05 REPORT

総合政策学部 李里花ゼミナールの学生が主催する
「第三回大学生によるダイバーシティ弁論大会」が開催されました

2023年02月09日

▲実行委員が制作した告知ポスター

  2022年12月18日(日)、総合政策学部教授 李里花ゼミナール所属の学生が主催する「第三回大学生によるダイバーシティ弁論大会」がオンラインで開催されました。

 この大会は、2020年に同ゼミの学生(2022年3月卒業)が主催した「第一回 大学生の大学生による弁論大会 ~多文化共生社会に物申す~」の内容を受け継ぎ、ダイバーシティという観点を加えた形で、「ダイバーシティの知識を共有する場を設けたい」「知識をアウトプットする場を設けたい」「ダイバーシティについて考える輪を広げたい」といった問題意識をもって実施されてきました。

 3回目となる本大会は、李里花ゼミナールで学ぶ翁 佳君さんと渡邊 凉太郎さんが実行委員として、大会の企画から当日運営までを担当しました。 審査員には、外部から松尾 慎さん(東京女子大学現代教養学部 教授)とトミー長谷川さん(東京大学4年/Moving Beyond Hate代表)をお迎えし、中央大学からは李里花が担当しました。
 大会当日は、事前募集で参加を表明した大学生チーム5組(他大学4チーム・中央大学1チーム)が、「多文化共生」「ジェンダー」「外国人」など、ダイバーシティに関わる意見やアイデア等を熱くプレゼンテーションしました。さらに活発な質疑応答と審査員による的確な講評など、充実した内容になりました。参加した学生たちにとっては、広い視点からダイバーシティを考え、多くを学びました。さらに学生同士の交流を図ることができ、充実した大会となったようです。

 以下で、この大会の実行委員を担当した翁 佳君さんと渡邊 凉太郎さんから届いたレポートをご紹介します。
 

第三回大学生によるダイバーシティ弁論大会を終えて~実行委員によるレポート 

 実行委員/総合政策学部3年  
 翁  佳君 ・ 渡邊  凉太郎  

●大会に向けて準備したこと

 このイベントを開催するにあたり、まず大会のルール設定、参加者集めと資金集めを行いました。先輩方が残した経験と反省を生かし、参加者と協力していただく方々にご迷惑やご心配をかけないためにも、大会のルールや全体の流れを運営で何度も話し合い、慎重に決定していきました。また、参加者を募るために各大学のゼミへお邪魔し、大会の宣伝を何度も行いました。できるだけさまざまな大学から参加してもらいたかったので、SNSも活用しました。さらに、審査をしていただく方への謝礼や受賞チームへの賞品も用意する必要があり、資金を集めるためクラウドファンディングを行いました。11人もの方々から支援をしていただき無事に資金を集めきることができました。

●大会当日の様子
 大会当日は、まず発表する5チームが各10分の持ち時間でプレゼン、5分間の質疑応答を行いました。次に、参加者はグループに分かれて発表内容やテーマについて議論をしました。プレゼンの終了後には、参加者による投票で最優秀賞と優秀賞を選出し、最後に、専門家の方々からフィードバックをいただきました。質疑応答では質問が活発に行われ、グループでの話し合いも盛り上がりました。他人の意見を聞くことで新たな学びを発見することができ、「知識のアウトプットや知識の共有をする」という目的の達成につながったと感じました。

【最優秀賞】東京女子大学現代教養学部「あいたい!しりたい!つなげ隊!」によるプレゼン、質疑応答の様子

●大会の結果
【最優秀賞】
東京女子大学現代教養学部「あいたい!しりたい!つなげ隊!」
木村実央さん、小島莉子さん、佐藤衣真梨さん、藤田小百合さん、松井明日香さん、ユーゲニヤさん
 【 優秀賞 】
東京外語大学大学院 「私にもできる反差別アクション—反差別学生団体〈Moving Beyond Hate〉での活動を通じて」
大橋彩乃さん

●審査員のお言葉
 審査員の方々からは、各チームのプレゼン発表に対してコメントをいただきました。本大会について、「各大学の発表内容がさまざまで、関心のある分野のテーマもあったので、学ぶことも多くありました」というようなメッセージをいただきました。
●他校チームのプレゼンを聞いて感じたこと
 各チームが考える「ダイバーシティ」が多種多様であったことが印象的でした。「社会レベル」という大きな観点で考えるチームもあれば、「日常生活レベル」のテーマをプレゼンしたチームもあり、新鮮な切り口に引き込まれました。また、参加者同士が自身と違う分野に触れることで、刺激のある議論をすることができたのではないかと思います。

●運営する上で難しかったことや苦労したこと
 イベントの企画と運営自体が初めてだったので、何を考慮してどう進めるかを考えていくことが一番難しかったです。タイムスケジュールを決める際に、緊急事態にも対応できるよう時間に余裕をもって設定しておくといったような細かなことまでしっかり考慮する必要がありました。知識がまったくない状態から大人数が参加する大会を運営するのは本当に骨が折れるような作業でした。さらに、宣伝のため他大学のゼミを訪問する際のメールの書き方、クラウドファンディングでの資金集めなど、ざまざまな体験は大きな学びにもなり、苦労しながらも楽しい経験ができました。

【優秀賞】東京外語大学大学院 「私にもできる反差別アクション—反差別学生団体〈Moving Beyond Hate〉での活動を通じて」

●大会の感想
<翁> すべてのプログラムをやり遂げたことでホッとしました。長期間に渡って第三回目となる弁論大会を企画し準備してきた中で、昨年度よりもディスカッションの時間を増やすことを方針としていたので、時間内に抑えるための工夫が大変でした。しかし、当日、活発な質疑応答やグループの会話が盛り上がるのを見て、参加者に学びの場を提供できたように思いました。また大会後のアンケートでは、参加者と専門家の先生方からさまざまなコメントをいただくことができました。「とても有意義な時間を過ごすことができました」や「新しい発見と学びがたくさんありました」といったご意見を読んで、今後もこのような場を設けたい思いを強くしました。
<渡邉> 各大学のプレゼンを通してダイバーシティについての知識を深められただけではなく、イベントの開催にあたり重要なことを学ぶこともできました。イベントを主催することは、決して容易ではありませんでしたが、多くの方々の協力を得ながら無事に成功させることができました。今回の大会にとどまらず、身近にある多様性について、多くの人が知ることができる機会を継続的に作っていきたいと思います。

▲左から実行委員の翁さんと渡邉さん

●お礼のことば
 弁論大会を3回も継続して開催できたのは、多くの方々に支えられたからです。専門家として参加してくれた先生方、発表やディスカッションに参加してくれた皆様、忙しい中で手伝ってくれた李ゼミの2年生と4年生、別大会に参加後にもかかわらず参加してくれた3年生、企画や運営の方針について細かくアドバイスをくださった李里花先生。本当に多くの方々に支えられて無事に開催し、終了することができました。
 最後になりますが、本大会に関わってくださったすべての方々に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

●これからの自分の目標や学びたいこと
 本大会を通して多くの方々と「ダイバーシティ」について学ぶ場を形成することができたとともに、私自身も参加者の皆さんのさまざまな考え方に感銘を受けました。今後もこのような機会や場を作りたいと考えています。もし第4回目の弁論大会の開催がされるなら、参加者にとってより学びのある機会になるようサポートしたいと考えています。これからの残り1年間の大学生生活で、自分らしい形に集大成したいと考えています。

審査員と参加チームの皆さんをご紹介します

〇大会審査員
・松尾 慎 氏(東京女子大学現代教養学部 教授)
 研究分野:多言語社会における言語管理、日本語教育、多元文化交流・多元文化教育
・トミー長谷川 氏(東京大学4年/Moving Beyond Hate代表)
 「Moving Beyond Hate」という難民やジェンダー、外国人差別について取り組む学生団体の代表を務めている。
・李里花 (中央大学総合政策学部 教授)
 研究分野:日本、アメリカ、朝鮮半島を中心とした環太平洋の移民、人種エスニシティ、ナショナリズム、
 トランスナショナリズムをめぐる問題等

〇発表タイトルと参加チームの皆さん(敬省略)

・「タトゥー文化と多様性」
  日本大学国際関係学部/鈴木陽斗、塚本颯太、佐山夏波、細田拓都、長谷川あよな、杉山美葵
・「夫婦別姓に対する世界の認識」
  日本大学国際関係学部/生井 開斗、田村涼葉、堀内理瑚、李泱泱、杉山和香奈
・「私にもできる反差別アクション —反差別学生団体〈Moving Beyond Hate〉での活動を通じて」
  東京外国語大学大学院/大橋彩乃
・「あいたい!しりたい!つなげ隊!」
  東京女子大学現代教養学部/木村実央、小島莉子、佐藤衣真梨、藤田小百合、松井明日香、ユーゲニヤ
・「防災のニューノーマル 〜地域に新しい繋がりを〜」
  中央大学総合政策学部/嶋森涼香、橋本萌子

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