05 REPORT

ドイツでの国際会議へ参加して

2019年07月01日

理工学研究科物理学専攻
博士課程後期課程2年
 
石垣 秀太 <私立桐光学園高校(神奈川県)出身>  

■ 活動内容
学会名:Conference Gauge/Gravity Duality 2018
期 間:2018年7月30日~8月3日
場 所:ドイツ・ヴュルツブルク
 
 私は2018年の夏に、ドイツで開かれた国際会議「Conference Gauge/Gravity Duality 2018」に参加しました。
 私はそれまで国際会議への参加経験はなく、海外への渡航自体も久しぶりであったため、参加前は不安と緊張でいっぱいでした。行きの飛行機では運悪く台風に見舞われ、便や経路が変更になるなど一時はどうなることかと思いましたが、ウィーンの空港で対応してくれた職員の方が、最後に日本語で「ありがとうございます」と言ってくれて少し安心した覚えがあります。こちらも学部で習ったドイツ語を思い出して「ダンケシェーン」と返しました。

 国際会議の開催地であるヴュルツブルクへは、フランクフルト空港からICEという高速列車に乗って向かいました。ヴュルツブルクは南ドイツの丘陵地帯に位置する歴史ある街で、旧市街地にある「レジデンツ」という大きな宮殿は世界遺産に登録されています。会場となった旧大学施設もその近くにあり、古くからある建物のようでとても立派なものでした。また、街は観光地ということもあって店などでは英語が通じることが多く助かりました。しかし、標識や中心地を離れた店などではドイツ語のみのことも多く、そうした場面では苦戦を強いられました。

▲会議の合間に行った世界遺産「レジデンツ」

 今回参加した国際会議は、その名の通り「ゲージ・重力対応」に関わる研究者たちが集まるものです。ゲージ・重力対応とは、粒子のゲージ理論と重力理論の間をつなぐ対応関係のことで、高次元の宇宙が4次元の私たちの世界に対応することから「ホログラフィック対応」などと呼ばれたりもします。私の研究では、直接調べることが難しい物質中の電気伝導の仕組みなどについて、このゲージ・重力対応を使って調べています。

 会議では、この研究についてのポスター発表を行いました。英語での口頭発表はなかなか思ったようにスラスラとはいきませんでしたが、ゆっくりでも丁寧に説明することで研究内容を伝えることができたと思います。会議にはこの分野において名高い研究者はもちろん、自分と同じような若い研究者たちも発表していて、そうした人々との交流は、自分にとってとても貴重な経験となりました。

 最後に、いつもご指導をいただいている中村真教授と、常日頃から研究をサポートしていただき、今回の国際会議への参加でも助成していただいた中央大学に、この場を借りて感謝を申し上げます。


 

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