05 REPORT

ウィーン大学へ短期留学

2015年06月23日

大学院理工学研究科土木工学専攻博士課程後期課程2年
賈 威
 
 
 花と緑があふれる初夏の季節に古典音楽に包まれ、歴史と文化を感じさせる建物が並ぶ旧市街に馬車の音が響き渡る……。ウィーンは本当に美しく魅力的な町です。私は本学理工学研究科博士課程後期課程の短期留学支援制度を利用し、2012年7月の約一カ月間にウィーン大学へ留学することを実現しました。この一カ月間で、語学の修得に励みながら、ウィーンの町の隅々まで訪れ、大陸ヨーロッパの町作りを肌で感じることが出来ました。土木工学専攻の私にとって、これ以上ない貴重な体験が出来たことは、すべてこの短期留学支援制度のおかげです。
 
ウィーン大学はドイツ語圏最古・最大の大学だ

ウィーン大学はドイツ語圏最古・最大の大学だ

 私にとっては、世界随一の工業国であるドイツに対するあこがれはとても強いものでした。ドイツ語圏最古のウィーン大学を今回の留学先として選んだ理由もここにあります。14世紀に立ち上げた中世大学の代表格であるウィーン大学は、600年以上の伝統と格式のある大学であり、最多の学生を抱える大学でもあります。また大学関係者で、ノーベル賞受賞者の11人中9人が自然科学者であることから、理工科学の領域におけるウィーン大学の歴史がいかに輝かしいものかは分かっていただけると思います。実際に見たところ、ウィーン大学には学ぶ意欲の高い学生が多く、また本当によく勉強している学生が多いと思いました。ただ、勉強ばかりなのかと言うとそうでもなく、遊ぶことも欠かしません。勉強と遊びの切り替えがとてもよく出来ているので、日本の学生も見習うべき点だと思いました。
 この一カ月間では、平日の午前中に大学の語学学校に通い、午後と週末の時間は研究室訪問や図書館での勉強に充てていました。私のクラスはアジア、ヨーロッパ、米州、アフリカとさまざまな地域の国から来た生徒がいました。年齢も国籍も母語も違う人々が同じ空間で同じことを学ぶということを私は初めて経験しましたが、本当に貴重な経験だったと思います。大学に通って、学ぶことへの姿勢に国境はないのだと感じました。
 また、学生寮に住んだことは、私の留学生活を語る上では欠かせません。私は二人部屋の学生寮に住んでいましたが、文化も言葉も違う人たちが同じ場所で生活するので、もちろん大変なこともありました。しかし、楽しいことも多くありました。お互いの国の言葉を教え合ったり、文化紹介をしたり、料理を作り合ったりして、相手の国の文化や料理に触れ、異文化理解・国際交流の機会を多く持つことが出来ました。ルームメートのフランス人との会話は英語交じりのドイツ語を使っていました。母語が違う外国人同士が、互いにとって外国語であるドイツ語を使うことでコミュニケーションを取ることが出来るなんて、何だか不思議ですごいことだと思います。
 この一カ月で学んだこと、経験したこと、得たものは私の今後の糧になるでしょうし、一生の財産です。これから海外へ留学される方で、今から不安でいっぱいの方もいらっしゃるかも知れません。実際に私も、短期とは言え、行くまでは遠く離れたオーストリアというまだ見ぬ国での新しい生活に対して不安で仕方ありませんでした。しかし、実際に行ってみなければ何事も分かりません。行く前に不安で仕方なかったことが、現地に行ってみると簡単に出来たり、また行く前に思ってもみなかったことが起こったりしました。
 限られた期間にやりたいことを精いっぱいやって、後悔しないように留学生活を送ってください。留学中は大変なこともあるかと思いますが、その分たくさんのものが得られ、達成感や充実感も大きいと思います。皆さんの海外留学が実りあるものになりますよう祈っています。
 

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