05 REPORT

カンクンでの国際会議に参加して

2017年07月14日

 カンクンでの国際会議に参加して

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田﨑 元(たさき はじめ)
大学院理工学研究科情報工学専攻 2017年3月修了
千葉県立八千代高校出身

学会名 International Conference on Pattern Recognition
日付 2016/12/03 〜2016/12/08
場所 Cancún, Mexico

 
 私は2016年の12月3日〜8日に、メキシコ・カンクンで開催された「パターン認識に関する国際会議(ICPR)」に参加しました。この国際会議にはパターン認識や画像処理、機械学習に関連する分野を専門とする研究者が世界各地から集まります。そのなかで、私は次元削減と機械学習のセッションにおいて、高次元データの次元推定手法に関する内容でポスター発表を行いました。
ポスターの内容を英語で説明する筆者

ポスターの内容を英語で説明する筆者

 この国際会議は、指導教授の趙晋輝先生からお話をいただいたことがきっかけで、自らの研究を海外へアピールしたいという思いから論文の投稿を決意しました。投稿を決意してからは、学部時代の卒業研究から取り組んできた次元推定手法の提案に向けて、どのように有効性を主張するか、先生との相談と実験を重ね、試行錯誤を繰り返しながらも研究成果を論文にまとめました。この論文が査読を通過したという結果をいただいたときには、英語での発表に対して不安を覚えましたが、非常に嬉しく感じました。発表に向けて、先生に発表用の原稿や発音、質問対応などのご指導をいただき、前日まで繰り返し練習を行いました。
 2時間にも及ぶ当日のポスター発表では、想定していたよりも多くの方が話を聞きに来てくださいました。会場では活発な議論が行われており、私もつたない英語ながら自らの研究についての説明や、質問に対する議論を行いました。質問をしてくださる研究者も熱心に聞いてくださるので、図を用いて説明するために持っていたノートでの筆談を利用するなど、できる限りの説明をして納得していただけたときには安心しました。
開催地となったカンクンの美しいビーチ

開催地となったカンクンの美しいビーチ

 国際会議に参加する前は不安と緊張でいっぱいでしたが、今振り返ると多くのものを得られたと感じています。特に、英語での発表をやり遂げたという達成感とともに、英語はあくまでも議論のためのツールであるという認識を得ました。研究に取り組む私たちが学会を通じてほかの研究者の方々に最も伝えたいことは、自らの研究内容です。それが伝える言語によって理解が得られないのはもったいないと感じました。国際会議は国内ではなかなか出会うことのできない海外の専門家たちの見識を得られる場です。発表においては、理論の内容からポスターの表記まで幅広い質問やアドバイスをいただき、同じ分野の研究者が課題に対して注目している点や、課題への新たな視点を学ぶことができました。このように海外で自らの意見を述べて議論するという経験は、研究のみならず、就職後にも活かされると感じています。現在研究に取り組む学生の皆さんには、積極的に海外に出て多くの研究者と交流してもらいたいと思います。

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