ大会/レスリング・フリースタイル・バンタム級/金メダル)をはじめ、歴代のオリンピアンをパネルで紹介しました。

▲絵画や芸術の映像がスライドショーで展開

▲小澤征爾氏と村上春樹氏のつながりを紹介

▲資料展示の様子

▲ルイ・ヴィトンに関する展示

▲歴代の白門オリンピアンを紹介

★同時開催★EUクイズ
 「日・EUフレンドシップウィーク」は、日本と欧州連合(EU)の相互理解を深めるために、2001年からスタートした交流プログラムです。毎年5月9日のEU独立記念日に、日本国内のEU情報センターが様々なイベントを開催しています。
 中央大学国際機関資料室では、EUに関連する展示と併せて「EUクイズを開催」し、正解者にはオリジナルグッズを配布しています。

◀配布されたオリジナルグッズの一例

国際機関資料室とは!?

 1994年6月、ニューヨークの国連本部付属ダグ・ハマーショルド図書館によって、中央大学に日本国内13番目の国連委託図書館が設置されることが決まりました。これを受け、1979年から経済研究所に設置されていたEC資料センター(現EU情報センター)の機能を統合する形で、1995年4月、中央図書館に国際機関資料室が開設されました。
 国際機関資料室は、国連とEUそれぞれから資料の寄贈を受け、本学学生・研究者だけでなく、広く市民にも利用提供する役割を担っています。2つの役割を兼ね備えた図書館は、全国で8館、首都圏でも本学を含めて3つを数えるのみです。貴重な資料を学修・研究にぜひ役立ててください。

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