05 REPORT

初めて国際学会に参加して

2019年01月01日

理工学研究科電気電子情報通信工学専攻
博士課程前期課程 1 年
 
水品 圭汰  <私立八千代松陰高校(千葉県)出身>

■活動内容
学会名:2018 IEEE International Symposium on Circuits and Systems (ISCAS 2018)
期 間:2018年5月28日~30日
場 所:イタリア・フィレンツェ

 
 私は、イタリア・フィレンツェで開催された国際学会「International Symposium on Circuits and Systems 2018(ISCAS 2018)」に参加しました。
 フィレンツェは「屋根のない美術館」とも呼ばれる、街全体が世界遺産の都市であり、学会は16世紀に建造されたかつての要塞を擁する庭園で開催されました。滞在したホテルも19世紀に建てられた建物で、部屋の窓からはサンタ・マリア大聖堂を一望することができました。

 私はこの学会で「画像認識ディープラーニング向けのNAND型フラッシュメモリの最適化手法」について発表を行いました。自動運転車やロボットが走行ルートなどを決定する際に使われる画像認識技術は、今後多くの場所で使われるようになると考えられます。そうした自動運転車やロボットはコストの制約もあるため、価格が安く容量が大きいNAND型フラッシュメモリを利用することが想定されます。しかし、NAND型フラッシュメモリは大容量化にともない、エラーが発生しやすいなど信頼性が低下する傾向にあります。そこで、私たちが提案した「誤り訂正符号の最適化技術」を利用することにより、少ないコストで大幅な高信頼化を実現することが可能になります。

▲学会の会場も世界遺産の一部

 発表した研究テーマは、学部4年次から取り組んできた研究成果を論文としてまとめたものです。英語での論文執筆も国際学会への参加も初めてだったため、何から何までわからないことだらけでした。しかし、指導教官の竹内先生と先輩方にたくさんのアドバイスをいただきながら、なんとか論文を執筆することができました。私たちの論文は査読の結果、口頭発表として採択されました。初めての国際学会で口頭発表をすることになり非常に不安でしたが、竹内先生や研究室のメンバーに発表練習のフィードバックをいただくことで、なんとか形にすることができました。
 発表自体はうまくできたと思いますが、発表後の質問にうまく答えられず、自分の本質的な理解と英語力が足りていないことを痛感し、今後の課題を多く発見することができました。自分の発表のあとは、世界中から集まった研究者たちの発表を聴講しました。ISCASは取り扱うテーマが幅広く、大規模な学会であったため、まったく異なる分野の研究者の発表は非常に有意義なものでした。
 最後になりますが、日ごろから熱心にご指導いただき、国際学会の場で発表する機会をくださった竹内健先生、教職員の皆さま、研究室のメンバーに深謝の意を表します。また、研究面だけに限らずさまざまな面からサポートしてくださっている中央大学に、感謝の意を表します。


 

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