05 REPORT

シンガポールでの国際学会に参加して

2018年05月01日

大学院理工学研究科都市環境学専攻
博士課程後期課程3年

 
諸岡 良優 <埼玉県立熊谷高校出身>
 
■活動内容
学会名:14th Asia Oceania Geosciences Society Annual Meeting (AOGS 2017)
期 間:2017年8月6日〜8月11日
場 所:シンガポール
 私は、2017年8月にシンガポールで開催された国際学会「AOGOS 2017」に参加しました。国際学会への参加は本学会で3回目ですが、今回は参加する前から特別な緊張感がありました。なぜなら、私の人生のなかで完全に日本語と分離された生活を送るのが初めてだったからです。私が以前に参加した学会はすべて韓国で開催された国際学会であり、韓国は駅の案内やレストランのメニューに至るまで、あらゆるところに日本語の表記があります。そのため、英語で多少わからないことがあっても、日本語を読めばどうにかなるだろうという甘い考えがありました。
 しかし、シンガポールではすべてが英語です。自分のプレゼンテーションについては、何度も英語で発表した経験があるので不安はありませんでしたが、流暢な英語を操ることができない私は、空港からホテルや会場に向かうまでの道のりを必死に調べながらようやくたどり着きました。緊張感を持ち続けることができたおかげもあり、プレゼンテーションは堂々とできたと思います。

▲発表後には「ナイトサファリ」に行ってきました

 私の研究は、洪水時の住民の避難行動について調査と解析を行い、適確な避難行動を誘導するための情報体系を提案することを目的としています。避難行動のシミュレーションは多くの研究者によって報告されていますが、我々は被災された方(約500件)を訪ねて災害時の避難行動について詳しく話を伺い、災害当時の行動を忠実に再現しました。この成果は私が知る限りでは誰もやったことのない研究であり、海外の先生方からも好評をいただきました。
 また、普段は聞くことのできない海外の研究者の発表を聞き、研究内容はもちろんのこと、表現の仕方や単語の言い回しなど新しい視点から物事を見る大切さを再認識しました。また、ポスターセッションでは自分と年齢の近い学生や若手研究者の発表を聞き、海外のライバルとディスカッションできたことは非常によい経験になりました。世界中の防災・減災に携わる技術者・研究者になることを目標に持つ私にとって、国際会議に参加することは、日本にいるだけでは得ることのできない刺激的な経験ができる大変貴重な機会であり、今後も積極的に参加したいと考えています。
 本報告の最後に、国際学会で発表する機会をくださった山田正先生と、常日ごろからさまざまな面で研究をサポートしてくださっている中央大学に感謝の意を表します。

 

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