05 REPORT

初の国際コンテスト参加を終えて

2015年04月07日

顔写真

理工学部生命科学科四年
市川 貴章(私立桐蔭学園中等教育学校


The Critical Assessment of protein Structure Prediction 11(CASP11)(第11回タンパク質立体構造予測コンテスト)
2014年12月7日-10日
イベロスターパライソ(リビエラ・マヤ、メキシコ)


 私は大学四年の冬、メキシコのカンクンで開催されたタンパク質立体構造予測コンテスト(CASP)の国際会議に参加しました。CASPは二年に一度開かれる国際コンテストで、与えられたアミノ酸配列を持つタンパク質が、生体内でとる三次元立体構造を理論的に予測するというタンパク質の立体構造予測コンテストです。
 本来であれば、参加は大学院生からという決まりでしたが、大学二年の頃にこのコンテストの存在を知り、以前から参加出来るのであればどんな形であれ、参加をしたいと考えていて、今回、指導教授の岩舘満雄准教授に打診したところ、許可をいただき、参加をすることがかないました。

最終日の学会場で

最終日の学会場で

 五月の初めから八月末にかけて毎日、二問ずつ問題のアミノ酸配列が出題され、これを約二週間で解き、立体構造を提出するという内容で、出題者側との時差の関係から夜中に問題が出され、非常にハードな内容でした。
初めてということもあり、最初は流れが分からず戸惑うことも多かったですが、自分が出来ることはしっかり責任を持ってやるように心掛けました。
国際会議は四日間メキシコのカンクンで開催され、一日の流れは主に成績上位者の発表と評価者の発表が行われました。
国際会議は想像をしていたものとは異なり、コンテストの結果発表や新しい手法の紹介だけではなく、今回開かれたコンテストでは何を基準にし、どのように評価を行ったのか、また手法もどのように改善すればより精度が上がるかなど、各国の一流の研究者たちが一堂に会し、一つ一つの議題に対し、激しく議論を交わす場に参加出来ことは非常に貴重な経験でした。
今回の開催地であるメキシコのカンクンは日本から非常に遠く、慣れない飛行機での移動や乗り継ぎで到着した頃には疲れきってしまい、一日目はほとんど眠ることが出来ませんでした。
宿泊先はリゾート地で気候も良く、食べ物もおいしく、また居心地も非常に良かったです。中でも非常に興味深かったのがLa_Geishaという日本料理店で、ゆったりと落ち着いて日本料理を食べられることを期待したのですが、パフォーマンス重視のお店で料理というよりジャグリングに近く、フライ返しを鉄板の上で自由自在に操りながら調理をしていて、待ち時間を飽きさせずに食べられるようにしようというおもてなしの心を感じるお店でした。
残念ながら私は今回良い成績を残すことは出来ませんでしたが、成績上位者のほとんどを欧米の研究者が占める中、第一線で研究をされている木原大亮氏や富井健太郎氏といった日本の研究者が、優秀な成績を収め、海外の研究者の前で堂々と発表をされているのを拝聴し、自分も二年後に開かれるCASP12に向けて研究を重ね、次回こそは良い成績を残したいと強く思いました。
最後に研究面で岩舘満雄先生を始め、梅山秀明先生に御指導していただいたため、今回の国際会議に参加をすることが出来ました。心より感謝申し上げます。
 

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