05 REPORT

世界トップレベルの学会でのプレゼン

2015年07月14日

世界トップレベルの学会でのプレゼン
 
大学院理工学研究科電気電子情報通信工学専攻博士課程前期課程2年 徳冨 司(東京都立竹早高校)

 
 
International Solid-State Circuits Conference(国際固体素子回路会議)
2015年2月22日-26日
サンフランシスコ(カリフォルニア州・アメリカ合衆国)
 
 
私は、米国カリフォルニア州で行われた国際固体素子回路会議にて研究成果の発表を行いました。国際固体素子回路会議は半導体のオリンピックと呼ばれ、半導体集積回路の分野では最も権威のある学会です。そのため論文の採択率も非常に低く、研究室メンバー総出で何カ月も掛けてやっと論文を通すことが出来ました。論文が採択された際、指導教授の竹内先生から私が発表するようお話をいただいた時は、うれしい気持ちの半面、研究室の代表として恥ずかしくない発表をしなければならないという不安に駆られたことを覚えております。本発表から準備を通して得られた経験について報告させていただきます。
まず、本学会は発表前に二回のリハーサルがあることに驚きました。一回目は二月上旬に日本で、二回目は発表の三日前にサンフランシスコで行われました。リハーサルには学会の委員の方が何名も出席されており、プレゼン資料に対するコメントだけではなく、技術に関する厳しい質問を浴びるようにいただきました。そのため、時差ぼけで眠いのを我慢して発表の前日まで資料に修正を加えました。この期間は時間に追われ非常に大変でしたが、何度も修正を加えていくうちに明らかに資料が改善されていくことを実感しました。厳しく指導していただいた委員の方にはとても感謝しております。
 
学会の会場で

学会の会場で

 次に発表を通して努力することの大切さを再認識しました。発表は英語で二五分間も話す必要があるため、原稿の暗記に苦労しました。私は英語が得意ではない上に人前で緊張しやすいため、大人数を前にして質疑応答を乗り切ることが出来るか非常に不安でした。そのため何度も発表練習を行い、原稿は頭が真っ白になっても話せるまで丸暗記し、想定される質問とその回答を四〇個以上用意して臨みました。その結果、本番では緊張することなく発表を終えることが出来ました。一方、質疑応答では三名の技術者から質問をいただきました。正直英語は全く聞き取れなかったのですが、何となく聞こえてくる単語から質問の意図を予想することで、二名の質問にはお答えすることが出来ました。残り一名の方には全く違う回答をしてしまい、後悔が残ります。しかし、発表を終えた後、竹内先生から「最初はどうなるか不安だったけどあれだけ堂々と発表出来て素晴らしい」とお褒めの言葉をいただき非常にうれしく、また同時に肩の荷が下りたことを覚えております。
 更に、本研究内容は非常に高い評価をいただきアジアの学生発表者に送られるSilkroad Awardを受賞いたしました。今までこれだけ大きな舞台で発表する機会をいただけるとは夢にも思いませんでした。これは竹内先生を始めいつも助けていただいている研究室メンバーのおかげだと思っております。発表練習を通して、目標に向かってひたすら努力し続けることの大切さを再認識させられました。まだ修士生活は一年残っているので、限界を決めずこれからも努力していきたいと思います。
 

前へ

次へ