05 REPORT

短期留学が人生のプラスになる

2017年01月06日

短期留学が人生のプラスになる

 
大学院理工学研究科都市環境学専攻博士課程後期課程2年
凌 国明(中国・四川大学出身)
 
 
 2016年2月8日から3月5日の間、短期留学支援制度を利用してアメリカのオハイオ州立大学に留学をしました。私は津波解析の高精度化と効率化を考慮した2次元・3次元ハイブリッド津波解析モデルの構築研究を行っております。研究のご縁もあり、受入先は、Eathan Kubatko教授の研究室CHILにお願いしました。

 Kubatko教授は2015年6月に中央大学に招聘され、不連続ガラーキン法(DG法)という数値解析手法に関してセミナーを行いました。近年、DG法は不連続問題に対して有効な手法であることから注目が高まっています。そのため、CHILに行き、DG法を自分の研究に取り込み、より高精度な津波解析モデルを構築しようと決意しました。
 スケジュールに関してはトラブルがあり、日程を変更せざるを得ませんでした。大学には昨年の10月下旬に留学の申請をしましたが、アメリカの大学とのやりとりに長い時間が掛かってしまいました。アメリカのJ1ビザを申請するためのDS2019という書類が手に入ったのは今年の1月15日で、更にアメリカ大使館でのビザ面接があり、実際にビザが入手できたのは3週間後でした。そのため、2月1日から留学を予定していましたが、1週間遅れて、飛行機の予約も取り直さなければなりませんでした。留学先とのやりとりやビザの申請をもっと早くやるべきだったと思います。
 私がオハイオに到着した日から、大雪が降り始めました。Kubatko教授は空港まで私を迎えに来てくださった時に、ジョークで「雪は君を迎えに降り始めたよ!」とおっしゃっていました。寒い夜でしたが、心は温かかったです。滞在した研究室では多くの時間、いただいた資料を読み、DG法のプログラムの構築を行いました。多くのことを勉強できましたが、最も印象に残ったことは「brainstorming」という取り組みで、研究室内のメンバーが壁にぶち当たった時に、皆が集まって自由に考えを出し合って問題を解決したり、アイデアを生み出したりしました。

 研究外の生活では、オハイオ州立大学の週1回の英会話交流会に参加しました。交流会では、初めの30分はアメリカの学生が1つのトピックについてプレゼンテーションを行い、その後の30分は皆がそのトピックについて自由に英語で会話をしました。そのため、英語の勉強になり、友達も多くできました。中央大学にもそのような留学生との日本語あるいは英語の会話交流会があったらいいなと思いました。また、アパートに泊まっていたため、毎日大家さんとさまざまな異文化交流ができ、仲良くドライブをして、一緒にNBAの試合を見に行くこともできました。
 今回の留学は、短かったですが充実しており、貴重な経験となりました。研究結果として、DG法を導入し、1次元の浅水長波流れ解析プログラムの構築とその有効性を検討することができました。また、さまざまなアメリカの文化を経験し、多くの友人ができ、今回の留学は自分の人生にプラスとなりました。最後に、この機会を提供していただいた中央大学大学院理工学研究科、Kubatko教授、樫山和男教授、両研究室のメンバーに深く感謝申し上げます。
 

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