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総合政策学部 李里花ゼミナールの学生が主催する「第二回大学生によるダイバーシティ弁論大会」が開催されました

2022年03月17日

▲終了後。参加者と審査員の皆さん一緒に笑顔で記念撮影

 2021年12月19日(日)、総合政策学部准教授 李里花ゼミナール所属の学生が主催する「第二回大学生によるダイバーシティ弁論大会」がオンラインで開催されました。

 この大会は、2020年に同ゼミの学生(現在4年生)が主催した「第一回 大学生の大学生による弁論大会 ~多文化共生社会に物申す~」の内容を受け継ぎつつ、さらダイバーシティという観点を加えた形で、「大学生がダイバーシティについて知識を共有する場を設けたい」「大学生からダイバーシティについて考える輪を広げたい」という問題意識をもって実施されました。実行委員として、総合政策学部3年で李里花ゼミナールで学んでいる河内瑛美さんと丹野菜名さんが企画から当日の運営までを担当しました。

 審査員に、外部から本堂晴生氏(NPO法人Gコミュニティ)、松坂裕晃氏(大阪経済大学情報経済学部)をお迎えし、中央大学からは吉田千春(法学部)と李里花(総合政策学部)が担当しました。

  大会当日は、事前の募集で参加表明した大学生チーム8組が、「多文化共生」「ジェンダー」「外国人」など、ダイバーシティに関わる意見やアイデア等を熱くプレゼンテーションしました。さらに活発な質疑応答と審査員による的確な講評などもあり、午後1時の開始から午後5時近くまで開催されました。参加した学生たちにとっては、多くを学ぶことができた充実した大会となったようです。

 以下で、この大会の実行委員を担当した河内瑛美さんと丹野菜名さんから届いた、大会準備から当日の様子、終了後の感想などをご紹介します。

第二回大学生によるダイバーシティ弁論大会を終えて <実行委員/総合政策学部3年 河内瑛美・丹野菜名>

●大会に向けて準備したこと
 まず、「どうしてこの大会を実施するのか」という話し合いからスタートし、大会の名称、日程設定を決めていきました。そして大会のポスターやプレゼン資料を作り、大会のテーマに関する研究をされている全国の様々な大学の先生方にご協力をいただきました。授業に出席させてもらい、大会についてプレゼンして参加を呼びかけました。また、それと並行してSNS(TwitterとInstagram)も運営していました。

●大会当日の様子
 大会当日は、全8チームを2つのルームに分け、各チーム30分の持ち時間の中で、発表と質疑応答を行いました。そして各ルームから選出された2チームによる決勝プレゼンを実施。4名の審査員と参加者による投票で最優秀賞を選びました。
どのチームの発表もダイバーシティについての問題意識や想いが伝わる内容でした。「ダイバーシティについて真剣に考える大学生がこんなにいるんだ!」ということに感動すると共に、たくさんの刺激をもらいました。何よりもよかったのは、学生からの質疑応答が非常に活発だったことです。ただ発表するだけではなく、「学生同士が知識を共有し、議論し、交流する」というこの大会の目的を果たすことができたと感じました。

▲1位チーム/中央大学総合政策学部 「東京都の留学生が抱える問題~インクルーシブ社会への架け橋~」によるプレゼンの様子

●大会の結果
最優秀賞/中央大学総合政策学部
「東京都の留学生が抱える問題~インクルーシブ社会への架け橋~」
小川令加、工藤沙弥香、三井風子、横澤莉乃
優秀賞/東京女子大学現代教養学部
「十人十色~私たちらしく生きていくには~」
木村美夕、田中ひなた、土田有希
優秀賞/日本大学国際関係学部
「コミュニケーションのダイバーシティ」
作田翔一朗、望月柚希、森彩佳

●外部からお招きした審査員のお言葉から
・本堂晴生氏(NPO法人Gコミュニティ代表)
「支援は目的ではなくて、手段。取り組んだ先に何があるかが大切。」
 実際に最前線で外国人の教育支援を行ってきた本堂さんからのこの言葉は忘れてはいけないなと思います。「ダイバーシティについて興味を持って研究し、支援する」だけの自己満足ではなく、その先にどのような人々がいて、どうしていきたいのかを常に考えなければいけないと感じました。

・松坂裕晃氏(大阪経済大学  情報社会学部専任講師)
 「『ダイバーシティ』という言葉を、(最近まで米国の大学で教鞭をとっていたので)遅ればせながら日本でも最近よく聞くようになりました。しかし、これを流行語やスローガンに終わらせず、一人ひとりが尊重されて、真に自由に生きられる差別のない社会を実現するためには、多くの市民が深く真剣な議論をし、日々努力し、行動してゆくことが必要です。この大会は李里花先生のゼミが主催し、学生主体で学生たちが学び、知恵を出し合い、意見を戦わせる、本当に貴重で、かつ今の社会が必要としているような企画だと思います。」
 大会後、松坂さんからこのお言葉をいただき、「大会を開催してよかった!」と感じ、非常にうれしく思っています。私自身も大会を開催する意味を改めて考えさせられるとともに、この大会での多くの意見や議論をここで終わらせずに、今後も考え続けたいと感じました。

▲2位チーム/東京女子大学現代教養学部 「十人十色~私たちらしく生きていくには~」による発表の様子

●他校チームのプレゼンを聞いて感じたこと
 「ダイバーシティ」と言っても、本当に多くの視点があると感じました。中央大学のチームは、「ダイバーシティ=外国人」というテーマが中心でしたが、他大学はジェンダーやコミュニケーションなどバラエティーに富んでいました。他大学の学生に参加していただいたおかげで、皆が自分の専門ではないテーマについてもお互いに知り、考えるきっかけになったのではないかと思います。

●これからの他校チームと交流について
 今回、学生からの質疑応答が非常に活発で、予定していた時間では足りませんでした。再び交流できる機会があれば、お互いにプレゼンをしたり、映画を見たりして、じっくり意見交換や議論できる時間を設けていきたいと思います。

●運営について難しかったことや苦労したこと
 一番苦労したのは発表者を集めることでした。1チーム15分間のプレゼンをしてくれる大学生を集めることはなかなかハードルが高く苦戦しました。SNSで呼びかけるだけでは厳しいと判断しました。そこで、ダイバーシティに関わるテーマを研究されている様々な大学の先生にお声がけして授業に参加させていただき、大会についてプレゼンし参加を呼びかけました。結果として8チームに参加していただくことができましたが、他大学からの参加が少なかったことが反省です。この大会を経て、大学を超えた交流の意義というものを再確認したので、来年以降に機会があれば、より多くの大学に参加を呼びかけたいです。
 また、当日の運営や進行なども不慣れだったため、Webexの操作や時間配分など、参加者や審査員の方々にご迷惑をおかけしました。特に、吉田千春先生と李里花先生には進行面でかなり助けていただきました。様々な不測の事態に備えて、事前に準備しておくことが重要だと学びました。

●大会を終えて

  まずは、無事に大会を開催できたこと、うれしく思います。開催までにはうまくいかないことも多くありました。本当に無事に開催できるのだろうか、大会をやる意味はあるのだろうかと、不安になることもありました。しかし、当日の大会では皆さんの発表や議論がとても素晴らしく、私自身も多くの刺激を受けました。大会にご参加くださったすべての皆様に感謝するとともに、本当に開催してよかったと思いました。
 終了後に書いていただいたアンケートでは、たくさんの学生・先生方から熱意のあるコメントをいただきました。「参加してよかった」「また参加したい」という声に胸が熱くなりました。大会を企画・運営することの難しさを味わい、反省点も多くありますが、同世代でこれほど真剣にダイバーシティについて考えている学生がたくさんいると知り、一緒に議論することができたのは何よりの収穫だと感じています。

▲実行委員の河内さんと丹野さん

●お礼のことば
 
発表してくださった皆様、視聴してくださった皆様、審査員の皆様をはじめ、昨年度に本大会を立ち上げた李里花ゼミの先輩方(4年生)、「何かあったら手伝うからいつでも言ってね」とサポートしてくれた3年生…、本当にたくさんの方々のおかげで無事に開催することができました。特に、大会の企画・運営するにあたり相談にのってくださり、当日の運営を含め多くのサポートをしていただいた李里花先生には感謝してもしきれません。改めて、本大会に関わってくださったすべての方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。

●これからの目標
 この大会については、絶対に引き継いでいってほしいというよりは、後輩のみんながやりたいと思ったら実施してくれたらよいと思っています。一方で、参加した多くの方からは「参加してよかった」「また参加したい」と言っていただけたので、発表より議論をメインにするなど、形を変えながら実施していくのもよいかもしれないとも感じています。もし来年後輩が実施を決めたなら、多くの人に支えていただいた分まで全力でサポートしようと思います。
 私自身は、大学生活も残り1年となります。この大会で受けた多くの刺激をゼミ活動での学びにつなげていきたいです。

審査員と参加チームの皆さんをご紹介します

〇大会審査員
・本堂晴生氏(NPO法人Gコミュニティ代表)
日本に在住する外国人とその子どもの教育・育成支援活動、地域の日本人と外国人の交流促進支援活動等を群馬県を中心に実施している。
・松坂裕晃氏(大阪経済大学情報社会学部  専任講師)
研究分野:近現代のグローバル・ヒストリー。特に、米国・東アジアの思想・文化史、人種・エスニシティ。
・吉田千春(中央大学法学部  助教)
研究分野:異文化間理解、多文化共生、日本教育等。
・李里花(中央大学総合政策学部  准教授)
研究分野:日本、アメリカ、朝鮮半島を中心とした環太平洋の移民、人種エスニシティ、ナショナリズム、トランスナショナリズムをめぐる問題等。
 
〇参加チームの皆さん(敬省略)と発表タイトル
・「十人十色 〜私たちらしく生きていくには〜」
   東京女子大学現代教養学部(コミュニケーション専攻)/木村美夕、田中ひなた、土田有希
・「アジア人に対する差別とそれに対する世界の意識」
   日本大学国際関係学部/山本佑、川村悠里、小谷汰一、小河原亮平
・「コミュニケーションのダイバーシティ」
   日本大学国際関係学部/作田翔一朗、望月柚希、森彩佳
・「アンコンシャス・バイアスの面から見たジェンダー問題」
   日本大学国際関係学部/河西杏諭、君島彩也乃、伏見美穂、渡邉沙弥香
・「在日コリアンの名前からみる現代のアイデンティティ〜これからの日本社会を考える〜」
   中央大学総合政策学部/橋本萌子、嶋森涼香、大宮悠希
・「コロナ前と後で留学生の環境は変わったのか?」
   中央大学総合政策学部/奥澤千紘、翁佳君
・「技能実習制度における構造的な問題点とその背景」
   中央大学総合政策学部/高村汐里、原口裕美、渡邉涼太郎
・「東京都の留学生が抱える問題~インクルーシブ社会への架け橋~」
   中央大学総合政策学部/小川令加、工藤沙弥香、三井風子、横澤莉乃

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